「許すな!不当高額請求@兵庫」では、これまで悪質な水道工事業者の手口を紹介してきた。読売新聞の兵庫県の各総支局には、多くのメールや手紙が届いている。なかには「年始はどこに修理を頼めばいいのか」といった質問もあり、神戸市管工事業協同組合の高井豊司副理事長に対処法などを聞いた。(高木文一)

 ――組合に「高額請求」についての苦情や問い合わせはあるか

 インターネットやマグネット型の広告を見て、修理を依頼した人からの苦情が相次いでいる。組合に入っていない業者とのトラブルで、「トイレの便器を外したまま帰ったので何とかしてほしい」など、本当に専門業者なのか疑うものもあった。

 ――もし依頼した業者から法外な請求をされた場合は

 思いきって支払いを拒否してほしい。

 ――年始に水道トラブルが起きたときはどうしたらよいか

 「年始でも対応は変わらない。神戸市が開設する水道修繕受付センター(水まわりトラブルの総合窓口、0120・976・194)は24時間365日対応している。

 ――他の自治体は

 自治体の水道局や建設局が対応している。年末年始でも職員が待機しているところもあるので、最寄りの指定工事店を聞いてほしい。

 ――自分でできる応急処置は

 水は使えなくなるが、止水栓を閉めると漏水は防げる。止水栓がどこにあるかを確かめておき、トラブルに備えてほしい。

 ――焦らないためには

 家族が集まる年末年始にトラブルが起これば、普段よりも「早く修理したい」と焦る人もいるだろう。落ち着いて対処できるように、日頃から、どこに電話をしなければならないのか調べ、顔なじみの修理業者をつくってほしい。

 

「マグネット型」も注意 ネット不慣れ高齢者に多く

 

 多数のトラブルを引き起こしている神戸市の水道会社は、インターネットの「リスティング広告」以外に、郵便ポストなどに入れられる「マグネット型広告」も活用していた。

 昨年1月、水漏れになった神戸市垂水区の男性(74)は、冷蔵庫に貼っていた「24時間365日対応」「兵庫県の水道工事店」などと記載されたマグネット広告を見て、同社に修理を依頼。最終的に90万円を請求された。

 マグネットは、郵便ポストに入れられていたといい、「何かあるかも」と、捨てずに置いていた。

 県立消費生活総合センターによると、マグネット型広告に関するトラブルは、ネット環境に慣れていない高齢者に多いという。担当者は「いずれも大手業者が使う宣伝方法だが、問題の会社は巧みに利用した可能性がある。広告をうのみにしないで」と注意を呼び掛けている。読売新聞は、問題となっている神戸市の水道会社に取材を申し込んでいるが、29日夜までに回答はない。

 

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