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「この世界には私が撮らなければ誰も見たことがないものがあるのだと信じています」by ダイアン・アーバス。   

モジャオ追悼?ショートショート小説。

2008-07-05 | モジャオ追悼?ショートショート小説
『モジャオと知り合って、まだ一年経ってないというのに、何でお前は逝ってしまったんだい?。
いい飲み屋があったら紹介してくださいってこの前言ってたばかりじゃないか。

嫁でも探してあげようと思って、元町行ってはナンパに挑戦してみたんだが、やっぱり おっちゃんには無理だった。
お前を無くした、おっちゃんは、これからどーしたらいいんだ?。安らかにお眠りください、モジャオことカズオ殿』

「まっ、こんなもんでええやろ」

おっちゃん、人前で文章なんか読んだ事がないので葬式で追悼文頼まれたら困ると思って、机に向かって追悼原稿書いていたのだ。

「さーてそろそろ晩飯やー。」

その時、階下から
「あなたー モジャオ君から電話よー」
「えっモジャオから?」
「はやくしてー、長距離電話だって」
「そりゃそーやろ 天国からなら」

と 一人ブツブツ言いながら階段降りた、おっちゃん、受話器を取ると、

「モジャオです。おっちゃん元気やった?」
「おーモジャオ。天国はどんな感じや?」
「天国?」
「あれ?、お前もしかして地獄に行ったんか?」

「おっちゃん 何言ってんだか分かんないけど、ボク鳩間島に無事到着しました!」
「なんだ その鳩間島ってーのは?、天国にも島があるんか?。」

「ボクが移住した沖縄の島ですよん」
「オマエ、移住したって?。死んだんじゃねーのか?」

「誰が死んだって言ったんです?」
「みんながモジャオが逝ってしまったって言ってたでー」

「逝ったんじゃなくて行ったんです!」
「なーんだ、生きてんのか」

「なーんだは、無いでしょ!」

「そんじゃ オマエがリーダーやってた天草ってバンド。」
「天草じゃなくて天じゃら!。何度言ったら覚えてくれんの!」

「どっちでもええがな。そんでそのバンドは、これからどーなるんじゃ?」
「解散しちゃいました」

「なんで、おっちゃんに一言、声かけてくれんかった?。わしが モジャオの代わりに太鼓叩きで参加しよったのにー!」
「おっちゃん 太鼓叩けんの?」

「叩けん。これから練習するのじゃ」
「10年はかかるな」
「ほっとけ」

「ところで天国の住み心地はどないねん?」
「だから天国じゃないってば!。鳩間島!」

「フーン、キャバクラはあるんか?」
「そんなもん無い!」

「なんで、おねーちゃんもおらん島に転勤になったんや?。もしかして左遷か?」
「転勤でも左遷でもありません!。会社辞めて移住したんです」

「そうそう、おっちゃん、モジャオの為に追悼文書いたでー。聞きたいか?」
「聞きたーないです」

「そっかー、せっかく書いたのにのー。もったいないから、モジャオ死んでくんない?」
「死にません!!」

モジャオは、今月一杯でYAHOOJAPANを円満退職。
沖縄八重山諸島の鳩間島に漁師になる為旅立つ事になったのでありました。

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