山に癒されて…♪

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北ア4 白馬三山の後の嶮しい砦 不帰嶮

2015年09月29日 | 山登り 北アルプス
鑓ヶ岳からの続きです



鑓ヶ岳山頂


白馬三山を登り終えても まだ先があります
まずは天狗山荘で休憩を撮るために下って行きます






んん…?

緩やかな下りの稜線状に標識が…と思うと

山で 営業中! 


ではちょっと立寄って お茶タイムに致しましょうかσ(^^)



クスクス笑いながら 急ぎます








だけど…おどこにあるのでしょう…

つづく先は緩やかな稜線の道…???





ガスは やはり多いですが 気持ちの良い稜線です
その稜線を少し振り返ってみると
通ってきた 鑓ヶ岳が 微笑み返しくれます


白い頂のその姿
白馬三山の一つと云われるだけに 風格があります


ところでまだ着かないのでしょう 営業中…の所!


…と♪



漸く天狗山荘の標識があらわれます




さて…一気に下って 眼下にある山荘へと参りましょう♪





天狗山荘



一筋延びる道が山荘へと誘います


漸くここで休憩ができるのですね…
そう思うと ふと… 
体の力が抜けそうなほどに安堵します


山荘の右後ろ向こうに見えるのは…天狗ノ頭なのでしょうか?

ぽこぽこしたお山のコルに 落ち着いた雰囲気の山荘が 
労わるように迎えてくれました



チチが  

ここまでは良いタイムで歩いてるよ と 


めったに褒めないチチが…
頑張っている事を認めるように声をかけてくれます



私…頑張ってるんだわ…!

なんだか嬉しくなってきます







ここで名物の釜焼きプリンを食べなければ…

コーヒーと 小焼ケーキも添えて…


なぜか 食への意欲が湧いてきます
食べたい感触が戻ってくるのです♪

峠の釜めしスウィートバージョン窯焼きプリン! 思った以上に量がありました
チチと分けて食べる事に…

プリンと小ケーキの糖分は体に元気をくれそうです

窯焼きプリンのコーヒーセットは 800円 
元気のエッセンスを加えて 高いようでいと感じました♪






さて…ここからが本番…?
今の体調で 17キロのザックを背負って登れるか…

少し不安を感じます…
だけど プリンから頂いた力で登ります!



そう自分に言い聞かせて 苦笑い…




チチは何も言いません
私の準備が整うまで 黙って待ってくれています 


そして、静かに一言…



行くぞ!



チチを見つめて


はい!



自分に気合を入れます






天狗の頭に向けて出発です






ここはコマクサの集合世帯なのでしょう…

守られて 守られて…必死に生きているのでしょう
いつか その群生にお会いしてみたい





時折青い空が 微笑みます


稜線に沿って歩くと間もなく 天狗ノ頭を通過します



天狗ノ頭



天狗の先の大下り 
それを過ぎると不帰嶮に取り付く事になるから…



天狗の大下りの次が 核心の不帰嶮であることを知らせるチチ



すべての行程をを頭に入れているチチは
この先の事をどのように考えていたのでしょう…


せめて足を引っ張ら無いように 登りたい…






暑さも、寒さも余り感じません
どちらかというと、寒さの方を感じる時があります
それでも、歩けています

時折 足の小指側の指が攣りだしております



これから先の岩場で 足が攣りませんように…


必死で願う私でした…




天狗の大下り



最初は緩やかな下りで あれ?といった感じでしたが
次第にその姿は容赦なく変えて 
一気に地獄の入口に誘うように下って行きます…






があります






りというのに りがあります!

なんでなの~?






でも また りです…

ストレートな下りではないのですね



所々…落石に注意が必要です






見た目以上にです





振り返ると、上から続いております

気を付けてね~♪


アップダウンのある稜線を越えていきます






…って 何の標識…読めるのは 「家」のみでした…

もうひとつは ・・・ゴミ


えぇ~~ ゴミの家!



そんな事はありません!

ではゴミは家に…でしょうか?


ハッキリとは分かりません… が … とても になる標識でした…








どんどん下ります

勿体ないほど下ります

嫌になるほど下ります







折角ったのに…

ハイマツの間を トラバース気味に っていきます…


そして…




不帰嶮



不帰嶮 に 漸く辿り着きました








今の私に登れるだろうか…
そんな弱音を吐いても仕方ありません!


色々な所に連れて行ってるんだよ
自信を持って 大丈夫 登れるから…



計画を立てている時に言った チチの言葉を思い返しながら 見上げます






チチは…やはり何も言いません



大下りで体力消耗して… 少し休んでから登る事に…







休んでいた人も 登り始めます



ザックを背負いなおして…



行くよ…


はい!



気合を入れるように ザックの腰ベルトを締めます…

本来なら…緩める腰ベルトを…私は締めてしまいました…
普段なら…考えられませんが…





体に興奮と緊張が走ります
何も感じません

登る事に集中です






先にいる人の動きを見ながら 距離を計りつつ登って行きます

しかし…
この日も下り方もおられ、離合にかなりの時間がかかってしまいます


下りの人も 譲り合いながら、タイミングを見て待つ という余裕が無いようで、
先に進めとばかりに 間隔もかなり空けて どんどん降りてこられます

上りの方は ただ 長い間 下りの人が 下りて過ぎるのを待つほかありません



かなりの時間 狭い岩の壁で待たされます



段々苛立ちが出てきたのでしょうか…?
ちょっと待て!というように先の人が動き出します

そのタイミングを見て ようやく続いて 登って行く事が出来るようになりました





梯子から取り付きを除く



梯子が渡されております






梯子を振り返ってみます
後ろから登ってきている人が続いて来ております





所々 トラバースの部分があります



この岩壁を登れば…





どっこらしょ!

しんどいのに 変にテンションが 上がります


この時は岩の感触を楽しんでいた自分がおりました…




2峰北峰


狭い峰を直ぐに後にして、まだまだ続く岩場へと進みます


不帰嶮は切れ落ちておりますが
整備されており、岩もしっかりとしたホールドがあるため
鎖に頼らなくても 慎重に進めば問題のない所に思えます

ただ、離合についてはありです

先の状況を見て、判断し 譲り合う気持ちがなければ
離合は難しいかと思います


鎖のピンはこの山域全体に言えますが
確認してみると 少しぐらついている箇所が比較的沢山あります…


正直 私…個人的には 鎖に頼る事は出来ませんでした…


一峰から二峰を過ぎれば 三峰以降は縦走路となり尾根歩きを楽しめます







ガスが含み笑いをするように蠢き
周りの景色をすべて掻き消してしまいます

このおかげで、高所恐怖症の私は救われているのかもしれません



不帰2峰南峰


ここからは 通常の縦走路となるため 切っ立った所は無いはずです
ホッとするとともに 今までの緊張が解けて行くのがわかります


体に小さな震えが出てきて 悪寒を感じ始めます
そして、一気に体が重くなり 疲れが戻ってきた感じがします


ここで暫し小休憩…


…と チチが


あれ! 腰ベルト…緩め…てるよね…


あ… 遅い…(--;)




本当なら自分でする事…気づく事なのですが
そんな注意もできないほど、私自身が散漫だったのですが…



ドリンクを勧められても、欲しくありません

ただ…足が攣らなかった事に感謝するばかりでした






再び ゆっくりと稜線歩きです
今度は、腰ベルト 締め直します…σ(^^;)

離合でかなり時間を要した事もあり、時間は押していました…


やはり…無理…?


離合が原因というばかりではありません

私の体力も おかしいと気付き始めております



離合で待つ時も 本当は 頭の中でグラグラするふらつきを感じていました

直ぐに治まるとはいえ 決して良い事ではないのは分かります…


稜線を歩いていても また…足が攣る感覚が戻ってきます
どうしようか…


それでも、必死で後について歩きます





少し角度を変えて登りになると
体は鉛のように反対に押されて 喘ぎます 


チチが遠い…


それでも必死に喰らいつきます


この登りを頑張れば…




唐松岳 2695.9m



唐松岳山頂に立ち 人の賑わいを感じながらも 脱力感に襲われ
心は 今日の宿地へと向いていました

ガスも周りを覆い、早く 下れ…と言っているよう


調子の良い時の私ならば ここから五竜山荘までは歩けるはずでした…
少々の事では 諦めない私でした…

ですが…この時点で、私の中では 宿を唐松岳にする事を決めはじめていました…


それは、チチとて同じ…
いえ 唐松岳山荘で留まる事を考えていたようです


唐松岳頂上山荘へ向けて…いえ テン場向けて そのまま下って行きます




唐松岳頂上山荘


山荘前は賑わいを見せますが、そこは立ち寄らず
まずはテン場の場所取りをしに下ります


本当は テン場と山荘がかなり離れているので
このテン場は避けようとしたのですが
今回は救世主の場となりました


所狭しと張られているテント
張る場所もほとんどありません…
何とか隅の方に張られる場を見つけて設営を行います

そこは、山荘から10分ほど下ったところになりました



テン場からの山荘


まずは 山荘まで 受付にいかなければなりませんが
このときに、必要分の水の購入と トイレを済ませる事にします

行ったり来たりするには 距離がありすぎますから…






山荘から 稜線を振り返ります
本当にきれいな稜線を歩いてきたのだと感じます


しかし…限界でした


料理用の水0.5リットル80円⇒1ℓ150円
一リットル購入してテントに戻ります



明日は…どうしよう…


ここからだと、八方尾根を下れば、そのまま帰れます…



こんな弱音…自分から吐きたくない 私は
ただ、黙って…黙々とテントの中をもぞもぞしておりました


食事の準備もしなければなりません
だけど…

体がもう動きません


吐き気めまいが強くなってきて 悪寒が走ります


まだ、意識はしっかりとしていますが
思考が鈍くなっているような…


リフィリングテストをしてみると 血の気が戻るのに秒以上掛ります


明らかに 高度障害ばかりではなく脱水症状が伴っているようです


何か飲まねば…


でも、喉を通りません


どうしよう…



次第に起きているのが辛くなり、横になります



寝ていても、ぐるぐる回る感じが取れません

それでも 下山する事を自分の口から出す事は出来ない私です



何か食べろよ…無理してでも…


チチが声をかけます


なんだったら食べられる?




…あまり いらない…






そんな私を見ていたチチが



明日は八方尾根を下ろう 4時間ぐらいで下りれる…


えっ…!

少しボ~ッとした頭でチチを見ます



涙がこぼれそうになります

だけど…私も本当は考えていた事…


うん…



だから 行動食の中でもいいから、食べられそうなもの
食べるんだ…

うどんとラーメン どちらだったら食べれる?



チチは あるだけの食べ物を私の前に並べ始めました

私の状態を見ていたようです



あの不帰嶮を過ぎれば 後は何とかなる…そう思い
チチは、自分で対応するべき事をずっと考えていたようです

そんなチチに逆らえません…


頷くしかありませんでした… 





この時までは… 





うどんは食べやすく 少しずつであれば喉を通ります

すると、次第に、ゼリーや野菜スープなども喉を通るようになります


人は、食べなければなりません
今日は気温も低く感じ、あまり水分を取る必要性を感じなかった事が
この事態に追い込んでしまったのだと 反省する時でもありました

自らの過ちと過信…
若いころと違う自分の体を見直す機会となりました…


私は 早々に、シュラフに入り
チチは明日の水を再び購入すべく山荘に向かいます





イワギキョウ ミヤマリンドウ アキノキリンソウ



明日は 八方尾根を下るのですね

五竜岳は この次の楽しみに…ですね…



薄れゆく意識の中で 
明日の事を思いながら また、涙がこぼれてきました



この日も満天の星空が、長い夜を飾っていたことなど
気づきもせず 深い眠りへと誘われていきました…






神さま… 私にもう一度お力を…







つづく…






プチ情報




唐松岳頂上山荘


連絡先     唐松岳頂上山荘直通  TEL:090-5204-7876

宿泊料金    1泊2食  大人 9500円~  小学生 7000円~ 
        素泊まり  大人 6700円~  小学生 4500円~

        お弁当( 1200円 )で用意して下さいます
        建物内に自炊用設備はありません

        料理用水  1リットル 150円 / 500ml 80円
        お湯・お茶 500ml 300円 ※ 朝・夕のみの販売です
        飲料水   500mlペットボトル1本 300円

        テント泊と外来の方は小屋内の休憩は300円別途必要です



テント場    唐松山荘黒部側下100m 25張り
        
        水場なし、下の水源からポンプアップした水を利用しており 山荘内で購入
  
        トイレは 小屋内のトイレ利用(土足厳禁)

テント泊料金  1人 500円 +トイレ利用料 200円 = 700円
        ※テン場は小屋前の斜面に 段々畑の如く造られており
         下部の端では10分以上下る事になります 
         

       


今回の縦走の中で、トイレ利用料金は ココだけ200円 他の小屋では 100円でした♪
 





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4 コメント

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Unknown (錫杖)
2015-09-29 12:47:57
今回も丁寧に大作をまとめられましたね。
実際にわたしも歩いてるコースなのでよく理解した上で拝見ならびに拝読させていただきました。

感想
1 アルプスは稜線歩きがあるからやめられない
2 雲が沸き立つ稜線に帰不の峰が懐かしい
3 25年前、お世話になった天狗山荘 今ではプリンが有名に

4 高度順応 私が思っている以上にキツそうですね 正直なところ2日目で今の状況だと大丈夫なのかなと不安でいっぱいです。
5 もう一晩 眠れば気圧に三半規管がなれてくるのだろうか
6 五竜の登り(ピストン)もあなどれない

7 唐松のテン場もトイレから遠いので大変ですね

明日は晴れます様に身体の回復されますように祈ってます。 
返信する
こんにちは (延岡の山歩人K)
2015-09-29 17:39:55
先ず
振り返る 白馬鑓ヶ岳 好いなあ~
昨日記事の 白馬も良かったけど・・・

そして 憧れの 不帰嶮
自分は
剣沢から 後立山連峰を眺めながら
あの 鹿島槍には登ったけど 不帰嶮 行ってみたいなあ
ここから眺めると 大キレットの様でした

先日 白馬から 悪天候の中 唐松まで縦走した友人は
「不帰嶮は 大したこと無かった」けど
「一峰~三峰 すごく良かった」と言ってました

実際写真拝見すると
最初の急下りから なかなか大変な様ですね
スリルを感じるところも多くて
なかなか 口で言う穂で出ないことを実感しました
じっくり 楽しませていただきました。

体調不良の中
重いリュックを背負いながら よく頑張られたものです \(◎o◎)/




返信する
錫杖様 おはようございます (nanekobi5963)
2015-09-30 08:56:13
本当にこの長い記録を最後まで読んで頂いていると思うと 感謝と共に 励みにもなり 嬉しく思います
本当にありがとうございます

>1 アルプスは稜線歩きがあるからやめられない

本当に…どんなにしんどくても、
この天気でこの稜線歩き
どれほど助けられたか…辛くても、また、来たくなります

>2 雲が沸き立つ稜線に帰不の峰が懐かしい

不帰に行かれたことがお有りだったのですね
思う以上に面白い所で その姿は 惹かれるものがありました


>3 25年前、お世話になった天狗山荘 今ではプリンが有名に

チチですが 30年前はなかったと…言っておりました(笑)


>4 高度順応 私が思っている以上にキツそうですね 正直なところ2日目で今の状況だと大丈夫なのかなと不安でいっぱいです。

ご心配をお掛けいたします
多分 ロープウェイで一気に上がったのと、寝不足などが祟ったのかと思いますが…その時のコンディションで違うようで、よい体験をしました…

>5 もう一晩 眠れば気圧に三半規管がなれてくるのだろうか

天が味方して…きっと…(^m^)

>6 五竜の登り(ピストン)もあなどれない

不帰よりも…嫌らしく感じました…

7 唐松のテン場もトイレから遠いので大変ですね

笠ヶ岳以来…とても困りました
膀胱炎になりかと思うほど ぎりぎりまで我慢してしまいました(笑)

ご感想、ありがとうございます
長々と続く記録 お付き合い頂けることを感謝いたします

丁寧なコメント いつもありがとうございます
返信する
延岡の山歩人K様 こんにちわ (nanekobi5963)
2015-09-30 12:19:50
いつも、長文の記録を 最後まで読んで頂けている事を本当に感謝いたします
そしてとても励みにもなり、嬉しく思っております

>先日 白馬から 悪天候の中 唐松まで縦走した友人は
「不帰嶮は 大したこと無かった」けど
「一峰~三峰 すごく良かった」と言ってました

同じ気持ちです
逆コースだと また 雰囲気が番うようですが
岩場もしっかりとしたホールドがあり
本当に楽しめる所でしたし、その勇姿心奪われるほど魅力に溢れていました

K様が今度、同じところに立ち
お写真を撮られる姿 楽しみにしております
どんな姿を撮って下さるのか…
きっと魅力をしっかりとキャッチされるのでしょう♪
想像すると楽しみでなりません♪


>体調不良の中
重いリュックを背負いながら よく頑張られたものです
ご心配をお掛けいたします
優しいお言葉身に沁みて 嬉しく思います
本当にいたわりのコメントを頂けて 幸せ者です

いつも暖かなコメントありがとうございます
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