2016年5月1日 奥秩父 瑞牆山 2230.2m
金峰山を登り終えてからの つづきです
金峰山1 金峰山2 ←こちらをクリックして下さると戻ります
二日目は お隣の瑞牆山に登る事にしていました
しかし…前日からの体調不良が 中々回復しない状態でした…
一晩休めば 高度循環も出来ていると 思っておりましたが…
前夜の 突然のアレルギー反応…
どうしたものかと考えながら迎えた朝でした…
瑞牆山
「みずがき」とは「神がみの囲い」の意味で、人々は神が宿る山として敬っているそうです
瑞牆山(みずがきやま)は山梨県北杜市(旧北巨摩郡須玉町)にある
標高2,230mの山で、奥秩父の山域の主脈の一つ。
旧須玉町域の最北部にあたる。日本百名山のひとつ。
≪ヤマレコより≫
薄曇りのすっきりしない朝…
天気が良いのか悪いのか…
ただ…静かに開けていくテン場も
鳥のさえずりを遠くに
人の蠢く気配で目覚めます
悪夢の様なアレルギー症状を何とか抑え
一晩過ごせたものの…
寝起きは最悪でした…
昨日より 体調が悪い…
それが目覚めの実感です…内心
チチだけでも 登って貰おうかしら…
弱気の自分が そこに おりました…
食欲は殆んどありません…
昨日も 何を食べたのか 覚えていないほど…
取りあえず、ゆっくり体を動かして
テントの外に出て、深呼吸をします…
不思議と鼻詰まりが治まっています
空気を一杯吸い込める事が
こんなに幸せな事だったのでしょか…
天場の周辺には
マルバタケブキの小さな芽吹きが
地面から顔を出して
小さな葉を広げ始めています
頑張っているのですね
踏まれてもまだ 葉を広げ
芽吹こうとしているのですね
私も頑張らねば…
朝の澄んだ空気に包まれていると
少しづつ身体が動き出すのを感じます
迷いながらも
自然と登る準備を始めようとする
もう一人の自分がおりました…
コースタイム
5:45 富士見平テン場 → 6:07 瑞牆山・八丁平分岐 → 6:17 桃太郎岩 → 7:25 大ヤスリ岩 7:30 → 7:50 弘法岩(黒森分岐) → 8:00 瑞牆山 2230m 8:19 → 9:05 桃太郎岩⇒天鳥川 9:12 → 9:35 富士見平テン場 10:40 → 11:10 瑞牆山荘駐車場
金峰山・瑞牆山 コース状況
登山ポストは瑞牆山荘前の登山口に有りました
瑞牆山荘~富士見平小屋
整備された道で危険箇所は有りません。
富士見平小屋~金峰山
大日小屋まではごく普通の登山道ですが、大日岩手前にくさり場があります。
今回は砂払ノ頭手前が凍結していて簡易アイゼンをワンポイントで使いました。
アイゼンを着けないで登り降りをしている方を見かけましたが、非常に危なっかしそうでした。
千代ノ吹上以降も少し凍結していましたが、斜度が無いのでアイゼンは着けませんでした。
富士見平小屋~瑞牆山
天鳥川を渡ってから本格的に登山が始まり、くさり場や岩場があります。
肩迄上がると少し凍結していましたが、問題なく歩けました。
立ち寄りの湯: 増富の湯 大人一人 820円
★富士見平小屋で割引券を頂くと 大人一人 770円です
瑞牆山への入口は
金峰山とは反対の富士見小屋の左側の道から入ります
迷いながらも 登りたい気持ちもあって
行けるところまで行く事にします
小屋の壁に マジックで書かれてある
地ビールの広告が目に留まります
それを、横目に見ながら 絶対飲むぞ!
密かに 自分への御褒美を決めて出発です
しばらく木の根の張った山道を登って行きます
最初は 私の気持ちを表した様な スッキリしない空ですが
時折小鳥の囀りがする 静かな朝の空気に包まれ
心落ち着く雰囲気に のんびりと歩を進めます
しかし、お日様があがるにつれ
日差しも樹林の中まで届き出すと
にわかに 森の覚醒が始まりだします
それでも、深い谷間の陰になると
ヒンヤリとした空気が 心地よく絡んできます
樹林の間から 瑞牆山が覗けます
目指すお山の何と勇ましい事でしょう
岩山の姿に見惚れてしまいます
道は谷間に向かって下って行きます
登るのに…なぜ下る…
そんな事を思いながらも
谷底まで降る勢いで下ります
瑞牆山・八丁平分岐
道は緩やかになり 分岐に出ます
八丁平経由の小川山への分岐でもありますが
今回は小川山へは向かいません
そのまま道なりに進んで行きます
分岐を越えると ここから 一気に
天鳥川の出合まで下って行きます
急な坂を滑らない様に どんどん下って行きます
谷沿いの急な坂を下って行く事約10分弱
水の流れを耳にすると
そこは天鳥川の出合いのようです
標識
天鳥川出合
澄んだ冷たい水が絶え間なく流れ
せせらぎの音が心地よく聞こえます
小さな渡渉をして 標識に従って進めば
休憩所に良い平坦な所に出ます
ベンチもあり、本当に休憩出来そうですが
ここでは休憩をせずに 先に見える巨岩へと向かいます
さて…
ここから 本格的な谷沿いの 急な登りとなって行きます
歩き始めて30分ほどすれば 身体が慣れてくるはずなのに
まだ重く 特に下肢の筋肉疲労が半端なく 残った感じ…
身体に力が入りません…
それでも この時はまだ
足が止まる事はありませんでした
桃太郎岩
桃太郎伝説は各地にありますが
ここも弘法伝説のほかに 桃太郎伝説も隠されているのでしょうか?
桃が二つに割れた感じから
そう呼ばれるようになったのでしょうか…?
伝説を調べてみると面白いかもです
その大岩の右横に
階段があり、その階段を登って行きます
→ →
道は 決して軟な道ではありません
谷沿いの 大岩のごろつく急な坂道です
トラロープ、クサリ はたまた 階段付きの
ちょっとハードな登りが続きます
しかし…いつまで経っても ペースが上がりません
相変わらず 身体が鉛の様に重く
虚脱と筋肉疲労から 回復しません
何度もチチの背中を見ながら
チチだけ登って貰う事を切りだそうかと考えてしまいます
道は容赦なく 急な斜面のままです
本来なら 登るモードになって
遅いながらも自分のペースで登って行けように
なっていなければならないのに
いつまでたっても 身体は鉛のまま…
汗も 余り掻きません…
身体が冷たくなっています…
この頃から 何度も足が止まります…
クサリ場になると 緊張しながらも
何とか越える事はできますが 越えると
急に虚脱に襲われ また 足が止まります
こんな感じで なかなか前には進めず
チチの足を引っ張ってしまいます…
チチは、私のペースに合わせて
かなりゆっくりと歩いてくれていますが
私自身…
頂上まで辿りつける自信を 失い始めています
とうとう座り込んで チチに声を掛けます
先に登って…
初めて、弱音を吐きます
だったら 下ろう…
えっ…
ここは一度 登っているからいいよ
一緒に登れないのなら 帰ろう
チチの言葉に 暫し、呼吸を整えながら考えます…
昨日…金峰山から覗く瑞牆山を見て
登りたいな~
明るく そう呟いたチチの声が耳の奥で蘇ります
ここまで来て…
なぜか 身体が動き出します
もう少し頑張ってみましょう…
時間はまだ十分すぎるほどあるのですから…
クサリ場を越えてから
今度はチチが後ろを歩く形になります
自分のペースでいいから
ゆっくり歩きなさい
はい…
ありがとう…
小さな岩のトンネルの通路…
チチ~通れる?
大丈夫 通れるよ
良い子は通れるんだよ~
えっ…?
此処はね…悪い子は 通れないんだよ…
良かったね…通れて!
意味ありげに言うチチの顔が
悪戯っ子の様になっていました…
緊張と緩和♪
チチなりの思いやりのジョークのようです(^m^
大ヤスリ岩の基部
迫力のある大岩が前方に立ちふさがります
それを巻く様に登って行きますが
チチが懐かしそうに見上げています
ここは フリーで登るんだよ…
昔 この壁を仲間と登っていたのでしょう
懐かしげに 当時の事を話しだします
その話を聞きながら
岩の急登を 休み休み登って行きます
そう言えば…
何人の人に追い越されていった事でしょう…
それでも 諦めることなく
登る自分が まだ おりました…
行けども 行けども樹林の中の
岩のごろつく急登が続きます
見上げると 絶望感に襲われそうになります…
そんな時 チチが
ほら!スカイラインが見えてきたよ
あの岩を回り込むと頂上だよ
励ますように声をかけてくれます
その言葉を聞いて
見える微かなスカイラインに希望を持ちます
黒森分岐
黒森分岐に出て 弘法岩を巻く様に進みます
道は一旦平坦になり 薄暗いそこには 残雪が残っていました
日陰の身の 冬の忘れ物…
空気がヒンヤリと絡むはずです…
岩にへばりつく氷柱が 一層 寒さを感じさせます
ツララ
巻くように進んだ道の先は
大きな岩壁で阻みます
垂れた鎖が…憎らしい…
最後のクサリ場
それでも登らねば 辿り着けません…
冷たい岩肌に手を置けば
凍った感触が 伝わります…
岩のクラック部分に体を入れて グイッと踏みあげます
しっかりとした岩が 体を支え
登る事が出来るようです
最後の梯子
梯子の手助けを頂いて 登っていきます
希望の光が樹林の切れ間に…
このスカイラインこそ…
視界が一気に開き
青い空と白い雲が目に飛び込んできます
瑞牆山 2230m 展望盤
瑞牆山山頂に立つことができました
風も喜んで?吹き荒れています
ヨロめきながらも 岩のてっぺんへと進みます
大ヤスリ岩
鋸岩
金峰山
春霞とはいえ 何とも言えない 見事な展望のお土産
強い風と一緒に 疲れもどこかに吹っ飛んでしまいそうでした
ただ、
油断すると吹き飛ばされそうなほど強い風に煽られ
標識にしがみ付く人もおられます…
だけど この風と対面して ぶつかり合っているうちに
身体が軽くなっていくような錯覚を覚えるのは
私だけでしょうか?
ただ まともに風を受けていたら
本当に飛ばされそうになりますので
少し下った樹林の縁の陰に身を沈めて
暫し休憩を取ってから下山する事にします
体調も少し回復しつつあるのでしょうか
喉を通らなかった行動食も
自然と口に運ぶと
抵抗なく 喉を通っていくようになりました
鋭気を頂いた気持ちで 下っていきます
チチの背中を見ながら
どんどん下っていきます
下りとなると 気持ちも違います
一気に下って行きます
急な下りも何のその
下りとなると 今までとは違い
足どりも多少なりとも軽く感じます♪
桃太郎岩の階段 休憩所
休憩所を通り越して 少し下ったところの
天鳥川出合で休みを取る事にします
岩の上のオブジェ
また一つ 増えています…
澄んだ水が鏡のように
底まで写しだして 自然の美と力を湛えます
自然から力を頂いて
もうひと踏ん張りです
降りてきた道は 登らねばなりません
急な坂道も 帰るためのもの
ファイト~でございます~♪
最後の急な登り 富士見平
来た道をひたすら歩きます
そして…富士見平の小屋が見えてきました
漸く目的のお山 二座終了です
勝手に作った私への
ご褒美が待っています♪
ご褒美の 鹿のソーセージ三種盛と地ビール
小屋の前のテラスで頂きます
チーズと小松菜とイカ墨でアレンジされたソーセージは絶品で
あっさり地ビールとも相性ばっちり♪
地ビールの なんと咽喉越しの良い事でしょう
五臓六腑まで沁み渡ります♪
今日は残念な事に 富士山の休館日
閉店されていて、お姿を見ながらの御馳走とはいきませんでした
それでも 自分なりに頑張ったご褒美
堪能させて頂きました♪
少し休憩をした後 撤収します
地ビール2種類を購入して ザックに入れて
さて帰りましょう♪
100選の水場 さようなら~ →
急な坂道 さようなら~ →
穏やかな樹林帯 さようなら~
漸く見えてきました 登山口!
ただいま~♪
所狭しと停めてある車が 登山者の人数を想像させます
帰り着くと安堵の気持ちで 心が解けていきます
早く汗を流して…
ゆっくりしながら…
次に登るお山の事を考えてしまう ゲンキンな私…
あれほど辛かった時の事
他人事のように感じています
だって…下ってしまえば、
頭痛もめまいも消えていますから…
いつも思う事
すぐには順応しない身体だけど
お山には行って三日目あたりから
俄然 元気になる傾向が…
なによりも、今回は きっと
湧水と地ビールと鹿のソーセージが
私に活気を取り戻してくれたのでしょう♪
今回は…年度初の2000メートル級のお山
夏山にかけての準備登山♪
次はどこに参りましょう~♪
呆れ顔のチチも、さっさと支度をして
次への準備を始めていました
金峰山を登り終えてからの つづきです
金峰山1 金峰山2 ←こちらをクリックして下さると戻ります
二日目は お隣の瑞牆山に登る事にしていました
しかし…前日からの体調不良が 中々回復しない状態でした…
一晩休めば 高度循環も出来ていると 思っておりましたが…
前夜の 突然のアレルギー反応…
どうしたものかと考えながら迎えた朝でした…
瑞牆山
「みずがき」とは「神がみの囲い」の意味で、人々は神が宿る山として敬っているそうです
瑞牆山(みずがきやま)は山梨県北杜市(旧北巨摩郡須玉町)にある
標高2,230mの山で、奥秩父の山域の主脈の一つ。
旧須玉町域の最北部にあたる。日本百名山のひとつ。
≪ヤマレコより≫
薄曇りのすっきりしない朝…
天気が良いのか悪いのか…
ただ…静かに開けていくテン場も
鳥のさえずりを遠くに
人の蠢く気配で目覚めます
悪夢の様なアレルギー症状を何とか抑え
一晩過ごせたものの…
寝起きは最悪でした…
昨日より 体調が悪い…
それが目覚めの実感です…内心
チチだけでも 登って貰おうかしら…
弱気の自分が そこに おりました…
食欲は殆んどありません…
昨日も 何を食べたのか 覚えていないほど…
取りあえず、ゆっくり体を動かして
テントの外に出て、深呼吸をします…
不思議と鼻詰まりが治まっています
空気を一杯吸い込める事が
こんなに幸せな事だったのでしょか…
天場の周辺には
マルバタケブキの小さな芽吹きが
地面から顔を出して
小さな葉を広げ始めています
頑張っているのですね
踏まれてもまだ 葉を広げ
芽吹こうとしているのですね
私も頑張らねば…
朝の澄んだ空気に包まれていると
少しづつ身体が動き出すのを感じます
迷いながらも
自然と登る準備を始めようとする
もう一人の自分がおりました…
コースタイム
5:45 富士見平テン場 → 6:07 瑞牆山・八丁平分岐 → 6:17 桃太郎岩 → 7:25 大ヤスリ岩 7:30 → 7:50 弘法岩(黒森分岐) → 8:00 瑞牆山 2230m 8:19 → 9:05 桃太郎岩⇒天鳥川 9:12 → 9:35 富士見平テン場 10:40 → 11:10 瑞牆山荘駐車場
金峰山・瑞牆山 コース状況
登山ポストは瑞牆山荘前の登山口に有りました
瑞牆山荘~富士見平小屋
整備された道で危険箇所は有りません。
富士見平小屋~金峰山
大日小屋まではごく普通の登山道ですが、大日岩手前にくさり場があります。
今回は砂払ノ頭手前が凍結していて簡易アイゼンをワンポイントで使いました。
アイゼンを着けないで登り降りをしている方を見かけましたが、非常に危なっかしそうでした。
千代ノ吹上以降も少し凍結していましたが、斜度が無いのでアイゼンは着けませんでした。
富士見平小屋~瑞牆山
天鳥川を渡ってから本格的に登山が始まり、くさり場や岩場があります。
肩迄上がると少し凍結していましたが、問題なく歩けました。
立ち寄りの湯: 増富の湯 大人一人 820円
★富士見平小屋で割引券を頂くと 大人一人 770円です
瑞牆山への入口は
金峰山とは反対の富士見小屋の左側の道から入ります
迷いながらも 登りたい気持ちもあって
行けるところまで行く事にします
小屋の壁に マジックで書かれてある
地ビールの広告が目に留まります
それを、横目に見ながら 絶対飲むぞ!
密かに 自分への御褒美を決めて出発です
しばらく木の根の張った山道を登って行きます
最初は 私の気持ちを表した様な スッキリしない空ですが
時折小鳥の囀りがする 静かな朝の空気に包まれ
心落ち着く雰囲気に のんびりと歩を進めます
しかし、お日様があがるにつれ
日差しも樹林の中まで届き出すと
にわかに 森の覚醒が始まりだします
それでも、深い谷間の陰になると
ヒンヤリとした空気が 心地よく絡んできます
樹林の間から 瑞牆山が覗けます
目指すお山の何と勇ましい事でしょう
岩山の姿に見惚れてしまいます
道は谷間に向かって下って行きます
登るのに…なぜ下る…
そんな事を思いながらも
谷底まで降る勢いで下ります
瑞牆山・八丁平分岐
道は緩やかになり 分岐に出ます
八丁平経由の小川山への分岐でもありますが
今回は小川山へは向かいません
そのまま道なりに進んで行きます
分岐を越えると ここから 一気に
天鳥川の出合まで下って行きます
急な坂を滑らない様に どんどん下って行きます
谷沿いの急な坂を下って行く事約10分弱
水の流れを耳にすると
そこは天鳥川の出合いのようです
標識
天鳥川出合
澄んだ冷たい水が絶え間なく流れ
せせらぎの音が心地よく聞こえます
小さな渡渉をして 標識に従って進めば
休憩所に良い平坦な所に出ます
ベンチもあり、本当に休憩出来そうですが
ここでは休憩をせずに 先に見える巨岩へと向かいます
さて…
ここから 本格的な谷沿いの 急な登りとなって行きます
歩き始めて30分ほどすれば 身体が慣れてくるはずなのに
まだ重く 特に下肢の筋肉疲労が半端なく 残った感じ…
身体に力が入りません…
それでも この時はまだ
足が止まる事はありませんでした
桃太郎岩
桃太郎伝説は各地にありますが
ここも弘法伝説のほかに 桃太郎伝説も隠されているのでしょうか?
桃が二つに割れた感じから
そう呼ばれるようになったのでしょうか…?
伝説を調べてみると面白いかもです
その大岩の右横に
階段があり、その階段を登って行きます
→ →
道は 決して軟な道ではありません
谷沿いの 大岩のごろつく急な坂道です
トラロープ、クサリ はたまた 階段付きの
ちょっとハードな登りが続きます
しかし…いつまで経っても ペースが上がりません
相変わらず 身体が鉛の様に重く
虚脱と筋肉疲労から 回復しません
何度もチチの背中を見ながら
チチだけ登って貰う事を切りだそうかと考えてしまいます
道は容赦なく 急な斜面のままです
本来なら 登るモードになって
遅いながらも自分のペースで登って行けように
なっていなければならないのに
いつまでたっても 身体は鉛のまま…
汗も 余り掻きません…
身体が冷たくなっています…
この頃から 何度も足が止まります…
クサリ場になると 緊張しながらも
何とか越える事はできますが 越えると
急に虚脱に襲われ また 足が止まります
こんな感じで なかなか前には進めず
チチの足を引っ張ってしまいます…
チチは、私のペースに合わせて
かなりゆっくりと歩いてくれていますが
私自身…
頂上まで辿りつける自信を 失い始めています
とうとう座り込んで チチに声を掛けます
先に登って…
初めて、弱音を吐きます
だったら 下ろう…
えっ…
ここは一度 登っているからいいよ
一緒に登れないのなら 帰ろう
チチの言葉に 暫し、呼吸を整えながら考えます…
昨日…金峰山から覗く瑞牆山を見て
登りたいな~
明るく そう呟いたチチの声が耳の奥で蘇ります
ここまで来て…
なぜか 身体が動き出します
もう少し頑張ってみましょう…
時間はまだ十分すぎるほどあるのですから…
クサリ場を越えてから
今度はチチが後ろを歩く形になります
自分のペースでいいから
ゆっくり歩きなさい
はい…
ありがとう…
小さな岩のトンネルの通路…
チチ~通れる?
大丈夫 通れるよ
良い子は通れるんだよ~
えっ…?
此処はね…悪い子は 通れないんだよ…
良かったね…通れて!
意味ありげに言うチチの顔が
悪戯っ子の様になっていました…
緊張と緩和♪
チチなりの思いやりのジョークのようです(^m^
大ヤスリ岩の基部
迫力のある大岩が前方に立ちふさがります
それを巻く様に登って行きますが
チチが懐かしそうに見上げています
ここは フリーで登るんだよ…
昔 この壁を仲間と登っていたのでしょう
懐かしげに 当時の事を話しだします
その話を聞きながら
岩の急登を 休み休み登って行きます
そう言えば…
何人の人に追い越されていった事でしょう…
それでも 諦めることなく
登る自分が まだ おりました…
行けども 行けども樹林の中の
岩のごろつく急登が続きます
見上げると 絶望感に襲われそうになります…
そんな時 チチが
ほら!スカイラインが見えてきたよ
あの岩を回り込むと頂上だよ
励ますように声をかけてくれます
その言葉を聞いて
見える微かなスカイラインに希望を持ちます
黒森分岐
黒森分岐に出て 弘法岩を巻く様に進みます
道は一旦平坦になり 薄暗いそこには 残雪が残っていました
日陰の身の 冬の忘れ物…
空気がヒンヤリと絡むはずです…
岩にへばりつく氷柱が 一層 寒さを感じさせます
ツララ
巻くように進んだ道の先は
大きな岩壁で阻みます
垂れた鎖が…憎らしい…
最後のクサリ場
それでも登らねば 辿り着けません…
冷たい岩肌に手を置けば
凍った感触が 伝わります…
岩のクラック部分に体を入れて グイッと踏みあげます
しっかりとした岩が 体を支え
登る事が出来るようです
最後の梯子
梯子の手助けを頂いて 登っていきます
希望の光が樹林の切れ間に…
このスカイラインこそ…
視界が一気に開き
青い空と白い雲が目に飛び込んできます
瑞牆山 2230m 展望盤
瑞牆山山頂に立つことができました
風も喜んで?吹き荒れています
ヨロめきながらも 岩のてっぺんへと進みます
大ヤスリ岩
鋸岩
金峰山
春霞とはいえ 何とも言えない 見事な展望のお土産
強い風と一緒に 疲れもどこかに吹っ飛んでしまいそうでした
ただ、
油断すると吹き飛ばされそうなほど強い風に煽られ
標識にしがみ付く人もおられます…
だけど この風と対面して ぶつかり合っているうちに
身体が軽くなっていくような錯覚を覚えるのは
私だけでしょうか?
ただ まともに風を受けていたら
本当に飛ばされそうになりますので
少し下った樹林の縁の陰に身を沈めて
暫し休憩を取ってから下山する事にします
体調も少し回復しつつあるのでしょうか
喉を通らなかった行動食も
自然と口に運ぶと
抵抗なく 喉を通っていくようになりました
鋭気を頂いた気持ちで 下っていきます
チチの背中を見ながら
どんどん下っていきます
下りとなると 気持ちも違います
一気に下って行きます
急な下りも何のその
下りとなると 今までとは違い
足どりも多少なりとも軽く感じます♪
桃太郎岩の階段 休憩所
休憩所を通り越して 少し下ったところの
天鳥川出合で休みを取る事にします
岩の上のオブジェ
また一つ 増えています…
澄んだ水が鏡のように
底まで写しだして 自然の美と力を湛えます
自然から力を頂いて
もうひと踏ん張りです
降りてきた道は 登らねばなりません
急な坂道も 帰るためのもの
ファイト~でございます~♪
最後の急な登り 富士見平
来た道をひたすら歩きます
そして…富士見平の小屋が見えてきました
漸く目的のお山 二座終了です
勝手に作った私への
ご褒美が待っています♪
ご褒美の 鹿のソーセージ三種盛と地ビール
小屋の前のテラスで頂きます
チーズと小松菜とイカ墨でアレンジされたソーセージは絶品で
あっさり地ビールとも相性ばっちり♪
地ビールの なんと咽喉越しの良い事でしょう
五臓六腑まで沁み渡ります♪
今日は残念な事に 富士山の休館日
閉店されていて、お姿を見ながらの御馳走とはいきませんでした
それでも 自分なりに頑張ったご褒美
堪能させて頂きました♪
少し休憩をした後 撤収します
地ビール2種類を購入して ザックに入れて
さて帰りましょう♪
100選の水場 さようなら~ →
急な坂道 さようなら~ →
穏やかな樹林帯 さようなら~
漸く見えてきました 登山口!
ただいま~♪
所狭しと停めてある車が 登山者の人数を想像させます
帰り着くと安堵の気持ちで 心が解けていきます
早く汗を流して…
ゆっくりしながら…
次に登るお山の事を考えてしまう ゲンキンな私…
あれほど辛かった時の事
他人事のように感じています
だって…下ってしまえば、
頭痛もめまいも消えていますから…
いつも思う事
すぐには順応しない身体だけど
お山には行って三日目あたりから
俄然 元気になる傾向が…
なによりも、今回は きっと
湧水と地ビールと鹿のソーセージが
私に活気を取り戻してくれたのでしょう♪
今回は…年度初の2000メートル級のお山
夏山にかけての準備登山♪
次はどこに参りましょう~♪
呆れ顔のチチも、さっさと支度をして
次への準備を始めていました
瑞牆山編 おわり
さて… 次のお山は…?
さて… 次のお山は…?
この山に登ったのは平成5年のやはり5月でした。
(富士見小屋で悲惨な事件が有った頃です)
今、当時のアルバムを見ながらコメントをしてますよ。
桃太郎岩、おんなじだ! (当たり前よね)
違うのは、その脇に有る梯子が、もっとゴツカッタ。
大やすり岩、ここをチチ様はフリーで登られたって?
はやり言葉のビックリポンなんてものでは有りませんね。
・・・桃太郎岩のハシゴを登ると山頂まで岩の角を掴み木で体を支えながら岩の間を縫う急登が続くが山頂直下の大やすり岩の寄峰に今までの疲れが吹き飛ぶ・・・アルバムにはそう記して有ります。
この時、nanekobi さんは、そんなどころでは無かったんですよね。
でも、チチ様の優しさ、素晴らしいではないですか。
ついに山頂まで頑張りましたね、おめでとう!!
本当におめでとう。
そしておビールや鹿のソーセージ、美味しく頂けるまでに
お身体が回復して良かったですね。
ほんとうに辛いのが伝わってきました。
「登るのに、なぜ下る」のフレーズが脳裏に残りながら、
頑張って登られているのを創造しながら拝見させてもらいました。(^^)/
そして、チチさんの優しさ‼
素敵ですね。(^^♪
頂上での素晴らしい青空、下山後の美味しいビール・・・最高の御褒美ですね。
読んで頂けたなんて 何と嬉しい事でしょう♪
>・・・桃太郎岩のハシゴを登ると山頂まで岩の角を掴み木で体を支えながら…
まるで 時を越えて一緒に登っている感覚に襲われました♪
ただ・・・一つ違うのは バテバテの私に 余裕が余り無かったという所でしょうか?
傍でたか様がハエgましの声をかけて下さってたかもですね♪
お陰で 山頂には何とか辿りつく事が出来ました
ありがとうございます~♪
しかし 富士見平小屋の事件…
正直…記憶の端にも無かったので…
調べて ゾッとしました・・・
今では若いきれいな女性の単独者が多いのですが
今は 平和・・・と言うべきものなのでしょうか…
確かに30年前では 女性の単独は珍しく
私も変わり者で通っていた時代ですから・・・
今は 良き時代なのかも…でしょう
ハイ♪ ビールは格別おいしかったですよ♪
今度は、ビール目当てで来ようかと考えるほど♪
今度御一緒 致しませんか♪
素敵なコメントを ありがとうございます♪
たかが2000メートル
されど2000メートル
身体が慣れるまでは 地獄の思える苦行です(笑)
体質的に本当は、山には向いていないのでしょうけど
それに負けては…楽しみが無くなりますから(笑)
ビールは最高でした♪
お勧めのビールですが こちらではこのご時世
ネットでの購入もできず
現地のみでしか手に入りません
そこがまた、いいところですね♪
どんなにしんどくても
やはりお山はいいですよね
歩けるうちは、お山に行き続けたいです♪
コメントをありがとうございます♪
瑞牆山でしたか。体調が思わしくなかったようですが、
山頂の岩の上に立つと素晴らしい眺望が目の前に
拡がって、一気に気分が良くなりますよね。
ここはシャクナゲの時期に上りましたが、貴レポを拝見
し、何と言っても頂上から近くの大ヤスリ岩、前日上ら
れた金峰山、そして西側の八ヶ岳などすこぶる眺望の
良い山であったことを思い出しました。
地ビールとソーセージ、最高のご褒美でしたね。
体調が回復され、良かったですね。
山頂に立つと、そのしんどさもどこかに飛んで行ってしまいます
不思議なものです(笑)
私の体調不良は ただ 高度循環の悪さが原因の様なので
慣れれば大丈夫なのですが
恥ずかしいばかりです
奥秩父特有の雰囲気を楽しむ事が出来た様に思います
まだまだ、登ってみたいお山は沢山あるのですが
限られた日でしか登れないので
1座1座大事に登りたいですね
富士見平小屋の地ビール 最高でした
本当に御褒美ですね 生きている喜びを感じるほどです
ありがとうございます
体調は もう 大丈夫の様です
ご心配をおかけいたしました
いつも コメントをありがとうございます♪