みりんの徒然声

日々、感じたことを日記や詩でお届けします

みりんの徒然声 冷えた指先

2016-09-28 21:24:11 | 日記

久しぶりに夢を見た。またピアスを着けたから、と言うのは後付けか?でも懐かしいいなくなった彼が現れた。当たり前だけど彼は五年前から変わっていなくて、あたしは自分だけ年をとり、増えた白髪を恥じた。彼は相変わらずの間延びした声で、最近どうよ?と聞いた。どうもこうも、あなたがいなくなってからさっぱりだよ、スノボさえ止めちゃいそうだよ、とあたしは答えた。舌が喉に張り付いたように声が震えて上手く話せなかった。彼はそうかあと言って手を差しのべてじゃあ死んでこっちに来るか?と言った。あたしは迷わずその指先を掴んだ。酷く冷たかった。ああ、血の通わない体だ、と思い生ぬるい自分の体温が憎らしかった。寂しいから一緒に連れて行ってよ、呟いて目が覚めた。冷たい指先の感覚だけ残っている気がした。涙が出た。どんな姿でもいはい。幽霊でもいい、血の通わない冷たい指先で構わないから側に居て欲しいとあたしは泣いた。上手い言葉も綺麗な台詞もいらない。ただ側に居て欲しい。目の前にいなくちゃ何も分からない。頑張れない。ただ側に居て欲しい。そうしたら何だってするから。ピアスに手を当てて泣いた。外はまだ暗く大分寒くなったせいで窓を開けると彼の部屋のファンヒーターの匂いが流れてくる気がした。やっぱり1人は寂しいのだ。本当に本当に言ってはいけないけど五年前あたしも一緒に死にたかった。もしくはあたしが死ねば良かった。残されるなんて真っ平だ。暖かい匂いだけ忘れずに、彼の指先が暖かいうちにあたしがいなくなればよかった。1人生きるあたしは滑稽で愚痴を吐くことも疲れてただ毎日過ごしている。冷たい指先になりたい。ただ側に居て欲しい。あたしは寂しいのだ。カッコ悪いほど、もう1人に耐えきれないのだ。血の通わなくなった彼は成仏できただろうか?生まれ変わりがあるなら幸せになってほしい。あたしはこんな夢か現実か分からない中でだらだら生きるのだろうか?