長すぎる「ひとこと感想」その9。
「岩手県の沢内村」というのは、(少なくとも個人的に私の周囲では)とても有名な地名だ。戦後、まだ人々が貧しかった時代に、「全国でも最悪の乳児死亡率が、全国でも最初にゼロになった村」、「当時は法律違反だった、老人と乳児の医療費無料化を実現した村」としてだけれど、その筆頭に立った村長さんがこの映画の主人公だった。
映画としてどうこうという前に、私はスクリーンに映る風景・情景を見ながら、思い出すものがいろいろあった。
映画と同じ頃(1957~64年)、私の父は福井県と岐阜県の県境に近い場所で「町医者」をしていた。沢内村と比べても遜色ない?ほど雪深い土地で、当時は医院のある「町」はまだしも、ちょっと山の方へ行くと「腰まで雪に埋まって、往診が大変」というような場所だった。
映画で言われる「豪雪・多病・貧困」も、当時はごく普通に辺りに見られるものだった。子どもの私は、そういったことに全く気がついていないようなものだったけれど、それでも今回この映画を観ながら、「ああ、あれはそういう意味だったのか・・・」と思うような場面に何度か出会った。
当時私の周囲にあった風景・・・風邪をこじらせて受診した顔にケロイドのある若い女性は「子どもの頃、囲炉裏に転がり落ちた」のだし、いつも子守りをしていた友達は「お母さんが赤ちゃんを産んだとき死んだ」のだけれど、その後ろにあったのは当然「診療代がモッタイナイから医者にはかからない」だったり、「大きい病院は山の向こう」といった現実だったのだろう。
或いは、豪雪時のブルドーザーの威力。 昭和38年の冬、自衛隊の出動で大がかりな除雪が毎日行われるのを見たときの驚きは今も覚えている。沢内村の村長さんが導入に踏み切る理由が実感として私にはわかる。そしてそれらは結局の所、すべて「金」の問題であり、「貧困」との戦いなのだということも。
映画のラスト、深沢村長本人の写真が映し出された時、私はドキッとした。「戦争を知っている人の眼」だと、なぜか反射的に思ってしまったからだ。映画の登場人物たちには無かった眼の光・・・それが瞬時に「戦争」に結びついたのは、私の子ども時代の記憶がすべて、どこかで「戦争」に結びついているからという、ただそれだけの理由だったのかもしれないけれど。
というわけで、私にとっては(ごく個人的な意味で)考えさせられるものが多かった映画だった。
「岩手県の沢内村」というのは、(少なくとも個人的に私の周囲では)とても有名な地名だ。戦後、まだ人々が貧しかった時代に、「全国でも最悪の乳児死亡率が、全国でも最初にゼロになった村」、「当時は法律違反だった、老人と乳児の医療費無料化を実現した村」としてだけれど、その筆頭に立った村長さんがこの映画の主人公だった。
映画としてどうこうという前に、私はスクリーンに映る風景・情景を見ながら、思い出すものがいろいろあった。
映画と同じ頃(1957~64年)、私の父は福井県と岐阜県の県境に近い場所で「町医者」をしていた。沢内村と比べても遜色ない?ほど雪深い土地で、当時は医院のある「町」はまだしも、ちょっと山の方へ行くと「腰まで雪に埋まって、往診が大変」というような場所だった。
映画で言われる「豪雪・多病・貧困」も、当時はごく普通に辺りに見られるものだった。子どもの私は、そういったことに全く気がついていないようなものだったけれど、それでも今回この映画を観ながら、「ああ、あれはそういう意味だったのか・・・」と思うような場面に何度か出会った。
当時私の周囲にあった風景・・・風邪をこじらせて受診した顔にケロイドのある若い女性は「子どもの頃、囲炉裏に転がり落ちた」のだし、いつも子守りをしていた友達は「お母さんが赤ちゃんを産んだとき死んだ」のだけれど、その後ろにあったのは当然「診療代がモッタイナイから医者にはかからない」だったり、「大きい病院は山の向こう」といった現実だったのだろう。
或いは、豪雪時のブルドーザーの威力。 昭和38年の冬、自衛隊の出動で大がかりな除雪が毎日行われるのを見たときの驚きは今も覚えている。沢内村の村長さんが導入に踏み切る理由が実感として私にはわかる。そしてそれらは結局の所、すべて「金」の問題であり、「貧困」との戦いなのだということも。
映画のラスト、深沢村長本人の写真が映し出された時、私はドキッとした。「戦争を知っている人の眼」だと、なぜか反射的に思ってしまったからだ。映画の登場人物たちには無かった眼の光・・・それが瞬時に「戦争」に結びついたのは、私の子ども時代の記憶がすべて、どこかで「戦争」に結びついているからという、ただそれだけの理由だったのかもしれないけれど。
というわけで、私にとっては(ごく個人的な意味で)考えさせられるものが多かった映画だった。
あのね、チラシの女の人が綺麗過ぎて嫌だったの。美しいじゃなくて、綺麗。
実話を映画にするっていうのは、たいていの場合作り手の意図が見え見えで、それだけで、観る前に疲れ果ててしまうんですよね~。
それで、ムーマさんの記事を読んで、観なくて正解だったと思いました。へんな感想でごめんね~(^o^;
ここ数日の映画の感想はずっと読ませて頂いております。ムーマさんを知ってから、「映画好き」と公言しない事にしました^_^;
真の映画好きはムーマさんのような方を言うのです。
この映画、chonさんは「観なくて正解」と私も思います(笑)。
>実話を映画にするっていうのは、たいていの場合作り手の意図が見え見えで・・・
そう、ある種の「わざとらしさ」を、どうしても感じてしまうんですよね。
ただこの映画に限って言えば、チラシの写真の女優さんような「綺麗さ」は、映画の中ではあまり出てこなかったと思います。
でも、私は記事にも書いたとおり、「子ども時代の記憶とダブらせて見ている」状態だったので、そもそも全然客観的に観てなくて、どういう映画だったのか実は説明出来ない・・・っていうのが正直なところなんです。(スミマセン)
でも、chonさんの言われるところはよくわかります。全然へんな感想じゃないですよ。
書き込んで下さって、本当にありがとう。またいい映画あったら教えて下さいね~。
ご無沙汰しててすみません。
おかげさまで、やっと少しクマから人間に近づきつつ?あります(笑)。
こんな拙い感想読んで下さってるなんて、ほんとにほんとに嬉しいです。
でもね、私「真の」じゃなくて「ただの」映画好きなんです。趣味が限られてるので本数はちょっと多めかもしれませんが(ハズカシイ)。
更年期さんも映画大好き!な方でしょう?
「面白い!」っていう作品あったら是非教えて下さいね。
更年期さんが「面白い~」って言われる映画は絶対面白い!って自信が、なぜかあります。えへんぷい~(笑)。)
>更年期さんが「面白い~」って言われる映画は絶対面白い!って自信が、なぜかあります。えへんぷい~(笑)。)
とんでもないです。私は、電車乗れない体質ゆえ、近くのシネコンで上映される映画しか見ないですし^_^;私が面白いと思う映画は、あまりに少数派過ぎて、全然共感を得られません
こちらこそ、ムーマさんお勧めの映画でTSUTAYAで借りられる映画がありましたら教えて下さいm(__)m
余計なコト書いてスミマセヌ(笑)。
でも更年期さんのプロフ写真見て以来、ギャグのセンスに絶大の信頼を・・・なんて、またまた余計ですね。
私はいつも、1年のうち何ヶ月かは家から出ずに暮らす(冬眠その他)ヒトなので、ケーブルTVとかレンタルとかも好きです。
元々ミーハーに出来てるので、「あまりに少数派・・・」な映画についていけるかどうか心許ないんですが、いつか機会があったら「情報交換」して下さいね~。