双六小屋キャンプ指定地と双六池
双六岳のご来光に感激しながら 双六小屋に戻った つづきからです
今日もお天気に恵まれそうな予感
お天道様が微笑む間に、出発です
早々に撤収をします
まだ、乾ききれていないテントを撤収するのに
然程時間はかかりませんが
周りの景色を見る時間が長く…ついつい手を止めてしまいます
双六小屋キャンプ指定地 双六池周辺のお花畑
コバイケソウのお花畑の向こうから 笠ヶ岳がちょこっと顔を出しています
早くお出でよ~♪
澄んだお空に誘われて
心も軽く…目指すは笠ヶ岳! 楽しみです
稜線もはっきりと見えます
登山道もくっきりと見えます
お花も朝の光を一杯浴びて 元気にご挨拶です
ヤマハハコ カラマツソウ
カニコウモリ? ハクサンフロウ
アオノツガザクラ イワカガミ
双六小屋と鷲羽岳 その後ろは水晶岳
振り返ると…
雲ひとつない青いキャンパスに
山という字を描くように 鎮座したお山…鷲羽岳をバックに
双六小屋が 見送ってくれます
その後ろに見える水晶岳…
いつか裏銀…縦走しに戻ってきますね…♪
密かに心の中で約束をしてしまいます
いつでもいらっしゃい
待ってるわ…
そんな声が聞こえてきそうです
鷲羽岳と水晶岳…
いつか裏を縦走してみたいです
オヤマリンドウ
めったに開花しないといわれるオヤマリンドウの花が、開きかけています
お天道様の陽気に誘われて、覗き見しているのでしょうか?
うふふ♪ 何かいい事ありそうです
お空が元気だと
こちらも元気!元気!
稜線歩きも 楽しいものです♪
ただ…荷物がもう少し軽ければ…
穂高連峰を見ながら 稜線をゆっくりと歩きます
遠くに先の旅人も 演出されたものの一つとして、風景に同化されているような…
稜線の道が 歩きやすい
昨日の、川のようになっていた道が 嘘のようです…
鏡平が眼下に見えます
今日なら、鏡池の水面を飾る 槍ヶ岳や穂高連峰を楽しめるのでしょうに…
残念ながら 今日は違う方向へと進まなければなりません…
はるか昔に 噴火したことがあるのでしょうね…
ここもまた、活火山の所…
今は深い眠りに入っていますが
この地層がそれを物語っています
花見平
花見平から見る槍ヶ岳・穂高連峰
ガスと雨の中で 視界を閉ざされた昨日と違い
全貌を露わにした花見平…
ここが稜線上などとは思えません
遠くに槍・穂高の稜線を見ながら 砂漠のような大地を感じる道を歩きます
そして道は弓折乗越に着きます
弓折乗越
昨日は…心折乗越と言っていた同じ所とは思えません
目の前に槍・穂高連峰を携えて 稜線を進んで行く 気持ちの良さ…!
しんどいはずなのに 景色に騙されて…癒されて…
縦走の醍醐味を味わうべく 足は止まることなく前に出ます
ハイマツの間をゆっくりと登って行きます
弓折分岐に出ますが ここから1分ほどの所に 弓折岳山頂があります
その頂に延びる道を横目に
笠ヶ岳を目指して ここから一気に下る尾根道を進みます
ミヤマリンドウ ヒナコゴメグサ
稜線沿いの道の脇で
眩しそうにお空を見上げるお花たち
昨日と違い なんと生き生きとしたお姿なのでしょう♪
一気に下ると少しざれた広場の様なコルに出ます
大ノマ乗越
さて…ここから大ノマ岳への長い登りとなります
その登りは思いの外急です
次第に無言となります
ハイマツと その間で咲くお花が唯一 慰めとなります
ミヤマダイコンソウ
汗が吹き出し
呼吸が乱れ
滴り落ちた汗が 地に吸われ
私の気力も 落ちそうな時
揺れるお花の姿が 応援してくれます
ガンバ!ガンバ!
こんな よい条件の日に バテテなるものですか!
自分を励ましながら登ります
怪しげなガスが現れます
しかし、悪戯に何かをする…というものではなく
視界の中で蠢く白い幕の様な存在で、 時々 付き纏うだけです
朝の静かな空気を割るように
ヘリコプターの音が近づいてきます
後で知った事ですが
この日 この時間帯ぐらいに、滑落事故があったとか…
その為だったのでしょうか
パトロールするかのように旋回するヘリを見かけます
頭上でヘリコプターの音を 時々聞きながら
北アルプスの中心的存在の槍・穂高を常に傍に感じ
地面を飾るお花を愛でて くじけそうになる自分を励まし
長い尾根道を歩きます
コバイケソウ コイワカガミ
ハクサンイチゲ ミツバオウレン
ミヤマリンドウ ヒナコゴメグサ
わぁ~♪ 見えてきましよ~♪
あそこを登れば 大ノマ岳ですね~♪
大ノマ岳で 少し休もうか
ええ…
あそこを登れは 休憩タイム♪
もう少し!
もう少し!
大ノマ岳の頂を目指して 最後の急登を登ります
着きました~!
…
…???
でも、チチの様子が少しおかしい…
地図を片手に、周りを確認しています…
…と
チチの後ろで休憩をされている 先の登山者が…
ここは大ノマ岳ではないよ 小ピークですよ
…
…(・・;
やはり…
チチは、地図と照らし合わせていて、大ノマ岳ではなく
通り過ぎてしまっている事に気づいて 困惑していたようです
地図上では 大ノマ岳は稜線沿いにあるはずですが…
大ノマ岳への道は気付かなかったのか…分岐はなかったように思います
あれが大ノマ岳になるな…
小ピークから来たルートを見直してチチが言います
指を差して教えてくれますが
私にはどのあたりが頂きになるのか はっきりとは分かりません…
頂があったとしても 確かに通ってきたと思いますが
標識らしきものも なかったような…
きっと見落としてしまっているのでしょう
少しばかし、通りすぎましたが ここを頂点として 休憩をとります
後から登ってこられた方も
同じように、ここを大ノマ岳と思っていたようで
違う事に気づいて 愕然とされておられました
お互い、顔を見合わせて 大笑いしてしまいました♪
さて… ここからも見える 秩父平
いざ… 参りましょう…って
また下りです…
しかも一部切り立った斜面を通過しなければなりません
御用心! 御用心!
切り立った所でも、お花は 健気に咲いております
タカネニガナ ミツバオウレン
秩父平と秩父岩
ハイマツの稜線の先に見える 秩父岩と秩父平が手招いています
少し身震いをして 足もとに気をつけながら下って行きます
秩父平(カール)と 秩父岩
近づけば それは 迫力をもって目の前に立ちはだかります
圧巻の一言です
お花畑のカールのすそ野は
見事に お花のオンパレード…♪
コバイケソウがすそ野の主のように飾る傍ら
自分の存在を競うように誇示するお花らの舞台裏
さてさて…どのお花が 登山者の目を惹いたのでしょう
コバイケソウ以外の有力候補者は…
エントリーNO.1 ハクサンイチゲ
エントリーNO.2 シナノキンバイ
私はどれも 心奪われましたが…♪
さて…そんな悠長な事は言ってられなくなります
ロープの張った岩場… ザレ場… と言いましょうか
急な斜面を 登らねばなりません
このときは、お花の事など どこかに飛んで行ってしまいました…
秩父岩コル
秩父岩のコルに出ると 自然と休憩を取りたくなります
何も言わずとも、自然にザックの腰ベルトをはずしていました
気持ちがいい~♪
ほんとだね
大丈夫か?
大丈夫よ♪
そんな短い言葉を交わしながら 下ろしたザックの上に腰かけて
暫し景色を楽しみます
ガスが一瞬だけ動いて 槍の頭を見せてくれます
ガスは、槍ヶ岳の先鋭的な山容を鎮座させ悠然とした姿に 情緒を絡ませ
なんとも言えない演出をして 楽しませてくれます
休憩するのに こんなロケーションは贅沢というものでしょう♪
秩父岩からは、ハイマツの中に延びる平坦な道で歩きやすいです
軽いアップダウンはあるものの 稜線歩きを十分に楽しめます
ガスが南側から 生き物のように流れて 稜線を境に二つの世界を作ります
そして、稜線を越えて 視界を遮り
先に見えるはずの笠ヶ岳をかくしてしまいます
抜戸岳分岐
ここは通り過ぎます
笠新道分岐
ここが帰りの道だよ
チチの言葉に 脇にある分岐道に目を向けます
空に向かって伸びる登山道が横から出て見下ろしています
ここを登らなければ帰れないのね…
ため息が漏れてしまいます…
休憩しようか
はい…
ここは分岐だけど 休憩の場でもあるのでしょう
ここに来ると、ほとんどの方がザックを下ろして休まれております
私もその仲間に入れてもらって、ガスの動きを見ながら休憩を取ります
汗でぐっしょり濡れているものの
昨日の雨の中とは違い、休憩をしていても、然程 寒さは感じません
お天気に恵まれている事が 違いの大きさなのですね♪
水分を補給しながら 行く先の稜線を見ます
やはり、笠ヶ岳は ガスの中です…
歩かねば着きません
再び稜線を進みます
抜戸岩
稜線上に 関所のように阻む岩
とうりゃんせ
とうりゃんせ
関所のお札は持ち合わせませんが
笠ヶ岳に行きたい気持ちは沢山持っております
とおりゃんせ
とおりゃんせ
抜戸岩の中は
風の抜け道なのでしょう…
空気も変わり、体を抜けるように吹く風は
火照った体の熱も一緒に連れて行くかのようで ひんやりとしております
「抜戸(ぬけど)」とは“山ことば”で崩壊のある所の意味だそうです
抜戸岩を通り過ぎると
おぉ~~
うっすらとベールに絡められた笠ヶ岳が 出迎えてくれます
最後の登りです…よね…
ハイマツの中に延びる急な道 その先に笠ヶ岳が…
頑張ります!
頑張るしかありません!
もうすぐだから!
ふぁいと~!
頑張りますo(・・;)o
笠ヶ岳テン場
やった~! 着きました~♪
…
…あれ?
テント少ないけど… ここはテン場ですよね…?
受付をしなければならないのですが…笠ヶ岳山荘は…?
あれ…?
…
…
遥か彼方の頭上のコル…あたりに 何か建物らしきものが…ポツリ…と
もしかして、あそこまで行かなければなりませんか…?
ザックを一分一秒でも早くに 下ろしたかった私
テントを張ってからの 受付を考えます
それはチチも同じの様子…
取り敢えず テントを張る場所を見つけて 設営をして
受付をしに 小屋へと向かうことにします
岩のごろつく斜面を登って行きます
ありがたい、ちゃんと教えてくれています…なんて
これが甘かった…
いつも思う事…
お山では、すぐそこ! そこだよ! もう着くよ!と 良く使われます
このすぐそこだという言葉に良くだまされます
それに…
距離感 時間感…絶対おかしい…と思う私です
すぐそこ…
その石の表示から 岩のごろつく急な登りを 約5分以上かけて登らなければ
小屋には辿りつけないのです
石に書かれた
すぐそこ…
できましたら、後5分にしてもらえませんか…?
心折れてしまいました…
漸く山荘が見えます
受付をするだけではありません
おトイレも、ここにしかありません…
テン場から ここまで…
今回2度目… 心折れました…
双六岳山荘の中
心折れた私は テント場に戻る気持ちも萎えてしまい
受付を終えた後、昼食を 山荘で戴く事にしました
一杯のラーメン
こんな美味しいラーメン初めて!
そう云わしめるのは…山ならではなのでしょうか(^m^
お腹も膨らんだところで 力が復活してきます!
萎えた心が ムクムク起き上がります
時間はまだあります お昼過ぎたとはいえ 2時!
小屋の横から 笠ヶ岳山頂を目指す事にします
構成する流紋岩類の山肌
登りは、急です!
再び汗が噴き出します
着いた!
…と思ったら…
ここは山頂であって 山頂ではありません
祠
槍ヶ岳を開山した播隆上人と村人らが、
道標の石仏と山頂に奉納するための仏像を持ち 登頂して 安置したといわれます
ただ三角点は少し離れた所にあります
もう少し先の三角点周辺は 人々でにぎわっております
笠ヶ岳の山頂は その所を指しているようです
笠ヶ岳からの風景
雲が少し多いのですが…
左側から 野口五郎岳を始め 唐沢岳、燕岳
槍ヶ岳、大喰岳、中岳、南岳、穂高連峰が連なって見え
北アルプス主峰を一望できます
暫し景色を堪能するように腰を据えて休みます…が
このお天気…
まだ乾き切れていないものを乾かしたい…
…という事で
後ろ髪引かれる思いで サッサとテント場へ下って行く事にします
山荘への下り
山荘に立ち寄って 必ず、おトイレお借りします
これが本日最終のおトイレになります…
テン場からここまで上がってくるのは…
我慢する方を選びます…
テント場への下り
下るとなると早いです
早々に下ると、テント周りは 物干し場と変わります
水場は5分ほど下ったところにあり、
水も確保すると 今宵は早々に就寝する事にします
何事も、おトイレ 自粛の為…
疲れた体は すぐに睡魔の虜となり
深い 深い眠りの世界へと 引き込まれていきました
年を重ねると
体も正直になるものです
昔ならあり得ないほど、疲れは溜まっているようです
約12時間 眠る事が出来るなんて…
確かに トイレ場までの移動を考えると我慢してしまいがちですが
やはり疲れが 休むように自然仕向けていたのでしょう…
それでも、双六岳、笠ヶ岳…十分すぎるほどの感動を下さいました
お花もまだ、一杯咲いており
充実した夏山でした
雨の出発日では 心折れて 帰ろうと考えていましたが
登ってみれば、あのまま帰っていたら後悔する事になっていたでしょう
お山のお天気は本当に分かりにく…
後はその時の判断とカンなのでしょう
ともかく、充実した夏山を送れた事に感謝しております
笠ヶ岳山荘
営業期間 6月25日~10月15日
予約 4人以上予約希望 10人以上要予約
収容人数 100人
料金 1泊2食9600円/素泊り6600円
個室 基本大部屋利用
テント場 有/25張、岩地、
一人800円、 山荘から5分、水場まで10分
備考 水はほとんど雨水利用。
山荘の雰囲気は最高に良いです
中も綺麗ですし、景色にも恵まれております
水不足の時は、テント場まで水を汲みに行かなければならない事もあるそうですが
飲み水としての確保はされているように思います
ただ…テント場は おトイレが辛いです
今度、笠ヶ岳を訪れる時は
ここだけは、小屋泊まりにしたいと思うほどに…
スタッフの対応も良くて 満足させていただきました♪
本当に同じ時期の笠ヶ岳を歩いたなんて
これも縁というものでしょうか
私も、錫杖様のブログで、一緒に歩いている気分を味わわせて頂いております
ほんの少し日がずれただけでも
お山の様子は違ってくるものですね
こちらこそありがとうございます
コメントもありがとうございます♪
ラーメンを見にやってきましたよ。
ほんと美味しそうな醤油ラーメン
それと天気がよければ秩父平経由で鏡平小屋にて槍を見て新穂に帰る予定でした。
同じ時期に歩かれたブログ拝見し、歩いた気分になりました。
ありがとうございます。
長文を最後まで読んでいただき
とてもうれしく思います
この山歩き 深い感動の思い出の一つになりました
コメントありがとうございます♪
楽しく読ませていただきました
最後まで、長い紀行文を読んでくださって
本当にうれしく思います
なぜか纏められずに だらだらと長くなってしまいますが
本当に興奮するほどの景色に恵まれ
あれも、これも…になってしまいました…(笑)
高山に咲くお花は
背は低くとも
本当に厳しい環境で咲くだけあって
どれも綺麗に自分を見せているように思います
私もミヤマダイコンソウは好きです
でも、時期的に終わりかけているように思いました…
アルプスの山々を一望できる
醍醐味は本当に目に焼き付いて取れません
スケールは本当に大きいですね
でも・・・ 個人的に思う事は
九州のお山も 山容深く、壮大な姿を見せるお山ありますよね
久住山はその一つで、いつもアルプスの縮小版だけど
壮大な山並みの姿は 圧巻だと思っております
それぞれにその趣をもって楽しませてもられるのが
山歩きなのかもしれません
感謝感謝の一言です
最後までお付き合いありがとうございます
そして コメントも、心から嬉しく思います
ありがとうございました(^^)
凄い大作の登山紀行文で
一気に読ませていただきましたが
山の景色は
九州では味わう事のできないスケールの大きさ
感動を覚えます
ガスの合間にみえる槍ヶ岳
神の降臨を思わせるような光景ですね
お花も
自分は ミヤマダイコンソウがお気に入りですが
ハクサンイチゲ &
シナノキンバイ も好いですね魅かれるお花です
笠ヶ岳からの風景
>北アルプス主峰を一望できます
写真を拝見して
素晴らし展望ですね
もう言葉も有りません
>深い 深い眠りの世界へと 引き込まれていきました
眠ってしまうのがもったいない気もしますが
ゆっくり休んで下さい
お疲れ様でした
楽しませていただきました\(^o^)/