映画と関係無さそうな昔話風「ひとこと感想」その2。
30年以上前のこと。私はこの映画の上映会に連れられていって、最初の20分間はなんとかガマンしたものの、その後ひとりで席を立ってしまったことがある。
映画の途中で出てしまうなどということは、それまでの私にはまず無かった。当時はまだ「病人」だったために、映画を観ていられるほどの集中力がなかったのだ・・・と言われれば、それまでかもしれない。それでも、主人公の若き王を見ているのが苦痛でたまらなかったそのときの気持ちは、今もかすかな記憶として残っている。
当時は、自分がなぜ席を立つほど「耐えられない」と感じたのか、映画としての密度の高さに窒息しかけたような感触が残っただけで、言葉に出来なかった。
席を立ったときに映し出されていたのは、白く、冷たく、閑散とした、でも美しい雪景色。この人の行く手に何が待ち受けているのか、破滅の足音がはっきりと聞こえるというのに「じっと見ている」ことなど、当時の私にはしようにもできなかったのかもしれない・・・と、その後何年もしてからふと気づいた。
もしかしたらあれはあれで、作り手の力量そのものに触れ、こちらが押し潰されかけた体験だったのかもしれない・・・そんなことを、今回スクリーンを観ながら考えた。
ひゃ~、それは怖いですね~。
でも、そう聞いて思い出したのが『血と骨』のオダギリジョーが演じた若者。登場した瞬間、この人早死にするわと思わせるキレのある美しさ(ピカピカ)。
ルードヴィヒの方は、段々に死んで行くのが怖いですね。二人を対比してぞわぞわしています(^_^;。
『血と骨』も、体力不足?で観たことないんですが、ピカピカの美しさと聞くと、やっぱり観てみたくなります。(ヘルムートと同じく、イメージ変わるかも~)