12・12・21
ー永井荷風も積極的な人ー
必要な事があって、
永井荷風の「葛飾土産」
葛羅之井に関わる辺りを読み返した。
「尋常の一里塚ではないような気がしたので…」
ハンカチを水に浸して石碑を拭いて、
葛羅之井であることを明らかしている。
ある種の閃き、勘のようなものが働いて
ハンカチで拭くという行動を起こしている。
かなり積極的な人間であった、と捉えると、
真間川の流れに出会い、
興味を示し、真間川の畔をかなり歩いている。
「葛飾土産」そのものが
荷風の趣味人としての人間性を示している。
趣味か好奇心か分からないが、兎に角
積極的に散策している。
昭和34年享年79才で亡くなっている。
亡くなる前の日、
大黒屋の決まった席でかつ丼を食べ、
日本酒を一本嗜んでいる。
多少、持病はあったにしても、
亡くなる前日まで元気に歩き回っている。
今風に云えば
「ピンピンコロリ」を全うした、と云える。