失われたメディア-8cmCDシングルの世界-

50円とか100円で叩き売られている8cm CD singleを見るとついつい買ってあげたくなることはないか。私はある。

「ジェラシー」 井上陽水 1981年、たかはしまりこ 1989年

2017-05-22 | 陽水民生&安玉
サングラスジャケ2枚。

井上陽水、1981年の16thシングルを1988年に8㎝再発。

①ジェラシー
作詞・作曲:井上陽水、編曲:星勝
スパニッシュぽいギターと陽水の歌のみで「ジェラシー 愛の言葉は 愛の裏側」と謎めいた導入。ラテンテイストのリズムとメランコリックなメロディでウェットになりそうなところ、陽水のカラッとした声と意味不明の歌詞によって煙に巻かれてしまう。前後の脈絡がない断片的なイメージで不安定な気分になる中、「ハンドバッグのとめがねが はずれて化粧が散らばる 波がそれを海の底に引き込む」の部分が鮮やかに映像的でハッとさせられる。「むなさわぎで 夏が来るのが恐い」そんな嵐の予感を描くのに、陽水の張りつめた高音ほど適した声はないだろう。

②夏星屑
作詞・作曲:井上陽水、編曲:星勝
ちょっと「ジェラシー」に似すぎ?明るい変奏曲といった趣き。

定価937円、中古で210円。
オリジナル7インチのジャケをそのまま上半分に使用。


高橋真梨子の15thシングル。

①十六夜 シティーハンター劇場版"愛と宿命のマグナム"エンディング・テーマ
作詞・作曲:飛鳥涼、編曲:近藤敬三
こちらは高橋真梨子名義。本人コーラス&ハモりがやや過剰な印象だが、ASUKAテイストバリバリのサビはさすがのキャッチーさ。ちなみに「十六夜」は「いざよい」ではなく「じゅうろくや」と歌われているのでタイトルも「じゅうろくや」(CD盤面にだけふりがながふってあった)。

②ジェラシー
作詞・作曲:井上陽水、編曲:森村献
こちらはひらがなで「たかはしまりこ」名義。陽水よりスローな導入。「窓辺に~」のパートでもリズムレスで、ヴォーカルをたっぷり聴かせるアレンジ。「君に寄せる愛はジェラシー」のサビでアルゼンチンタンゴのリズムが入る。2番は舞い上がるストリングスが不穏な空気を演出。陽水とは別ベクトルの妖しい声の持ち主、真梨子さん。堂々の歌唱でこの曖昧な世界を描ききった。

定価937円、中古で100円。
眩しい太陽が反射するサングラスの女性イラストは「十六夜」とも「ジェラシー」ともそぐわないような。

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2 コメント

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Unknown (3rd=D)
2017-05-23 21:08:06
陽水の7inchはよく見ますが、この短冊は見かけないですね。
高橋真梨子のジャケはタイアップを意識したものなのか?と読んでて考えました。ま、違うんでしょうけど。
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Unknown (nakamura8cm)
2017-05-29 15:39:40
確かにあんまり見ないです。再発では「リバーサイドホテル」は比較的よく見かけますね。

北条司の絵柄とはちょっと違いますが、多少意識してるような気がします。
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