未熟者武道記

空手徒然。
二つの戈を止める武を核とし、諸諸と調和して溶け込んで。(いけたらいいな)

一号への餞

2018-02-26 23:07:36 | 稽古
今日で川西教室の第一号である晴心が卒業しました。ひと月行なった体験会には毎週参加し開設するや即入門。一番上が二年生という動物園状態で説教時間の方が多いような環境の中奮闘してくれました。

少し我の強いところがあり不器用でもありましたが、それが負けん気となり初めはメキメキ上達し帯も順調に上がっていきましたが途中からその我の強さが「俺は出来る」という傲りに変わり始めた五年生。まあ大体の男子が難しくなる頃でもあります。

六年生に上がり昇段審査を受けたいと言った時にこの子の先を考えると鼻をへし折られるのも大事だろうと受験を許可しました。一緒に受けるのは道場の歴史でも一、二を争う出来であろう歩大。相当比べられるであろう事を伝えても火は着かず「大丈夫」と臨んだ審査本番。結果、創作形は間違え組手では倒れとボロボロでした。対する歩大はやはり最高評価を得て今後の語り草になるような内容。それを目の当たりにする教室の仲間たち。彼らに傲りが何を招くのかを見せるのも目的の一つでした。

小学生には酷な一日だったかもしれません。私自身酷い事をしている自覚もありました。もしかしたら辞めてしまうかもしれないなと覚悟もしていましたが晴心はそこで自分と向き合うことが出来、毎週稽古終わりにはチェックして下さいと残るようになり次回審査で黒帯を獲得する事が出来ました。

私は空手しか出来ませんが、その空手を教えるにしても人ひとりをそれなりに育てるのは大変な事だとつくづく思います。一人一人にクセが有ってそれを見極めきれずに枯らしてしまう事もあります。クセのない子は育て易いけれど割れやすかったり。

晴心は枯れずに咲かせる方法を掴めました。中学ではバレーボール部に入る予定だそうで空手→バレーの流れは私と同じ。私は空手の腰の深さがバレーに役立ちましたしバレーに必要な柔らかさや瞬発力が空手に戻ってから今尚生きています。
どのように黒帯を取得したか。これを得たのは精神的に大きな武器です。黒帯がスタートと良く言われるように此処こそが初心。素人時代の初心は捨て、上手くなって初めて初心と知りまたそれを忘れずに多忙な中学生活を有意義に過ごしていってもらえたらなと願います。一緒に写真撮り忘れたのが残念…。


六年生達は卒業後年に数回でもいいから部活のない日の学校帰りにでも覗いてくれたら嬉しいね(^_^)






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