12・12・26
―無財の七施から
捨身施 言辞施ー
生命力って動き出すと、
動くという特性があるように思う。
動き出すって、
言葉を変えれば始動する、と云うこと。
以前うつ病について幾つかレポートを書いた。
元中学校の教師(仮にA氏)が、
生徒から暴力を受けたことが原因でうつになり、
休職し退職する。
妻とは離婚、実家に帰れば兄から邪魔にされる。
精神的に病んでいなくても、辛い問題ですが、
更に覆いかぶさるように次々と問題が発生する。
精神科医がAに
患者同士が交わる会を結成することを提案、
自分の辛い状況も話すことで
幾らか悩みが軽減するように思った。
Aは提案を受け入ようと思った。
精神科医は会が発足するまで彼をサポート、
第一回目を開催、精神科医も参加していた。
Aはそのことを機にうつ病が改善し、
患者仲間のために活発に動き出し、
仲間が数人快方に向かい輪が広がっていった。
ここで重要な事は2つ、
一つは、
精神科医が最初の1,2歩を一緒に歩んでくれた。
無財の七施に例えれば言辞施、捨身施を実施したこと。
もう一つはAは自分のため、以上に
人のために役立つことを始めたこと。
捨身施を実行に移している。
うつ病はある種の代謝異常が元で
内分泌物のバランスを欠くことによる。
被害者意識のかたまりが
うつ病を呼び寄せている。
人のために…所謂、捨身施を実行に移すことが、
被害者意識を解きほぐしている。
生命の力は始動すると動く、
1,2歩一緒に歩んでくれたことで
意識改革が始動した。
負の方向だけに進んでいた力が向きを変え
建設的な面に向けられ、うつが快方へ向かった。