8月11日(日)。はいだしょうこさんの「王様と私」に通っています。
今日も兵庫芸文センターへ。ガラスに私が映りこんでますな。
ミュージカル「ロジャース&ハマースタイン 王様と私」(全2幕、日本語上演)
兵庫公演も最終日となりました。
最後は2階席から見ることにしました。同じところばかりじゃ面白くないでしょ。
昨年3回見てて、今年はこれで4回目。もう歌詞やセリフも全部おぼえちゃったな。
(※前記事からの続き)
第2幕第2場。タプチムとルンタのデュエットシーンです。
宮殿の中庭(背景には「We Kiss in a Shadow」が流れている)。タプチムがたたずんでいるところにチャン王妃が現れる。
チャン王妃「早くお芝居の仕度をしなさい」
タプチム「ここでセリフをさらっておりました」
チャン王妃「あなたとルンタのこと、陛下には申し上げません。
陛下のお心を傷つけたくありませんからね。あなたの恋人は今夜、シャムを発ちますよ」
タプチム「今夜?」
チャン王妃「さあ、劇場へ行きなさい」
(チャン王妃退場。チャンは「木陰のくちずけ」でタプチムとルンタの逢引を見ている。ここでタプチムがルンタと会うことがわかっててやってきている)
ルンタ「タプチム」
タプチム「シッ!」
抱き合う二人。
タプチム「今夜、シャムをお発ちになるというのは本当なの?」
ルンタ「It is true Tuptim. They have ordered me on the first ship that leaves for Burma, and it is tonight.」
タプチム「私どうしたらいいの」
ルンタ「いっしょに行こう」
タプチム「ルンタ」
ルンタ「Secret Police will all be at theatre. Meet me Here, after your play. everything is arranged.」
タプチム「そんなこと」
ルンタ「できるさ。今日こそかなうんだ。何万回も心に思い浮かべていた夢が!」
ミュージカルナンバー「I Have Dreamed (アイ・ハブ・ドリームド)」
配布されたプログラムには「アイ・ハブ・ドリーム」になってますが、間違いです。そんな英語はありませんから誤植と思われます。昨年のプログラムもこうなってたんでんですよね。それなら昨年の時点で気が付いてるはずで、今年のプログラムは修正するべきなのに。どっちでもいいとでも思ってるの。観客が全員、英語がわからんとでも思ってんのかね。「I Have a Dream または I Have Dreams、私は夢がある」のつもりなら、歌詞の内容と違うだろう。歌詞は「私は夢に見た」という内容ですよ。マニアは細かいことにつべこべ言うものである。さ、R&Hミュージカルのなかでも第一級のラブ・デュエットですよ。
ルンタ ♪いつも夢に見てた 優しいその腕を
あなたが寄り添うときは 二人はひとつに
いつも夢に見てた 夕日浴びた姿
夢の中では 愛してきたから
愛というものは 知っているのだよ
タプチム ♪ただひとり目を覚まし星屑見て
いくたびか同じこと 考えたわ
タプチム ♪いつも夢に見てた 優しいその腕を
あなたが寄り添うときは 二人はひとつに
いつも夢に見てた 夕日浴びた姿
夢の中では 愛してきたから
二人 ♪愛されることも どんなものか 知っている
すげー! 素晴らしいデュエットだ! とりはだものですな。ルンタの調子がいいねえ。訳詞がダサいのはしょうがないな。ここの最後はぎゅっと抱き合うだけでした。みなさまもご指摘の爪先立ちになってるタプチムがかわいらしいですよ。昨年のはもう忘れてしまいましたが、昨年はここではキスがあったんでしたかね?
はいだ&藤岡くらい歌えてるのはyoutubeにはないね。
本田美奈子ファンには申し訳ないが、はいだタプチムのほうが断然うまいね。きっぱり。声の厚みが違う。
そこにタプチムを探していたアンナが登場
アンナ「タプチム」
タプチム「先生」
アンナ「Tuptim, They are looling for you at the theatre. I guessed you were both here.
I ran out to warn you. I think you're being reckless.」
タプチム「すぐにまいります」
タプチムはアンナのそばに寄り
タプチム「アンナ先生。これでお別れでございます」
タプチムはアンナの手を取り別れのくちずけをして退場。
アンナ「(ルンタに)何があったの?」
ルンタはアンナに今夜二人で逃げ出すことを話して退場。
アンナ「God bless you both」
ミュージカルナンバー「Hello Young Lovers (reprise)」が入る。
紫吹アンナ、上出来とは言えないが、なんとかがんばってる。ああ、いいシーンだ。
第3場
劇中劇「トーマス伯父さんの小さな家」(脚本・ナレーション:タプチム)
はいだしょうこさん演じるタプチムがここでは舞台下手でナレーションをします。タプチムの全セリフを記載します。
(訳詞は岩谷時子先生。東宝ミュージカルのCDを参考にしています)
タプチム「陛下、ご来賓のみなさま。これより『トーマス伯父さんの小さな家』を謹んでご覧にいれます」
コーラス「『トーマス伯父さんの小さな家』、この話を書いた人の名前は、ハリエット・ビーチャ・ストーワ」
タプチム「おうちはケンタッキーの王国にあります。統治しているのはアメリカで一番悪い王様、レグリーのサイモン王です。
陛下、ここにしあわせでない人をご紹介いたします。奴隷のイライザです」
コーラス「おお、イライザ。おお、イライザ。かわいそうな奴隷」
タプチム「レグリーのサイモン王はイライザのご主人様。彼女はこの殿様が大嫌い。そして、恐れています。
この王様は彼女の恋人を遠いオハイオ地方に売り飛ばしました。恋人の名前はジョージ。
コーラス「ジョージ」
タプチム「赤ちゃんの名前もやっぱりジョージ」
コーラス「ジョージ」
タプチム「イライザは友達に申します。恋人ジョージを見つけにゆくと」
コーラス「ジョージ」
タプチム「そこでお友達に別れを告げて、逃げ出します。これは逃亡です」
コーラス「逃げろ、イライザ。逃げろ、イライザ。サイモンから」
タプチム「イライザ、かわいそう。嵐にあいます。隠れて、イライザ」
コーラス「サイモンから。隠れて、森へ。かわいそうイライザ、かわいそうイライザ、かいそうイライザ、かわいそうイライザ」
タプチム「イライザ、とても疲れました。
陛下、おそれながらレグリーのサイモン王をご紹介いたします」
あわれな奴隷を引きすえて、サイモン、鞭で打ちます。
サイモンは利口な男で、イライザを探すのに兵士ばかりでなく科学的な犬を使うことにしました。
犬はくんくんにおいをかぐから、王様から逃げ出した人全部を見つけます」
コーラス「逃げろイライザ。逃げろ逃げろ。サイモンから。走れ走れ。おーイライザ、逃げろサイモンから
イライザ走れ。イライザ、サイモンから逃げて。イライザ走れ」
タプチム「おお、イライザ」
コーラス「イライザ、サイモンから逃げて。逃げろイライザ、サイモンから。逃げろイライザ、サイモンから
走れイライザ。走れ走れ。あー」
タプチム「イライザ、河へ来た。イライザ、河へ来た」
コーラス「おお、イライザ」
タプチム「誰が助ける」
コーラス「みほとけ。ブッダ、ブッダ、ブッダ。助けて、この娘を助けて」
タプチム「ブッダが奇跡をお示しになります。ブッダは天使をつかわされた。
天使は冷たい風をおこす。川の水は硬くなる。その上を歩けるほどに硬く」
コーラス「ブッダは奇跡を示される。ありがたや」
タプチム「凍った水の上をどうして歩くか、天使は彼女に教えます。
ブッダは、その愛のしるしとして、今度は新しい奇跡をおこないます」
コーラス「みほとけの」
タプチム「天からの贈り物」(※東宝版と変わってる)
コーラス「恵みを」
タプチム「大空にかけたレースのような」
コーラス「たたえよう。みほとけの恵みをたたえよう」
タプチム「イライザ、河を渡ります。レースのベールにかくされて。
奇跡の名前を申すことを忘れました。それは雪です。
突然、そこへやって来た悪い王様サイモン。奴隷をたくさん従えて凍った河を渡って。
河には何が起こったのでしょう。ブッダが太陽をお呼びになったのです」
コーラス「みほとけが河の氷を溶かして。悪者たちは落ちておぼれた」
タプチム「河のあちら側にはきれいな都、カナダがある。そこでイライザはかわいらしい小さな家を見る。
そこには誰が住んでいるのでしょうか? アンクル・トーマス」
コーラス「オールド・アンクル・トーマス」
タプチム「小さいエヴァ」
コーラス「かれんなエヴァ」
タプチム「小さいトプシィ」
コーラス「やんちゃなトプシィ」
タプチム「おお、ジョージ」
コーラス「恋人ジョージ」
タプチム「イライザには天使のように見える恋人。みんな、悪い王様から逃げ出して、幸せに一緒になりました。
サイモン死んで喜ぶトプシィ。トプシィ喜びのダンス。
トプシーが言ったことをハリエット・ビーチャ・ストーワが何と言ったか、お教えします。
おらあ、世界中で一番意地悪い人間と思うだ」
「でも、私はそうは思いません。トプシィが意地悪な人間だとは。なぜなら、
私も王様の死を喜んでいるんですもの。人々を不幸な目にあわせ、そのうえ恋人と一緒になろう
とする奴隷を追跡するような王様なんて。そして陛下!私には陛下に申し上げたいことが!」
(※このあたりの言い回しも少し変わった。しょうこちゃん、いいですねえ。)
「陛下、ならびにご来場のみなさま、物語の結末を申し上げます。とても悲しいおわりです。
ブッダはイライザをお救いになった。けれどもブッダのお恵みと一緒に犠牲も天から来たのです」
コーラス「哀れなエヴァ。哀れなエヴァ。かわいそうな子」
タプチム「エヴァがブッダの御許に行き、イライザの赤ちゃんをお救い下さったことに対して
直接お礼申すのがブッダのご意志です。だから彼女は死にます。そしてブッダのかいなにいだかれるのです」
コーラス「みほとけをたたえよう」
若干、短縮したバージョンですが、振り付け、ダンサーの技量、完璧だと思います。プロの仕事ですよ。音楽もいいね。録音を使った利点が生かされています。なによりも、しょうこちゃんが素晴らしかった。こういうのは得意なんじゃないかと前々から思っていたんですよ。これだけのものは海外でも大きなプロダクションでしかできませんよ。これが3500円のミュージカルとは。本当に信じられんね。
第4場
晩餐会が終わり、「シャル・ウィ・ダンス」のシーンです。その前に印象的なシーンがあります。気に入った女性なら何でも思いのままになる王様なんだけど、ここに思い通りにならない女性がいる。アンナですな。晩餐会が成功した感謝の気持ちとして指輪を贈るんですわ。それがまた大きな宝石(グリンだからエメラルド)。アンナは驚きのあまり、なかなか言葉が出てこない。「何と申していいのか」。「何と申していいかわからんときは。黙っておれ」。ああいいですな。王様、恋をしてますなあ、というシーンなんですが。これが東宝版では非常によく出来てたんだけどねえ。今回はあまりうまくいかなかった。言い回しはそんな違わないんですよ。やっぱり王様のキャラが違うからなんですかなあ。
『Shall We Dance? (シャル・ウィ・ダンス?)』
(省略)
タプチム登場シーン。
秘密警察に捕まったタプチム。アンナに助けを求めて駆け込んでくる。
タプチム「先生、お助けください。どうぞ、お助けください。ああ」
衛士二人に後ろ手に押さえつけられるタプチム。
王様「男はどこだ?」
タプチム「存じません」
クララホム「お前はその男の愛人だったのだな」
タプチム「いいえ、愛人なんかではありません」
王様「もってのほかだ!その男の真相を聞きだしてくれる。それ!」
タプチム「先生!」
僧衣を引っぺがされるところ、必見です。
(ルンタの死の報せが届く)
タプチム「死んだ?私もすぐにおそばにまいります。すぐに」
「My Lord and Master」が静かに奏でられるなか、タプチムは泣きながら、引きずられるように連れて行かれる。
そして、鞭の音、「きゃああー」、もう1回、「きゃああー!」
タプチムの悲鳴が宮殿内に響き渡る。アンナはシャムを離れることを決意する。
クララホム「あなたなんか、シャムに来なければよかったんだ!」
第5場
短縮されている。通訳とオルトン船長の会話。王様が病床にあるということを説明するシーン。
背景には「♪The March of the Samese Children」が流れている。
(もうタプチムは出てこないから、省略)
第6場
アンナが王様からの「手紙」を読むシーンです。手紙を読むところで「Something Woderful」が流れる。
(省略)
アンナ「陛下の御前にまいります」
アンナとルイスの会話シーン。
(省略)
ルイス「お母様は、本当は王様のことがお好きなんでしょう?」
アンナ「ええ、ルイス。王様が好きよ。本当に」
第7場
フィナーレ。背景には、本作のテーマ曲とも言える「Something Wonderful」が効果的に使われている。
(省略)
王様とアンナの恋は、前に進むことができない、決して成就しない恋なんだよね。だから、この物語を完結させるには王は死ぬという結末にするしかなかったんだろうね。崩御した王を見つめ、手にそっとくちずけをするアンナ。最初で最後に見せた愛の表現です。これ以上に愛おしいという気持ちが伝わってくる表現があるだろうか。私がハマースタイン作品が好きな理由がここにある。何度見ても感動的なフィナーレです。
最後は、映画「アンナと王様」の主題歌をどうぞ。
カーテンコール
しょうこちゃんは、最後から3番目に出てきます。しょうこ、紫吹、松平の順。
2回目で、王様とアンナの「シャル・ウィ・ダンス」のアンコールがあります。これは昨年もありました。
スタンディングオベーションをされる方は、このアンコールが終わってから3回目のコールで立ってください。
前の席の方が立つと後方の席が続きますので、前のほうの席の方は率先して、盛り上げてくださいね。
配布されたプログラム
写真もあってもいいですね。
今日も兵庫芸文センターへ。ガラスに私が映りこんでますな。
ミュージカル「ロジャース&ハマースタイン 王様と私」(全2幕、日本語上演)
兵庫公演も最終日となりました。
最後は2階席から見ることにしました。同じところばかりじゃ面白くないでしょ。
昨年3回見てて、今年はこれで4回目。もう歌詞やセリフも全部おぼえちゃったな。
(※前記事からの続き)
第2幕第2場。タプチムとルンタのデュエットシーンです。
宮殿の中庭(背景には「We Kiss in a Shadow」が流れている)。タプチムがたたずんでいるところにチャン王妃が現れる。
チャン王妃「早くお芝居の仕度をしなさい」
タプチム「ここでセリフをさらっておりました」
チャン王妃「あなたとルンタのこと、陛下には申し上げません。
陛下のお心を傷つけたくありませんからね。あなたの恋人は今夜、シャムを発ちますよ」
タプチム「今夜?」
チャン王妃「さあ、劇場へ行きなさい」
(チャン王妃退場。チャンは「木陰のくちずけ」でタプチムとルンタの逢引を見ている。ここでタプチムがルンタと会うことがわかっててやってきている)
ルンタ「タプチム」
タプチム「シッ!」
抱き合う二人。
タプチム「今夜、シャムをお発ちになるというのは本当なの?」
ルンタ「It is true Tuptim. They have ordered me on the first ship that leaves for Burma, and it is tonight.」
タプチム「私どうしたらいいの」
ルンタ「いっしょに行こう」
タプチム「ルンタ」
ルンタ「Secret Police will all be at theatre. Meet me Here, after your play. everything is arranged.」
タプチム「そんなこと」
ルンタ「できるさ。今日こそかなうんだ。何万回も心に思い浮かべていた夢が!」
ミュージカルナンバー「I Have Dreamed (アイ・ハブ・ドリームド)」
配布されたプログラムには「アイ・ハブ・ドリーム」になってますが、間違いです。そんな英語はありませんから誤植と思われます。昨年のプログラムもこうなってたんでんですよね。それなら昨年の時点で気が付いてるはずで、今年のプログラムは修正するべきなのに。どっちでもいいとでも思ってるの。観客が全員、英語がわからんとでも思ってんのかね。「I Have a Dream または I Have Dreams、私は夢がある」のつもりなら、歌詞の内容と違うだろう。歌詞は「私は夢に見た」という内容ですよ。マニアは細かいことにつべこべ言うものである。さ、R&Hミュージカルのなかでも第一級のラブ・デュエットですよ。
ルンタ ♪いつも夢に見てた 優しいその腕を
あなたが寄り添うときは 二人はひとつに
いつも夢に見てた 夕日浴びた姿
夢の中では 愛してきたから
愛というものは 知っているのだよ
タプチム ♪ただひとり目を覚まし星屑見て
いくたびか同じこと 考えたわ
タプチム ♪いつも夢に見てた 優しいその腕を
あなたが寄り添うときは 二人はひとつに
いつも夢に見てた 夕日浴びた姿
夢の中では 愛してきたから
二人 ♪愛されることも どんなものか 知っている
すげー! 素晴らしいデュエットだ! とりはだものですな。ルンタの調子がいいねえ。訳詞がダサいのはしょうがないな。ここの最後はぎゅっと抱き合うだけでした。みなさまもご指摘の爪先立ちになってるタプチムがかわいらしいですよ。昨年のはもう忘れてしまいましたが、昨年はここではキスがあったんでしたかね?
はいだ&藤岡くらい歌えてるのはyoutubeにはないね。
本田美奈子ファンには申し訳ないが、はいだタプチムのほうが断然うまいね。きっぱり。声の厚みが違う。
そこにタプチムを探していたアンナが登場
アンナ「タプチム」
タプチム「先生」
アンナ「Tuptim, They are looling for you at the theatre. I guessed you were both here.
I ran out to warn you. I think you're being reckless.」
タプチム「すぐにまいります」
タプチムはアンナのそばに寄り
タプチム「アンナ先生。これでお別れでございます」
タプチムはアンナの手を取り別れのくちずけをして退場。
アンナ「(ルンタに)何があったの?」
ルンタはアンナに今夜二人で逃げ出すことを話して退場。
アンナ「God bless you both」
ミュージカルナンバー「Hello Young Lovers (reprise)」が入る。
紫吹アンナ、上出来とは言えないが、なんとかがんばってる。ああ、いいシーンだ。
第3場
劇中劇「トーマス伯父さんの小さな家」(脚本・ナレーション:タプチム)
はいだしょうこさん演じるタプチムがここでは舞台下手でナレーションをします。タプチムの全セリフを記載します。
(訳詞は岩谷時子先生。東宝ミュージカルのCDを参考にしています)
タプチム「陛下、ご来賓のみなさま。これより『トーマス伯父さんの小さな家』を謹んでご覧にいれます」
コーラス「『トーマス伯父さんの小さな家』、この話を書いた人の名前は、ハリエット・ビーチャ・ストーワ」
タプチム「おうちはケンタッキーの王国にあります。統治しているのはアメリカで一番悪い王様、レグリーのサイモン王です。
陛下、ここにしあわせでない人をご紹介いたします。奴隷のイライザです」
コーラス「おお、イライザ。おお、イライザ。かわいそうな奴隷」
タプチム「レグリーのサイモン王はイライザのご主人様。彼女はこの殿様が大嫌い。そして、恐れています。
この王様は彼女の恋人を遠いオハイオ地方に売り飛ばしました。恋人の名前はジョージ。
コーラス「ジョージ」
タプチム「赤ちゃんの名前もやっぱりジョージ」
コーラス「ジョージ」
タプチム「イライザは友達に申します。恋人ジョージを見つけにゆくと」
コーラス「ジョージ」
タプチム「そこでお友達に別れを告げて、逃げ出します。これは逃亡です」
コーラス「逃げろ、イライザ。逃げろ、イライザ。サイモンから」
タプチム「イライザ、かわいそう。嵐にあいます。隠れて、イライザ」
コーラス「サイモンから。隠れて、森へ。かわいそうイライザ、かわいそうイライザ、かいそうイライザ、かわいそうイライザ」
タプチム「イライザ、とても疲れました。
陛下、おそれながらレグリーのサイモン王をご紹介いたします」
あわれな奴隷を引きすえて、サイモン、鞭で打ちます。
サイモンは利口な男で、イライザを探すのに兵士ばかりでなく科学的な犬を使うことにしました。
犬はくんくんにおいをかぐから、王様から逃げ出した人全部を見つけます」
コーラス「逃げろイライザ。逃げろ逃げろ。サイモンから。走れ走れ。おーイライザ、逃げろサイモンから
イライザ走れ。イライザ、サイモンから逃げて。イライザ走れ」
タプチム「おお、イライザ」
コーラス「イライザ、サイモンから逃げて。逃げろイライザ、サイモンから。逃げろイライザ、サイモンから
走れイライザ。走れ走れ。あー」
タプチム「イライザ、河へ来た。イライザ、河へ来た」
コーラス「おお、イライザ」
タプチム「誰が助ける」
コーラス「みほとけ。ブッダ、ブッダ、ブッダ。助けて、この娘を助けて」
タプチム「ブッダが奇跡をお示しになります。ブッダは天使をつかわされた。
天使は冷たい風をおこす。川の水は硬くなる。その上を歩けるほどに硬く」
コーラス「ブッダは奇跡を示される。ありがたや」
タプチム「凍った水の上をどうして歩くか、天使は彼女に教えます。
ブッダは、その愛のしるしとして、今度は新しい奇跡をおこないます」
コーラス「みほとけの」
タプチム「天からの贈り物」(※東宝版と変わってる)
コーラス「恵みを」
タプチム「大空にかけたレースのような」
コーラス「たたえよう。みほとけの恵みをたたえよう」
タプチム「イライザ、河を渡ります。レースのベールにかくされて。
奇跡の名前を申すことを忘れました。それは雪です。
突然、そこへやって来た悪い王様サイモン。奴隷をたくさん従えて凍った河を渡って。
河には何が起こったのでしょう。ブッダが太陽をお呼びになったのです」
コーラス「みほとけが河の氷を溶かして。悪者たちは落ちておぼれた」
タプチム「河のあちら側にはきれいな都、カナダがある。そこでイライザはかわいらしい小さな家を見る。
そこには誰が住んでいるのでしょうか? アンクル・トーマス」
コーラス「オールド・アンクル・トーマス」
タプチム「小さいエヴァ」
コーラス「かれんなエヴァ」
タプチム「小さいトプシィ」
コーラス「やんちゃなトプシィ」
タプチム「おお、ジョージ」
コーラス「恋人ジョージ」
タプチム「イライザには天使のように見える恋人。みんな、悪い王様から逃げ出して、幸せに一緒になりました。
サイモン死んで喜ぶトプシィ。トプシィ喜びのダンス。
トプシーが言ったことをハリエット・ビーチャ・ストーワが何と言ったか、お教えします。
おらあ、世界中で一番意地悪い人間と思うだ」
「でも、私はそうは思いません。トプシィが意地悪な人間だとは。なぜなら、
私も王様の死を喜んでいるんですもの。人々を不幸な目にあわせ、そのうえ恋人と一緒になろう
とする奴隷を追跡するような王様なんて。そして陛下!私には陛下に申し上げたいことが!」
(※このあたりの言い回しも少し変わった。しょうこちゃん、いいですねえ。)
「陛下、ならびにご来場のみなさま、物語の結末を申し上げます。とても悲しいおわりです。
ブッダはイライザをお救いになった。けれどもブッダのお恵みと一緒に犠牲も天から来たのです」
コーラス「哀れなエヴァ。哀れなエヴァ。かわいそうな子」
タプチム「エヴァがブッダの御許に行き、イライザの赤ちゃんをお救い下さったことに対して
直接お礼申すのがブッダのご意志です。だから彼女は死にます。そしてブッダのかいなにいだかれるのです」
コーラス「みほとけをたたえよう」
若干、短縮したバージョンですが、振り付け、ダンサーの技量、完璧だと思います。プロの仕事ですよ。音楽もいいね。録音を使った利点が生かされています。なによりも、しょうこちゃんが素晴らしかった。こういうのは得意なんじゃないかと前々から思っていたんですよ。これだけのものは海外でも大きなプロダクションでしかできませんよ。これが3500円のミュージカルとは。本当に信じられんね。
第4場
晩餐会が終わり、「シャル・ウィ・ダンス」のシーンです。その前に印象的なシーンがあります。気に入った女性なら何でも思いのままになる王様なんだけど、ここに思い通りにならない女性がいる。アンナですな。晩餐会が成功した感謝の気持ちとして指輪を贈るんですわ。それがまた大きな宝石(グリンだからエメラルド)。アンナは驚きのあまり、なかなか言葉が出てこない。「何と申していいのか」。「何と申していいかわからんときは。黙っておれ」。ああいいですな。王様、恋をしてますなあ、というシーンなんですが。これが東宝版では非常によく出来てたんだけどねえ。今回はあまりうまくいかなかった。言い回しはそんな違わないんですよ。やっぱり王様のキャラが違うからなんですかなあ。
『Shall We Dance? (シャル・ウィ・ダンス?)』
(省略)
タプチム登場シーン。
秘密警察に捕まったタプチム。アンナに助けを求めて駆け込んでくる。
タプチム「先生、お助けください。どうぞ、お助けください。ああ」
衛士二人に後ろ手に押さえつけられるタプチム。
王様「男はどこだ?」
タプチム「存じません」
クララホム「お前はその男の愛人だったのだな」
タプチム「いいえ、愛人なんかではありません」
王様「もってのほかだ!その男の真相を聞きだしてくれる。それ!」
タプチム「先生!」
僧衣を引っぺがされるところ、必見です。
(ルンタの死の報せが届く)
タプチム「死んだ?私もすぐにおそばにまいります。すぐに」
「My Lord and Master」が静かに奏でられるなか、タプチムは泣きながら、引きずられるように連れて行かれる。
そして、鞭の音、「きゃああー」、もう1回、「きゃああー!」
タプチムの悲鳴が宮殿内に響き渡る。アンナはシャムを離れることを決意する。
クララホム「あなたなんか、シャムに来なければよかったんだ!」
第5場
短縮されている。通訳とオルトン船長の会話。王様が病床にあるということを説明するシーン。
背景には「♪The March of the Samese Children」が流れている。
(もうタプチムは出てこないから、省略)
第6場
アンナが王様からの「手紙」を読むシーンです。手紙を読むところで「Something Woderful」が流れる。
(省略)
アンナ「陛下の御前にまいります」
アンナとルイスの会話シーン。
(省略)
ルイス「お母様は、本当は王様のことがお好きなんでしょう?」
アンナ「ええ、ルイス。王様が好きよ。本当に」
第7場
フィナーレ。背景には、本作のテーマ曲とも言える「Something Wonderful」が効果的に使われている。
(省略)
王様とアンナの恋は、前に進むことができない、決して成就しない恋なんだよね。だから、この物語を完結させるには王は死ぬという結末にするしかなかったんだろうね。崩御した王を見つめ、手にそっとくちずけをするアンナ。最初で最後に見せた愛の表現です。これ以上に愛おしいという気持ちが伝わってくる表現があるだろうか。私がハマースタイン作品が好きな理由がここにある。何度見ても感動的なフィナーレです。
最後は、映画「アンナと王様」の主題歌をどうぞ。
カーテンコール
しょうこちゃんは、最後から3番目に出てきます。しょうこ、紫吹、松平の順。
2回目で、王様とアンナの「シャル・ウィ・ダンス」のアンコールがあります。これは昨年もありました。
スタンディングオベーションをされる方は、このアンコールが終わってから3回目のコールで立ってください。
前の席の方が立つと後方の席が続きますので、前のほうの席の方は率先して、盛り上げてくださいね。
配布されたプログラム
写真もあってもいいですね。