大変だ!退院だ!

2009-06-21 | 介護日記

35㎏の母、朝昼晩3食すべて『完食!!』が評判になっているようだ。
当然体力もついて、とうとう退院出来ます、と申し渡された。

ドクターからは家で看るのは無理でしょう、と療養型病院への転院を勧められたものの市内7ヶ所の療養型病院のうち人工呼吸器を受け入れてくれるところは2ヶ所。
最初に見学した所が「ここなら!」と思える病院だったもののそこは通常2、3ヶ月待ちだと言う。

入院するまで(人の手を借りてだが)自分の足でトイレに立っていた母だが、ベッドの上で3週間安静にさせられた今、家に帰ったらどうなるのだろう。
カテーテルを外し、車椅子から始めて、せめてポータブルトイレに座れるようになってから退院、と言うなら話しは分かるが…。

…ここは急性期医療の病院です。命を助けましたからもう出ていってください…と言うことでしょうかね。
でも母はとても嬉しそう。顔つきも声の調子もすっかり元の母だ。
そんな母の様子をみて父もすっかり落ち着いた。穏やかでシャンとしている。
そして、実は私も少し嬉しい。兎に角、二人の希望を叶えてあげられる。

子供がみてやらないと老夫婦が生活出来ない、なんて絶対おかしい。
それでは何の為の介護保険制度だ、とこの2ヶ月で思う様になった。
それじゃあ独身者は?子供の居ない人は?どうなる!?
とは言え、この先のことを考えると正直怖い。
でもヘルパーさんや訪看さんの助けを借りて、ショートステイも使ってやれるだけやってみよう。
力尽きる頃にはS病院に入れる順番が回ってくるだろう。

朝日新聞17日付の辺見庸氏「犬と日常と絞首刑」の切り抜きを母に見せたら食い入るように読んでいた。
これなら大丈夫と思い、用意してきた「終末期要望書」を見せたら、頷きながら読んで「いいね」と言う。「これがあれば私が居ないときに救急車で運ばれても望む治療を受けられると思う」と説明した。母が一番嫌だと言っている挿管のことも書き加えておく方がいいかもしれない。
間に合った。