一昨日のブログのクロテンフユシャクですが、関連することを若干書いてみます。
このブログを書いて思い出したのは、昨年クロテンフユシャクについて興味深い話題があったことです。
「長池公園生き物図鑑」というのがネット上にあります。
長池公園で撮影した生き物について、どなたでも投稿できる写真図鑑です。
その「勉強会」は2004年からほぼ毎月続いていますが、昨年11月は「季節性の違いによって生じる冬尺蛾の種分化」(生物時計の生態学 第9章)でした。
この内容が、クロテンフユシャクについてでした。
簡単に説明することは、私には難しいのですが、こんな内容でした。
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この本の第9章は山本哲史によるフユシャクガの種分化についてである。
この仲間は一年に一世代で冬季に成虫が出現する。
クロテンフユシャクは各地で観察されるが、11月から4月まで採集できる。
成虫の寿命が2~3週間としては異常に長い。
良く調べると最寒月の気温が0℃以上では厳冬期に成虫が現れ、それ以下だと10月頃現れて厳冬期にはいなくなり、3月頃また現れる。
つまり、寒冷地では厳寒期に活動せずに,初冬型と晩冬型に分かれる。
そして、初冬型は卵で晩冬型はサナギで厳冬期を乗り切る。
同一地点での、この二つの型の集団は成虫が出会うこともなく、遺伝的にも隔離されている。
クロテンフユシャクが属するウスバフユシャクの仲間を調べてみると、寒冷地に分布するもので初冬型が7種、晩冬型が3種あり、この仲間の祖先は過去に羽化時期の分断を経験し別種に進化した可能性が示唆される。
クロテンフユシャクも初冬型と晩冬型が冬の寒さによって種分化しつつあると考えられる。
そしてこの仮説を検証するための研究が続くのだが、ここから先は平行進化、遺伝的分化、系統地理解析等々、私には難しすぎる。
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南大沢では過去1月から2月に見られているので、厳冬期に現れ上記の寒冷地には当たらない。
しかし、寒冷地では初冬型と晩冬型に分かれて延々と繁殖しつつけてやがて種分化となるのであろうか?
何しろ、我々は一瞬しか見ていないのですからね。
内容は理解した範囲なので記述違い等ありましたらご容赦願います。
興味ある方は本(生物時計の生態学)をご覧ください。
こんな面白い話題を提供してくれた、生き物図鑑勉強会の木原先生に感謝です。
クロテンフユシャク
北海道は当然寒冷地ですね。
初冬型と晩冬型はずっと出会いはないので、このままいけば別種となってしまうのでしょうか?
なかなか難しいお話ですね。
北海道内のクロテンユフシャクは、初冬に現れます、雪が少し積もり始めるとクロテンユフシャクが出始め一ヶ月くらい見られます。
その後、本冬には姿を消してよく春また、たくさん見られますよ。