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トヨタ対VW 意外な首位攻防戦 ファミリー対決豊田章男氏VSピエヒ氏

2016-10-12 22:36:55 | 日記

トヨタ対VW 意外な首位攻防戦 ファミリー対決豊田章男氏VSピエヒ氏

 

2016/8/5

豊田章男氏

 トヨタ自動車対独フォルクスワーゲン(VW)の世界販売競争。VWは2015年に排ガス不正問題が発覚しながら、16年上半期(1~6月)の新車販売で首位に立ち、トヨタは2位にとどまった。創業家出身の豊田章男社長が率いるトヨタと、オーナー一族が圧倒的な支配力を持つVWは日独のファミリービジネスの代表銘柄。16年末に笑うのはどちらのファミリーか。

 「確かに円高は厳しいが、世界販売1015万台の計画は変えない」。4日のトヨタの決算発表で大竹哲也常務役員はこう答えた。急速な円高の影響で17年3月期の連結業績予想では、営業利益を1000億円下方修正したが、世界販売計画は引き下げず、逆に主力の北米市場で3万台上方修正した。

■トヨタ、北米販売は鈍化

 実はトヨタの北米販売は鈍化しており、7月は前年同期比でマイナスとなった。ガソリン安で、多目的スポーツ車(SUV)やピックアップトラックを含む「ライトトラック」が人気だが、旗艦車種「プリウス」などエコカーは苦戦している。報道各社の質問も米国戦略に集中したが、「米国はマイナスとなったといわれるが、実際はほぼ横ばい。新型プリウスの評価も高い」と大竹常務は強調。「豊田章男社長がいう『強い意志』を今年はしっかり実行していくときだ」と語って、決算記者会見を締めくくった。

 VWが排ガス不正問題に揺れる中、今年もトヨタが世界一を死守するのは間違いないとみられていた。しかし、首位攻防戦は意外な結果になった。1~6月の世界新車販売でVWグループは前年同期比1.5%増の512万台。一方、ダイハツ工業と日野自動車を含むトヨタグループは0.6%減の499万台となった。熊本地震の影響もあったが、トヨタは500万台を割り、昨年上半期よりもVWに差を広げられた。このままでは通年でVWが初の世界一になるかもしれない。

■ピエヒ氏 劇的復活劇

 

ピエヒ氏(右)とヴィンターコーン氏

 

 「VWには危機バネが働いた。ピエヒ復活も関係あるのではないか」(自動車アナリスト)という指摘がある。

 VWのフェルディナント・ピエヒ前監査役会長。79歳になるが、頭脳明晰(めいせき)で眼光が鋭く、「VWの家長」と呼ばれる。ドイツ企業の監査役会長は取締役を監督する最高実力者のポスト。VWはポルシェ、ピエヒ両家が出資するポルシェSEがVWの議決権の52.2%を握っている。ポルシェ創業者の孫にあたるピエヒ氏は四半世紀にわたってVWを率いた。

 しかし、15年4月、当時社長だったマルティン・ヴィンターコーン氏を排除しようと内紛劇を繰り広げた結果、ピエヒ氏は敗北し、監査役会長を辞任した。だが、その後の排ガス不正問題発覚でヴィンターコーン氏が失脚。社長と監査役会長にはいずれもピエヒ氏の腹心のマティアス・ミュラー氏、ハンス・ディーター・ペッチュ氏が就任。ピエヒ氏は劇的な復活劇を遂げた。

 VWは排ガス不正問題で巨額損失を計上した。しかし、米国発のディーゼルエンジンの排ガス不正問題の世界販売への影響は限定的だった。もともとVWは米国でのシェアが低く、主力の中国市場はガソリン車中心だったからだ。ピエヒ氏の目が光るなか、「VWの経営陣が徹底的に引き締めた。インセンティブ(販売奨励金)を積み増すなど必死で販売を支えた」(自動車アナリスト)からでもある。

 対するトヨタ。円高、原油安が進行する中、豊田章男社長は5月の記者会見で「強い意志が試される年」と語った。それを反映するかのように、トヨタは4日の決算記者会見でも世界販売1000万台超の旗を降ろさなかったのかもしれない。

 世界一を競うトヨタとVW。「ピエヒ氏の野望が自分の目が黒いうちに世界一になることは明らか。創業家出身の章男氏は絶対に譲れない」(同)。ファミリーの思いは強い。

(代慶達也


東大首席の「法曹女子」 山口さんのスランプ克服法 元財務省で弁護士の山口真由さん

2016-10-12 22:21:24 | 日記

東大首席の「法曹女子」 山口さんのスランプ克服法元財務省で弁護士の山口真由さん

 

 東京大学法学部を首席で卒業し、財務省を経て弁護士になった山口真由さん。2015年にハーバード大学のロースクールに留学、オールAで修了した。頭脳明晰(めいせき)でクールな女性と思いきや、本人は「挫折や失敗ばかり。コンプレックスの塊です」と笑いながら答える。山口さんはどのように学び、輝かしいキャリアを築いたのか。

■コンプレックスをバネに猛勉強

 

 「私は別に天才じゃないので、試験前にはいつも必死で勉強します。司法試験を受ける直前も1日に19時間30分勉強しました」。山口さんは屈託のない表情でこう語り、自分が「ガリ勉」であることを隠そうとしない。

 当時、睡眠はわずか3時間、3回の食事は20分ずつ、入浴に20分、唯一の楽しみは札幌市に暮らす母親との電話でのおしゃべりの10分間のみ。後はすべて法律の勉強に費やした。結果、東大3年生の時に司法試験に合格した。

 なぜこれほどのエネルギーを勉強に費やせるのか。山口さんは「コンプレックスの裏返し」と語る。小学校6年生の時に顔にニキビが多く、男子生徒からよくからかわれた。運動も得意ではない。跳び箱は4段を跳ぼうとしたときに手を骨折。ただ、勉強はやるだけ成果が上がったという。「学問は裏切らない、努力した分は伸びる」と悟った。

 北海道で医師の両親の元で育ったが、高校は東京都内の難関校、筑波大学付属高校に挑んだ。母親は東京への進学に反対したが、「反抗期の真っ最中だった。自分は東京でもやれる」と突っぱねたという。

 無事入学を果たしたものの、高校時代はつらかった。風邪をひいても誰も気づいてもくれない。コンプレックスにもさいなまれた。中学まで常に学年トップだったが、毎年多くの東大合格者を輩出する筑波大付属高校は秀才ぞろい。時に白い目で見られ、忘れ物をしたときには、ある男子生徒から「田舎者だからね」という意味のことを言われた。

 

 悔しくて夢中になって勉強した。東大に合格したが、母親から「私学でいいんじゃない」と諭された。「私はそんなモノじゃない」とまた反発、東大法学部の4年間はオール優。3年生で司法試験、4年で国家公務員1種試験を突破した。

 山口さんは「コンプレックスを持つことも悪いことじゃない。ネガティブパワーが一番強いから」という。

 コンプレックスをバネに勉強やスポーツにがんばる人は少なくない。しかし、山口さんの真骨頂は緩急のつけかたが巧みで、「勝利の方程式」を身につけていることだ。決して365日ガリ勉だったわけではない。暇なときには「1日中ボーッと過ごしたり、ゲームやファンタジー小説などに興じている」という。集中的に勉強するのはあくまでも一定の期間だ。

■独自の成長曲線 試験直前にスランプ

 山口さんには独自の「成長曲線」があるという。「勉強をスタートすると、最初はやる分伸びるが、その後フラットになる。そこであきらめずにがんばるとまた伸びる。問題は試験直前に必ずスランプになること。例えば、東大受験の時も模試でA判定をとれていたのが、C判定に落ちた」という。当然落ち込んだり、焦ったりする。ここであきらめれば、失敗する。

 しかし、山口さんは「スランプになるというのは、むしろ完成形に近づいている証拠」というプラス思考法を身につけたという。これで再びエンジンがかかる。集中力が高まり、スランプを克服。睡眠が3時間でも、勉強に没頭できるようになるという。

睡眠3時間、幻聴も聞こえた

 

 この思考法を最初に意識したのは筑波大付属に挑んだ高校受験の時。以来、東大受験も司法試験もこのスランプ克服法で乗り切った。「睡眠3時間なんて本当は合理的な勉強法ではない。司法試験直前も幻聴が聞こえたし、効果的じゃない。ただこれだけやったんだから、と自分で納得できるようになる」と山口さんは話す。

 社会人になってもこの思考法は変わらない。昨年7月、ハーバード大ロースクールに入学。英語での読み書きに自信はあったが、話すのは苦手。「最初、まるで小学生のような扱いを受けた」とくじけそうになり、再びコンプレックスが襲った。そこで猛勉強が始まった。ハーバードの先生から「スピーキングはダメだが、あなたのリポートを読むとすごくロジカル」と評価され、プラス思考に転換した。1年のコースを修了して最優秀の成績を収めた。

 明朗快活な山口さん。しかし、「今もコンプレックスが強い。例えば英語で自分の考えをそのまま言葉で表現したいが、うまくいかない。根っから話すのは下手。将来は政治家とか、ビジネスではなく、やはりアカデミック分野で頑張りたい」という。

 コンプレックスを正のエネルギーに変換して集中的に学習、スランプ時にもプラス思考に転換するノウハウを身につけた山口さん。今後も数々の谷や山を越えて「成長曲線」を描いていきそうだ。

 

山口真由氏(やまぐち・まゆ)
1983年札幌市生まれ。2006年東京大学法学部を卒業、財務省に入省。08年退官、09年弁護士登録。2016年ハーバード大ロースクール修了。著書に『天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある』(扶桑社)など。

 

(代慶達也)