嵐の後に

過ぎ去ってみればすがすがしい青空。
吹きすぎていく北風に乗って様々な雲たちが泳ぎすぎる。
やっと秋らしい空を見ることが出来た。




そして夜。
昨夜の15夜の雨をわびるかのような大盤振る舞いの月光を注いでいる月。
宮沢賢治の「雪わたり」のように、闇夜を冴え冴えと東京の照らしている。
私の持っているコンパクトデジカメでも空を移す事が出来るくらいだ。

ベランダでいつまでも眺めていたい気持ちになる。
明け方近くなると月の光は長く私のシーツにまで伸びて来て
ひんやりとした白い光がフィカスの影を濃く映し、昨日飾ったままの
十五夜の飾りにも降り注ぐ。

たった一人のリビングで月の光を浴びながら静かに横になり
月の光を眺めていると、たった一つ、言葉が私の中に響く。

「あなたの人生には意味がある」

「あなたの人生には意味がある」

「あなたの人生には・・・」

私はいつと気づかぬうちに深い眠りについていた。