親が子供を教えられない。 算数・数学の分野は、これが当たり前のようになっているのが、日本の教育界の現状でもあります。
これは、親が小学生の頃に受けた授業が、一因になっていることに気付かねばなりません。
親が小学生の頃努力が不足したことも理由にあげられますが、私は指導者の側に大きな責任があると考えています。何も先生方だけではありません。教育委員会・教職員組合の教科研究部会の取り組み等でどのように変わったでしょうか。色々な指導研究会の発表論文・意見書を見ても結論が先送りになっている単元が、いくつかあります。
それが、「割合と文章問題」なのです。 現在保護者になられた方々も同じ単元で苦労をされています。
割合文章題の指導に関する実験的試み
割合に関する児童・生徒の理解の高い実態についての一考察 など
同じ類の研究論文は枚挙にいとまがありません。
誰もが、100点あるいはこれに近い成績が、得られる方法があるとすれば、「お父さん・お母さん」勉強し直ししますか?
次の問題をご覧ください。
5年生の問題です。
すなが4.5Lあります。重さをはかったら、7.6kgありました。
このすな1Lの重さは何kgですか。四捨五入で、10分の1の位までの概数で表しましょう。
1mの重さが1.4kgの鉄のぼうがあります。
この鉄のぼう0.6mの重さは何kgですか。
6年生の問題です。
1Lあたりの重さが8分の7kg(7/8kg)の油が、2と3分の1kg(2と1/3kg)
あります。この油は、何Lありますか。
1kgで4と3分の2m(4と2/3m)の針金があります。この針金1と7分の1kg(1と1/7kg)の
長さは何mですか。
中学入試の問題です。
長さが8分の3m(3/8m)で重さが□gの鉄管は1mが5分の4kg(4/5kg)・・・(東海中)
ご覧になってどうでしょうか? 難しいと思われますか!
5年生は、小数が使われて、6年生は分数の混じった問題になっています。分数がまじると難しく思う児童が途端に増えます。
それでは誰もが解きやすいと感じる方法を教えます。
1. 小学生の問題では文章題だから文章の意味を分かりましょうとする必要はありません。
極端に言うと文章は読まなくてもいいのです。
読まないでどうして解けるのと思われますが、解き方はあるのです。
文章題は、とにかく式が作れないと話になりません。この式作りが児童も保護者も難しく思うのです
皆さん「単位」をおろそかにしていませんか?
単位(記号)は、文章題の命と考えて下さい。上記に書いた問題ご覧下さい。
数字は後回しです。すべての問題の単位に注目して下さい。丸で囲むか下線を引いてみて下さい。
すると同じもの二つ、二種類が全問題共通している事にお気づきになるでしょう。
5年の問題であれば、 L L と kg kg そして次は m m と kg kg
6年の問題であれば、 L L と kg kg そして次は kg kg と m m
入試の問題であれば、m m と kg kg このように使う決まりが文章題にはありますのでひとつだけポツンと違った単位、例えば L L と kg kg に円があればこの「円」は、「ごまかし」になる訳です。
まず、この決まりを理解した上で単位間の関係を分かりやすくおぼえます。
物事には基準というものがなければ成り立ちません。その基準は「 1 」と言う数字なのです。
×1 でも ÷1をしても 基の数と答えの数は同じです。変化を起こしません。
1を基準にして増えたか減ったかを、問題の中で探しますとありますから、ここから式作りが始まります。
5年の問題であれば、 1Lが4.5Lと増えています。(ここが割合関係となります)
1Lあたりの重さが何kgとなっています。ここがもとの量であり答えの部
分は7.6kgと表示されていて式を組み立てます。
単位の関係をじっくりと見つめて下さい。
何kg/1L×4.5L=7.6kg 割合関係がどこで、数量関係がどこかをしっかり
頭に焼き付けます。(単位は問題によって違いますが、場所はいつも同じです)
文章問題は、1につく単位を見つけてそれを基準にして増えるか減るか、増えるのであれば
基の数量も答えでは増やす、減らすのであれば答えでは減らす。1を基準として式を作れば一目瞭然で分かるようになっているので、この関係をいち早く覚えましょう。
他の問題もこれを真似して、式作りを繰り返し練習してみてください。割合の増える・減るの意味も
答え÷もとの量をすれば、割合の出し方も自然に分かるようになります。
文章問題が苦手だとして放置している方は、とりあえずこの決まりを活用して「式作り」だけでも
理解到達出来るように頑張って下さい。単位の決まりが文章問題苦手な方を助けます。
このやり方は他の単元にも役立ちますよ!
5分の2時間は何分ですか? 60分/1時間 ×2/5 時間= 分
この形ですべての問題は解けます。
縮尺・速さの問題・換算等も出来ます。 研究すれば出来る範囲が広がります。