久しぶりにすばらしいお芝居を観てきた。
「春琴」である。
サイモン・マクバーニーの演出。
大好きな作家、谷崎潤一郎の短篇小説『春琴抄』を中心に
彼のエッセイ『陰翳礼讃』のエッセンスを取り入れたもの。
照明を絞りに絞って薄暗い舞台。
登場人物は年齢ごとに役者が異なり
極めつけは、人形がつとめる春琴。
薄暗がりの中、ぼうっと浮き上がる役者と春琴人形と
これだけははっきりとした役者の声。
薄暗い舞台は、盲目の春琴の世界
実態と観念を朦朧とぼかした世界
闇とは切っても切れない美の世界
(かな)
どっぷり浸かって、あっという間の2時間だった。