岩井俊二監督のことを初めて「考える」きっかけになった「ひとこと感想」その1。
メモを探したら、「この監督の作品は毎回のように、ストーリーが込み入り過ぎて?人工的な感じを受ける。強いナルシシズム(なぜか感じるので)と相俟って、自分と相性が悪いのかなあ」などと、ヒドイことが書いてあった。
確かにこの人の映画を観るたび、そんな風に感じるのは事実。でも、今回はちょっと違うことも考えたので、そのことについて少しだけ。
この映画を私が観たのは2022年1月のこと。(この年観た映画の最初の作品)
それから1年以上経った今、こうして思い返してみると… 柔らかい靄に包まれた、夢のような世界が浮かぶ。
実際の映像では、物語も人物も、もっとリアルだったはず。なのになぜか、そういう風にしか思い出せない。
これまではこの監督の映画を観ても、あとからどうこう考えたりしなかった(そこまで興味が持てなかった)ので、「柔らかい靄」「夢のような雰囲気」で思い返すこともなかった。
なので今回初めて、これがこの監督の個性・持ち味なのかな~と気づき、自分でも驚いたけれど、同時にちょっとだけ納得した?のかもしれない。
この人はある種のイリュージョニストで、こういうイリュージョンが好みに合う人にとっては、貴重な作り手なんだろうと。そして、そういう観客は日本人だけじゃないんだな…と。
今頃こんなことを考えてるのって「超遅い」のかもしれないけれど、そのことが(自分なりに)わかっただけでも、今はこの映画を観て良かったと思っている。
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