モジリア

74歳のブロガー。ギネスを目指す!(^^)!
おじさんが読む「赤毛のアン」

五感感覚

2012年12月22日 | 自らを律する

12・12・22

川喜田二郎著「発想法」(中公新書)を

時々読み返しています。

今朝フッと気になったことがあります。

昨日、永井荷風について書きました。

「葛飾土産」をチョッと読み返しただけですが、

荷風は目的があって散策をしていない。

足の向くまま、気の向くままに歩き回っているのでもない、

霊感のようなものがあって、その方に歩く。

 

歩いている途中で気になるモノに出っくわす。

気になるモノにちゃんと対処し、素通りはしない。

葛羅之井を発見したのもそうした出来事の一つと云えます。

 

川喜田二郎著「発想法」(中公新書)に

書斎科学と野外科学という分け方をしています。

 

少し乱暴に云えば

荷風は野外科学に属する作家と云えます。

 

八幡の前を歩いてゆくと、

やがて道を横切る一條の細流に出会う…。

 

川の名前を通る人に聞いている。そして

上流にも下流にも足を延ばしている。

 

目で見る、耳で聞く、風を肌で感じ、手で擦ってみる。

五感を駆使した観察、そうした諸々の感覚で感じ取っている。

 

真間川はむかしの書物には継川とも記されている。

 

書物から得た知識には違いないが、

野外科学のおもむきが感じられる。

 

天風師の「心に成功の炎」282ページ中頃に

「・・・感覚器官をできうるかぎり

正確に使用する習慣を心かけてお付けなさいよ。

……自分でもびっくりするほど、不思議な力がでてくるんです」

 

荷風がこの言葉を知っていたとは思えませんが、

無意識にこうした行動をしている。