続・弾語り・番外編 ②
オールディーズ !
この流れが、弾語りを一変させた
オー! キャロル、ダイアナ、恋の片道切符、のっぽのサリー、リトル ダーリン、
悲しき街角等30曲位を暗記しLPを買い、原音でコピーした
ヤナセの同期くらいの若いセールスマンは営業チーム8人くらいで、しよっちゅう
見えてくれて大盛り上がりだった、踊り出す方、セクシーにおカマっぽくオー! キャロル
のセリフ部分をくねくねして色っぽく歌う方、セールスマンの盛り上がり方・・
最高の瞬間だった
・・・
こんな自分の得意な好きな事をして金がもらえるなんて・・・そう思っていた
余裕が出ると次から次へとLP集を買い演歌も、ポップスも、民謡も・とレパートリーを
広げて行った、客の中には「さのさ」を伴奏して欲しいと年上の女性に頼まれ
三味線の唄を何とかつま弾いた
見てると客観的に色々なことが分かり、この店を利用して女の子を口説いたり
不倫を嘆いたり、戦争を振り返り涙ぐむ人も・・色々いた
ここは成城大学のジョウをとってその学園の柔道部の主将で生徒会長の書籍会社の社長が
ここの店を「城」と名ずけた。
この大学の先輩、後輩にはそうそうたる方がおられ、それらが時折見えられるだ
それを相手するのですから大変だった。
すぎやまこういち、黒澤久雄、佐々木勉、ミッキーカーチス、小池さんという日テレ
アナウンサー
私はバンド感を出すためマネージャーにドラム音で、実態感を出すジュークボックスでフット
スイッチ付きを依頼し大東亜大学空手部副主将のマネージャーはエレキギターも2本
買おうと提案し、自分が選んだ
客には素晴らしく上手な方がいく人もおられ独特の音楽空間を「城」は編み出していた
テレビ関係者・モデル・作曲家等、後で考えてみれば自分のデビューのチャンスは
いくらでもあったように思う、しかし故 佐々木勉氏がこう行った
「なぁ ホッカイドウ、君はなぜ芸能人になりたいんだ、いいかやめとけ !
芸能人になんかなるな お前はホッカイドウでいいじゃないか、いいか
お前はホッカイドウでいろ !」
そう言って・・・教えられた・・・・・・「うっ ! 」
その事をず~と考えていた・・・
佐々木勉氏は亡くなった
ホリプロキャラバンのアイドル募集の審査員だった彼は、後期になりヒット曲が作れず
ホリプロ社長から舞台に立てと言われ、あの歳でスリムな身体を絞りダイエットを行い
二人組で、女の子とタイツを履きステージに立った。振りをして
彼はきっと無理が祟り亡くなったんだと思う・・。
今ではデビューできなかった事、芸能人になれなかった事を全く後悔していない
テレビ、ニュースを見るたび思い出す
先生のおっしゃる通りだ
そう云う世界なのだ
・・
色んなことがあった
さすが東京だ
・・