「2017年に観た映画(オフシアター外国映画編)」長くなった「ひとこと感想」その1。
この映画のタイトルを見ると、昔、まだ高校生だった姉が、「今度来る『山猫』観ようかなあ、どうしよう・・・」などと呟いていたのを思い出す。
私は、その後20年以上経ってからTVで録画して観たものの、正直「なんか・・・ピンとこない」映画に見えた。「贅沢」「豪華」といった形容も、そのときは浮かばなかった。TV映像からでもその美しさは想像できていたのに、それはあくまでアタマでの理解で、「美」として感じられなかったのだと思う。
だから、ただバート・ランカスターが好きで観ていただけ?のようなものだったけれど、それでも心のどこかに、「いつかスクリーンで、それも(傷んでいない)キレイな映像で観ること、あるかなあ・・・」といった、ため息をつくような気分があったのを今もはっきり覚えている。
貴族の没落(階級としての滅亡)という闇が迫る暗い緊迫感と、腐る直前が一番美味という果実から滴り落ちる汁を、毒と知りつつ?皆で貪り啜っているような、甘さ、怖さ、やりきれなさ・・・を、まだ若かった自分にも感じさせるだけの迫力があったのだろうと、今回初めてスクリーンで4K修復版を観て、納得した。
映画のポスターを街中で初めて見かけたときから「納得」までに、50年ほどかかってしまった。今回4K修復版をスクリーンで観られて、ちょっとした夢がまた一つ、叶ったような気がしている。姉はその後、この映画を大画面で観ることがあったのだろうか・・・
あ、お茶屋さんとこで聞いた「オマル部屋」すっかり忘れてたので、出てきたときにはビックリしました(まさか山になってるとは! あれこそ、この監督さん流「リアリズム」なのかなあ・・・と(^^;)