アル中雀の二枚舌

アル中、ヘビースモーカー、メタボで脂肪肝、おまけにトドメの脳出血&片麻痺──現在、絶賛断酒中。そんな中年男の独り言

テロリストのパラソル

2005年10月27日 21時03分38秒 | ミステリー
藤原伊織著 講談社文庫「江戸川乱歩賞・直木賞受賞作」

主人公は、名前を変え過去を隠し、バーテンダーとして生きるひとりのアル中の中年男。
全共闘時代にかかわった爆弾事件から逃げていた男は、二十年後に新宿中央公園での爆弾テロに遭遇した時から、事件に巻き込まれ、逃げてきた過去と対峙しながら、犯人を捜すことになる。

団塊の世代には、ノスタルジックな共感があるかも知れません。私には過去にとらわれて生きる主人公の姿勢に多少の鬱陶しさもありましたが、ハードボイルドミステリーとしては秀作だと思います。読後感はわりと満足できました。
アル中の中年男に共感できる人なら、きっと面白い、はず。お薦めの一冊です。