恋するダイバー もぐりんどのヒトリゴト

海、自然、ダイビング、日常のあれこれをバリ島から発信

一家団らんうわべだけ?

2008-11-15 | 自然・生き物
今日はダイバーに人気のあるクマノミについてお話します。
一番人気は映画「ファイティング・ニモ」のモデルにもなった、
カクレクマノミですが、バリ島では他にもハナビラ、セバエ、トウアカ、
セジロ、スパインチークアネモネフィッシュなど、
たくさんの種類が見られます。水族館等でも人気モノですね。

クマノミの住処はイソギンチャクです。
通常イソギンチャクには毒があり、他の魚は近づかないのですが、
どういう訳かクマノミには免疫があり、ちゃっかり居候してしまうのです。
これも一つの共生ですね。

さて、ひとつのイソギンチャクに仲良さそうにクマノミファミリーがいます。
実はこれ、一家団らんはうわべだけなのです。
その理由は?ひとつの家族構成を見てみましょう。

クマノミは一番大きいのが♀、その次に大きいのが♂、この2匹がペアです。
その他の子供たちは全部オスです。一匹だけがメスで他はすべてオス、
つまり、逆ハーレム(*^^)vというわけですね。
この一番大きな♀と♂のペアだけが産卵して子孫を残すことができます。
メスがいなくなると残ったオスのなかで一番大きくて強いオスがメスになります。つまりクマノミは♂→♀に性転換(@_@)するお魚なのですね!

そして、ここにいる子供たちは実の子ではありません。
漂着してきてたまたまここにたどり着き、仲間に入れてもらうのです。
この子供たちが自分の子孫を残そうと思ったら”ベスト2”にならなければ
なりません。成長とともに地位と秩序を勝ち取り、将来いつの日かベスト2
になり、晴れて夫婦になったのちに、初めて子孫を残せることになります。
夫婦は仲良しですが、その他子供たちは常に昇格したいと思っていて、
時には漂着してきた赤ちゃんクマノミを追い出したりもします。
かわいいクマノミの世界は厳しい世襲制であったのですね。

ところで、次回クマノミをじっくり観察してみようと思ったダイバーさん、
クマノミはけっこ気が強いです。縄張りに入ったダイバーに体当たりしたり、
差し出した指を齧られたりすることもありますので注意してくださいね。

今日の写真はイソギンチャクに包まれるハナビラクマノミです(*^^)v

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする