みりんの徒然声

日々、感じたことを日記や詩でお届けします

みりんの徒然声 振り出しに戻る

2016-09-23 19:58:57 | 日記
せっかく形見のピアスを外したのに、また着けた。外した期間は10日程度か。ピアスはなんの違和感もなく耳たぶに収まった。ピアスを着けた所で五年前に戻れるわけでもない。ただ、もうどうしたら良いか分からなくて頼れるものが欲しかった。泣きそうになったら耳たぶに手を当てる。幸せだったときの記憶を辿る。人とどうしたって会話が噛み合わないからあたしはピアスに頼る。冷たい金属が指先に、触れる。ひしひし寂しさは募るが他にやりようがないのだ。新しい一歩を踏み出す為にピアスを外したのに振り出しに戻ったなあと思う。戻れるわけでもないのにピアスを着けたら昔の夢は見れそうだ。まだあたしが我が儘で誰かがいた頃。あの頃のあたしはこんなあたしになるとは思っていなかっただろう。さて、次にピアスを外すときは来るのかな?一生ピアスと過ごすのかな。誰もいないまま、ただ耳たぶを触りながら

みりんの徒然声 雨降りと噛み合わない会話

2016-09-22 17:29:02 | 日記
雨ばかり降っている。あんなに夏バテしていたのに急に寒くなって爪先が冷たい。今までどうやって生きてきたのか疑問を感じる。今のあたしには何もない。遊びに行くところも友達もいない。何とか世界と繋がろうかと電話してみても会話が全く噛み合わない。ので逃げるように土の中に潜る。あたしが今までどんなに優しくなかったか?謙虚じゃなかったか?側にあるものを大切にして来なかったか思い知らされる。何もないことは幸せのようで不安は募る。あたしはいずれ孤立無援になるだろう。1人が好きと言えたのはまだ何処かで世界と繋がっていたからだ。まだ友達や行くところがあったからだ。実家で母親と暮らして、世間から見たらありふれた生活だ。可もなく不可もない。だけど休みの日すら雨音を聞いて寝てばかりいるあたしは孤独だ。母親は親であって友達じゃない。話も尽きる。どうしよう。誰かと話したいが会話が噛み合わない。話す人々があたしとは違う世界を生きているようで、何も伝えられないし、伝わらない。親友に会いたいが子育てが忙しい彼女に弱音を吐くことは出来ない。どうしよう。降りすぎる雨が溢れて、道路に小さな噴水を作っている。降りすぎるあたしの孤独。土に潜れば楽だと思ったのに。

みりんの徒然声 カウントダウン

2016-09-20 17:32:08 | 日記
土に潜って3日たった。さして変わりはない。冷たい空間は否応なしに寂しさを増し、誰かと話したい一心でわざわざ母親を怒らせて怒鳴られる。そして安心?する、というおかしな心理になっている。カウントダウンしてみる。セミの孵化七年間。七年、365×7=2555。うるう年をいれて2556日。3日たったからあと2552日。長い、途方もない。それまで母親が生きているかさえ疑問である。今は罵られても何されてもいい。孤独が怖くなった。母親が死んだらあたしは1人だ。不思議。こんな気持ちになるなんて。ああ、以前タイムリミット決めたっけ。40歳までに建て直せなければ消えるって。そしたら数字は変わる365×3で1095日だ。誕生日から9日過ぎたからあと1086日しかない。あたしは生き残れるか?日々カウントダウンしなくちゃ。今のところ暗闇しか見えていない。



みりんの徒然声 立ち止まり、行き止まり

2016-09-19 20:09:44 | 日記
自分に土を掛けたらもう動けなくなった。ひんやりとした暗い世界。母親の小言すら今は愛しく思えて笑った。罵られるだけいいのだ。いなくなられないだけいいのだ、きっと。ここ数年、もがいて、もがいて、我を忘れていた。立ち止まりあたしは疲れたなあと久しぶりに息を吐いた。夢も全て諦めてしまった、と言うよりなんて大それた事を夢見てしまったんだろう?と言った所だ。あたしは1人だ。今迄もこれからも。あたしの人生は前の会社を辞めた時、一旦終わったのだ。あれから失う事はあっても得ることはなかった。立ち止まり、行き止まりだ。これからどうしたらいいか検討もつかない。比喩ではなく本当に土の中に行きたいとだけ切望する。七年間位土の中にいたい。セミの如く。その結果コンクリート詰めでも構わないのだ。ああ、また友達失ったのがじわじわ効いてると思う。あたしの数年の苛立ちと奔走ぶりに友達、辞められてしまった。友達ってそんなもんか?と思ったけど、あたしが友達ならやっぱりあたしが嫌いだろう。ガリガリと架空の土をあたしはまた掘る。爪のない指先が冷えていく。暗い静かな土の中。もう2度と出たくないな。

みりんの徒然声 土に潜る

2016-09-18 21:25:32 | 日記
最近、セミの声を聞かなくなった。ぼんやりと呟く母親の声にあたしは記憶を辿る。祖父母の家があったころ、そこは一面山で、竹林があり、池があり、どんぐり林があった。昼間はミーン、ミーンと夕暮れにはカナカナカナとセミの声が響いて夏を彩った。区画整理が行われたのは五年前。山は削られコンクリートが流し込まれた。今もどんどん実家の回りはコンクリートが増えていく。セミの幼虫は七年間、地中にいるという。暗い土の中から一夏の光を求めて辛抱強く成長する。だけど、コンクリートを流されてしまったらもう地上には上がれない。沢山のセミの幼虫がこの数年の区画整理で闇と消えた。セミの声を聞かなくなったのはそのせい。自然と共存できない人間。その姿は衝動的で何者とも共存できないあたしと重なる。いや、あたしは甘えが入る分、命懸けではない分、セミの幼虫ほどの必死さはない。あたしは土に潜ることにした。今、こんなに衝動的なあたしは何をやっても空回りするだけだろう。大人しく土の中で、いつか地上に出られる日を夢見よう。勿論、地上に出る前に、光を見る前にコンクリート詰めになって終わる可能性も高い。でももう衝動的に動く力もない。あたしは土に潜る。光を求めるセミの幼虫のように、深く深く。体を丸めて。今は全て諦めることが一番の安全な気がする。闇雲に動いても後悔をするだけだ。一生土の中かもしれない。不安は募るが今は他に方法が見つからない。セミの声が聞こえない夏はいつ終わるのか曖昧だ。人間がセミを殺し、季節感を失ったように、あたしは今まで衝動的な行動で全て無くしてきた。冷たい土に潜って、またゆっくり、本当に七年間くらいかけて地上を目指せばあたしも変われるかも知れない。流れる涙は聞こえないセミの声に重なる。冷たい土、真っ暗な闇、あたしは地上に出れるだろうか?久しぶりにあたしはゆっくり目を閉じる。瞼に落ちる闇。あたしは自分にまた土を掛けて、さらに奥へと潜り始めた。区画整理が行われるか?それはもはや運、次第かな。夏を、まぶしい太陽の下に出れることを祈って。