ワビサビじゃけん

　京都の朝は早いけん。

寺によっちゃあ、朝の５じ半に開門するトコロもあるけん。

それを思えば、８じ半に開門ちうのはずいぶんダラけたカンジするけん。

いや、そもそもこの寺を建てたひとはだらしないけん……。

室町幕府８代将軍、足利義政じゃ〜……。

応仁の乱の原因を作りながら政治には無関心、史上最大のダメ殿さま。

それでいて東山文化で日本的なゲージツを確立した、愛すべきバカ殿……。

その最高傑作が、この銀閣寺じゃけん！。



この辺りまで足を運ぶ観光客は多うないけん。

んでも、ココには日本人のアイデンティティーの根幹を揺さぶられるような世界があるけん。

ちうのもな、きてみて気づくコトは、有名な観音殿だけを見てもいかんちうコトじゃ。

逆なんじゃな、ココに作られた庭園こそ見るべきで、銀閣はそのための建物にすぎんけん。



この海を思わせる銀沙灘とか、苔むした苑路とか、これこそが見るべき場所だと感じるけん。



まーこの寺と引き換えにした犠牲は、とんでもないんじゃがのう……。

そんな歴史も踏まえてこの銀閣、東山慈照寺をめぐるといいけん。

このクニのワビサビの原点じゃけん！。



この雨もいいカンジじゃあ……。