やっぱり本も好き

忘却率がUPしているのでメモとして

何も持たず存在するということ 角田光代 幻戯書房

2009年03月25日 16時09分46秒 | 
へらへらした大人になりたい、大仰さがまるでない
大人に。と帯にあるエッセイ集です。
 「私は父がどんな人間だったのか、今でもよくわからない。
  葬儀のあと、父の友人が一本のテープを持ってきてくれた。
  ーーーーーー酔って歌を歌うような人間だったことも、私は
  知らないのだった。 
  私はきっと、父がどんな男だったのか知らないままだろう。それは彼がもう
  いないからではなくて、だれかと関わるということはそういうことなんじゃ
  ないかと思うのだ。知り得ない人を、その存在も不在もまるごと引き受ける
  ことなのではないかと思うのだ。」
亡くなった人を後から、思い返して、あの人の何もわかってはいなかったと
思うことがよくあります(身内でも)、ので、この文章、何となくわかります。