話して~♪

私の話も、あなたの話も

約束して!

2007-02-17 17:38:14 | 花日記 
ドアのノブに、紙袋が掛かってると息子が持って入ってきた。
なんだろうね、って包みを開けると、中からタイルが一枚出てきた。
青くてきれいなその飾り用タイルを一目見て、それが誰からのものか
すぐにわかった。

じわじわと涙が滲む。

色々なことが、この一枚のタイルから伝わってくるから。
私を思い出してくれていたこと。故郷に帰ったのだろうこと、そして
お土産をくれたのだということ。
近くでバイトしている息子に頼んで持ってきてくれたに違いない。
息子達の幼稚園で知り合った私たち。もう15年近くの付き合いになる彼女。
一倍辛い生い立ちで、結婚してたった一人心を許せる人もいないで20数年
異国で人知れず辛い思いをしていたというのに、誰も恨まずいつも子供たちの
幸せの為に祈る彼女を、私は心から尊敬している。


つい前日に「元気にしているかなぁ会いたいな」と思ったばかりなのに。
お礼の電話をしながら泣いてる私に
「泣かないのー。国の家族や姉妹みたいじゃないの~」
金曜日に駅で会おうね。と約束した。


元々は日本語も上手くなく、日本社会の中に溶け込めなかった彼女を助ける
側の私だったけれど、敬虔なカソリックのクリスチャンである彼女は
愛情一杯で子供たちに向けると同様に私にもいつも愛情をかけてくれていた。

離婚後引越ししてからというもの1人で子供3人を育てる為に昼夜なく働いて、
会う時間もほとんどなくなってみると、さびしい時、辛かった時、彼女に
会いたいなぁと思う私がいた。

母でさえ「私の母です」って間違って人に紹介するくらいしっかり者の私を
甘えさせようなどと思う日本人がいるはずもなく・・・
誰かに甘えたいと思って、さあどうぞと言ってくれるだろう人は多分彼女だけ。
でもそれは今までしたことは無かったんだけれど。

私は段々日本人じゃなくなってるんだろうか。出会って直ぐに彼女に抱いてもらって、
肩に頭をもたれたとき、額にキスしてもらってすごく幸せに満たされた。
目を見て微笑みあって、もう一度腕ににしがみつく。
無条件な信頼とか、母性とか、心からの安心感ってこういうことをいうのかぁっていうことを、
初めて感じたような気がする。

そして前の日に買い物しすぎて倒れた事を延々と注意される。
自転車置き場までついて来てくれて、荷物も持ってくれて駅前で別れる時までも
子供に手伝わせなさい。無理しないで。今度倒れたらだんなさんに文句を言いに
行くからね!と脅すのだ。

うんと言うまで繰りかえし言う。

でもね、その注意している本人こそが、子供が何も手伝いせず、坐骨神経痛
なのに毎日重い買い物をして帰るし、無理して生活してるって知ってるんだからぁ・・・
人愛情いっぱい別けてもらったし、彼女があんなに頑張ってるんだから、私も
まだまだ頑張ろう。

こんな風な関係は日本人同士ではしないでしょ。と私も一瞬思ったけれど
実は日本人同士でもやってた。(笑)

やっぱりこの駅の改札で別れるとき、体をあずけてきた友達をしっかり抱っこした。
その時に彼女は不安とか悩みを持って会いに来てたので、無言の励ましでもあったから
あの時の彼女の心もこんな風に満たされたのかなと思うとすごく嬉しいと思った。





ただし、この日の話は3時間に及び、外に出ればまた寒い風が吹きすさんでいた。
前日の悪夢が頭をよぎる。。。。心は満たされても体は寒いよ~