毛津有人の世界

毛津有人です。日々雑感、詩、小説、絵画など始めたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

竜宮城

2025-01-22 06:13:04 | 動物画

油彩 26x36㎝ 2014

20年近くも外国を放浪して帰国してみればもう自分の存在などはすでに忘れ去られてい、帰国の報告を書いても返事ももらえなかった。もう旧の友情は復活しなかった。こちらからも彼らを訪ねようという気持ちにはなれなかった。だから正真正銘孤独の中で還暦を迎えた。それが2009年でそれからこっち日本人と親しく会話を交えた記憶がない。だから電話も持たないことにしている。最近住民の戸別訪問をしに来た地元の警察官が電話番号を訊くから、電話を持っていないことを告げると、そうですかそれなら振り込み詐欺の心配はありませんね、と笑っていた。振り込み詐欺など全くそんなものに引っ掛かる人間のいることが僕には理解困難だったのだけど、水道局や何やら市の職員と偽ってドアを開けさせすぐに強盗に変身するグループ犯罪などを聞くにつけ、日本の社会が非常に物騒になっているのを体感する始末だ。それも闇バイトと呼ばれるインターネット利用の犯罪組織に若者が引きずりこまれている現状を思えば、哀れでならない。僕は海外ではそんな不安を覚えることもなく、友人にも恵まれ、いつも美人に囲まれて生活していたのだから、あとでそれを振り返ればまさに竜宮城のお話のように思われてならない。年齢的にも40代前半から60前であるからまだ男盛りだといってよい時期だったのは実に幸運だった。高齢者となった今では例え金と時間がふんだんにあったとしても、あのような甘い体験はできなかったにちがいないからだ。


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