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仏国寺プルグッサは新羅最盛期に建立されたお寺。
文禄の役の際に、多くの木造建築物は焼かれてしまい、
新羅当時のものとしては、階段や石塔など石造りの物のみということ。
それでも仏国寺の形そのものに、新羅の仏教観が反映されているということで見所満載とのこと。
日本語ガイドの閔さんの説明がなければ、ただただ歩きまわって終わりとなるところだった。
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本来は一ノ門から入って俗世の汚れを少しずつ浄めながら
仏の国に入らなければならないらしいが、表門は雪で封鎖。
裏門からアイスバーンの道を登ることに。
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仏国寺の全体像を地図にて確認。
一ノ門から始まって天王門を通り中壇へと入る道を確認。
伽藍は4つの領域に分けられていて、それぞれに意味があるとのこと。
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ひと通り説明をきいたあと、向かったのは中壇にあるとても存在感ある石段。
新羅時代から残っているといわれている石段で、青雲橋・白雲橋と呼ばれているそうだ。
全部で33段あるこの石段を、仏の国に入る際に渡る橋に見立てているそうだ。
国宝の石段を登ることはできないため、横から回り道して仏の国の境内にはいる。
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本殿は文禄の役の際に消失し、現在のものは1695年に再建されたものだそうだ。
釈迦牟尼仏を中心に左右に未来の仏様になる弥勒菩薩と過去の燃灯仏かつら菩薩があり、
過去、現在、未来の三世仏をなしているとのこと。
ちなみに、大雄殿の正面に見える燈籠(?)の四角い穴を覗き、
釈迦牟尼仏の顔が見える位置で止まってお願いすると
願いが叶うそう。我らもお願いしてきたよん。
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大雄殿の前に2つの石塔が向い合って並んでいるが、
この石塔も新羅時代のもので、国宝に指定されている。
とても優美な姿。新羅の文化レベルの高さがわかる。
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石塔のところにポツンとひとつだけコマイヌが置かれているが
もとは四方にひとつずつ、計4匹のコマイヌが置かれていたとか。
だれかに盗まれてしまったらしいが、そのうちの1匹は大英博物館にあるらしい。
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無説伝の裏から、観音様の世界へ。
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仏様の世界から、観音様の世界へは大変急な階段を登らなければならない。
この階段の傾斜は、困難な思いをして観音様の世界にたどり着くのだという
新羅仏教の観念を具象化しているということ。また、格段の幅が極度に狭いわけは
謙虚な気持ちを持つことを促しているということだ。
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観音様の世界からみた、仏様の世界。
とても静かで平和。
この後、別の、これもまた急な階段を降りて毘盧殿へ。
統一新羅時代に造成された金銅毘盧遮那仏が安置されているとのこと。
新羅時代の仏像はみな静かで穏やかな顔をしているということで、
石窟庵もぜひ見学して見比べたかったなあ。
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最後に、阿弥陀仏の極楽浄土である極楽殿に。
ここでは金色のイノシシの置物がみんなに大人気。
何でも数年前に黄金の猪年がやってきたらしく
そのとき記念に作られたとか。
撫でると幸運が訪れるというのでアタシもひと撫で。
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こうして仏国寺見学は無事終了。