歌手で初のノーベル文学賞授与が発表された米シンガー・ソングライター、ボブ・ディラン氏が沈黙を続けている。12月の授賞式に出席するのか、そもそも受賞する気があるのかさえ不明で、関係者は戸惑っている。
「授賞式に来るという直感がある」。17日、選考主体スウェーデン・アカデミーのダニウス事務局長は地元ラジオの番組でこう述べ、「この直感は間違っているかもしれないが」と付け加えた。
ダニウス氏は電話やメールでディラン氏への連絡を再三試みたが、17日までに接触できたのはレコード会社の関係者ら止まり。アカデミー関係者は「受賞発表日に連絡できなかった例はあるが、これほど長く連絡できなかったことはほとんどない」と話す。(共同)
ディラン氏の思いはどこにあるのか。授与決定後もコンサートには出演しているが、賞への言及はない。ただ、“孤高の表現者”は表彰を素直に喜ぶ人柄でないことも知られている。
授賞式はノーベルの命日に当たる12月10日。無反応のディラン氏が姿を現すかどうかに世界の関心が集まっている。