甘酸っぱい日々

面白くても何ともならない世界で 何とかしようとする人達のために

しずる単独ライブ「風の色を見た」 (20/2/14)

2020-02-14 23:30:00 | 単独ライブ
***
しずる単独ライブ「風の色を見た」
20/2/14 19:30~ @ルミネtheよしもと

OPコント
OPVTR
レコーディング
凶悪犯
ダンスレッスン
銀行強盗
ご注文
特別捜査本部
バッタリ
絵描き
EDロール
ED

***


しずる単独「風の色を見た」に行ってきました。
毎年恒例となった、村上純さん完全作・演出の冬単独。
へりくつやら、偏見やら、性格の悪さやら、メタに振り切れたネタやら(笑)強烈な個性が溢れている。
そんなコントばかり作っているのに、彼の中心を貫いているのはやっぱり人間愛。
こんなにカッコ悪くて泥臭く生きている人達でも、なんだか可愛くて、愛しくて。
そうやって、巷に生きる人々の、小さいけれど大きな物語を、一つ一つ拾い上げて美しく瑞々しく描き出す。
それがまさに、村上純の作品だという何よりの証左なのだと、改めて感じることとなりました。

本当にいいコントばかりだったのですが、やっぱり最後の「絵描き」は、村上さんが大好きなトレンディドラマ感にあふれていて、
だけど扱う題材はくだらなくて本当に素晴らしかったです。
今回の単独では、村上さんの女装しているコントがこの1本しかなくて、そうして絞っていたのも効果的だったように感じられました。
エンディングトークで、池田さんに「どれだけ宮沢りえさんのマネするの?」と言われていた村上さんだったのですが(笑)、
トレンディドラマ感がすごい女性役、大好きです(笑)
これぞ冬単独!と言いたくなるような作品。

また、今回の単独は何だか、過去のコントのセルフオマージュのような側面があるように思えて。
例えば、「レコーディング」で、ピュアな池田さんが村上さんに言いくるめられていく様子は「枠」を彷彿とさせられたし、
「特別捜査本部」は3年前の村上単独の、リッツとルヴァンの系譜を継いでいますよね(笑)
何より「特別捜査本部」は、「ばかばかしいことを真剣に語り合う」「2人とも変な人でツッコミが入らない」という、
それこそ、レッドカーペットで青春コントやってた頃から彼らがやってきたこと。
それが、何年経っても単独ライブで引き継がれてきているというのが、本当にエモーショナルに感じられました。
……セルフオマージュというのは私が勝手に考えていることなので、ご本人の意図がどうだったかはわからないのですが……(笑)
ただ、もし意図していなくても、受け手の私がそう感じさせられるほど、村上さんのコントの核は強固なのだなあということにも萌えるので、
どちらにしても嬉しいです(笑)

そして、しずるというコンビの面白さについて。
OPコントで優しいお兄ちゃん、1本目でピュアな青年の役をやった池田さん。
ところが、2本目の「凶悪犯」では、一転してサイコパスな犯罪者役。
丁寧な語り口なのに狂っているところが素晴らしく、池田さんにこういう役をやらせたら右に出る者はいないですね。
最初の2本のキャラと一気に変わるという落差もあって、本当に見ごたえがありました。
このコントに限らず、今回の単独は本当に池田さんのキャラが、今までより一層際立って光っているように感じられて。
9つあるコントの登場人物、どれ一つとして似通ったものはなくて、それぞれ人物像がかけ離れている。
本当に別の人物がそこに存在しているように思える。
それを全て違和感なく演じ切る、池田さんの実力のすごさを思い知らされます。
そして、そういう池田さんのポテンシャルを当たり前のように引き出している村上さんも、
相方にどういうことをやらせたら輝くのかということを熟知しているのでしょうね。
毎年毎年、冬単独を見るたびに思うのですが、こうやって全く別のタイプなのに、
お互いがお互いのことを本当によく理解していて、唯一無二のパートナーだというところが、しずるのすごいところだなと思います。

最後に、村上純のこだわりから、「ライブ」というものの意義を感じたという話をさせていただきます。
今回の冬単独後も、村上さんが単独で使っていた曲のセットリストをアップしてくれました。こちら
村上単独の楽しみの一つは、この村上さんの選曲でもありますよね。
今回は、今までよりも一層、コントの内容と幕間の曲の内容をリンクさせてきたように思います。
刑事がテーマの「特別捜査本部」のコントでかかっていたのは、Love Somebody。
前のコントと繋がるコントの前に流れたのは、「繰り繰り返す 繰り繰り返す」という歌詞が印象的な、フレデリックのリリリピート。
雷をテーマにしたコントでは、「天気の子」の主題歌、「愛にできることはまだあるかい」。
これが、曲の前にかかるというのがまたいいんですよね。
それが流れている時には、次のコントがどんな内容かわからないので、思い返してみてそのこだわりに気が付くというのが。
その中でも、特に印象的だったのは2本目のコントの上げ囃子。
King Gnuの「白日」が流れ出し、
『時には誰かを 知らず知らずのうちに
 傷つけてしまったり
 失ったりして初めて
 犯した罪を知る』
まで聞いたところで、モニターに青バックに白文字で、コントのタイトルが浮かび上がるんです。
『凶悪犯』
この流れを体感した時、あまりにも感動して心が震えました。
コントタイトルはもちろん、それに合わせてどの曲を選ぶか、どういう魅せ方をするかまで、
本当に細部までこだわってるんだなって、この一瞬で感じられた。
こういう、心震える瞬間に立ち会うために、私はライブに通ってるんだなと改めて。
近年は、芸人さんがYouTubeチャンネルを開設し、ネタをアップすることが当たり前になってきて、
私はこの流れがとても嬉しく、いつでも見られるのはありがたくて。
でもじゃあ、なぜライブに行くのかって言ったら、こういう、
単発のネタ動画を見るだけでは味わえない体感をしに行きたいからなのだなと思います。

このブログがアップされている日時は単独当日になっていますが、日付を操作していますので、
これを実際にアップしている現在は、3月中旬。
新型コロナウイルスの感染拡大防止の政府方針により、ライブイベントの自粛要請があり、
お笑いライブも軒並み中止になってしまっている頃です。
そのため、私にとっては、このしずる単独が、自粛要請前の最後のライブとなってしまいました。
一体いつこの流れが終わるのかわからなくて、本当に不安で心もとない日々を過ごしていますが、
それは客の立場である私よりも、実際にエンタメをお仕事としている、芸人さんやスタッフさん達の方がさらに深刻な問題ですよね。
最近は、生配信や、過去の映像解放などをしてくださっていて、本当にありがたいことなのですが、
でもやっぱり、ライブ体験というのは、替えの利かないものだと思うのです。
自粛前最後に行ったライブで、そういう体験をしたからこそ、その思いを消えずに大切に持ち続けて行きたいと思います。
村上単独、今年も最高でした。


酔い処 福仁 (20/2/6)

2020-02-06 23:30:00 | ライブ感想♪
***
「酔い処 福仁」
20/2/6 19:00~ @ヨシモト∞ドームⅠ
LLR福田、ライス田所
ゲスト:笛田サオリ(さめざめ)
***

今月のゲストは、「さめざめ」の笛田サオリさん。
信念を強く持っていらっしゃって、生き様も言葉もかっこいい。
実体験をもとに曲をお作りになるシンガーソングライターで、
「『友達のことを歌にしました』なんて言うミュージシャンは信用できない」と言っていたのが最高でした(笑)

そもそも、今回出演してくださることになった経緯は、福田さんがミュージシャンの方にお話しを聞いてみたいと思ったから。
けれど、全然知り合いがいないし、ツテもないので、周りで唯一ミュージシャンと交流があるグランジの遠山さんに相談してみたのだそう。
そしたら、遠山さんが、笛田さんがいいんじゃないかと話を通してくださり、快諾してくださって、今回の出演が決まったということのようなのです。
お笑い界とミュージシャンに共通する点や違う点を、笑いを交えつつも真剣に話してくださって、その温度感が合っている感じがすごく良かった。
そして、遠山さんが、福田さんと田所さんにだったら、笛田さんの雰囲気が合うだろうと見極めていらっしゃった、という点にもぐっときてしまいますね。
遠山さんありがとう、次は遊びに来てくださってもいいですからね!(笑)
(福田さんと田所さんに、「なんで遠山さん来ないんだよ!来いよ!」と言われていたので…笑)

興味深いお話はたくさんあったのですが、特に印象的だった部分。
笛田さんは実体験を曲にしていることがほとんどで、感情が高まったときに、曲が降りてくるという感じのことをおっしゃっていて。
それを聞いた福田さんと田所さんは、「芸人にはそんなやついない」(笑)
福田「芸人がネタ書くのは、締め切りに追われたとき」
田所「『もう単独ライブ打っちゃったよー』ってね」(笑)
そんな風に、散々芸人のダメっぷりの話をしていたのですが、その後、
田所「そうやって締め切りを設定するからこそ、書けるっていうのもあるんだけどね」
という感じでおっしゃっていたのが、たまらなく好きだったなあ……。

さらに、曲の作り方について。
笛田さんは、曲を作るときにサビから作るけど、作ってる途中でその歌詞が別の曲に移動したり、
メロディが移動したりして、結果的に3曲生まれた、なんてこともあるそう。
逆に、芸人さんはどうやって作ってるんですか?と、2人にたずねる笛田さん。
すると田所さんは、ライスのネタを書くときは、最初のボケから作ると。
笛田さんが、「じゃあ、Aメロからという感じ?」と言うと、田所さんは「いや、一個目のボケがサビだと思っている」と言ったんです。
それを聞いた福田さん、
福田「サビから始まるなんてGLAYみたいじゃん!!ライスのネタがカラオケに入ったら、採点機能で点数取りやすいタイプだな!!」
もう本当に面白すぎる(笑)
福仁は、トークの内容だけではなく、福田さんの発想とワードセンスを楽しむのも大好きな時間です(笑)
だけど、田所さんの考えはちょっと違うみたい。
例えば、
 『こんなところに新しいラーメン屋できたんだ、入ってみよー』←この前振りがAメロ
 『うわー!なんか変な店員出てきたー!』←ここがサビ
ネタの一個目のボケ、つまり俗に言う「バラシ」の部分が、楽曲で言うとサビで、ある意味でピークだと思ってネタを書いているんだなあ。
確かに、そこがハマるかどうかで評価が分かれてしまいますもんね。
こうやって、他の業界の方のお話しを通して、田所さんと福田さんの考えが垣間見えるのがこのライブの魅力ですね。
今回は特に、それぞれの業界の違いが聞けて、とても楽しかったです。


話題は前後しますが、もう一つ、ゲスト登場前のお二人でのトークのこと。
田所さんが先日、囲碁将棋の文田さんと話していた時に、聞いた話を教えてくれました。
いごしょがトークライブで、グッズ付きのチケットを発売したら、売れ行きも好調で、お客さんからの反応も良かったとのこと。
なので、福仁でもグッズを作ろうか?という話になり、色々考えてみる。
このライブのコンセプトは飲み屋さんだから、やっぱりグラス?それともコースター?などと話しているうちに、
いごしょは何を作ったのかという話になり、田所さんが福田さんに、湯呑みだそうですよと教える。
すると、じゃあ俺らも湯呑みでいいじゃん!という福田さん。
シメのお茶を飲むという感じで、グッズで湯呑みを販売して、
それを持っているお客さんには、二人がお茶を注いでサービスしてあげるっていうのはどう?
湯呑みを持っている人は飲み放題で!と提案する福田さん。

それめっちゃいいじゃん!と好感触の田所さんですが、
福田「まあ、それで大体2万くらいで売ればペイできると思うから~」
田所「どっひゃー」
コントみたいなオチになっていた(笑)
でも、アイデア自体はすごくいいと思う。
飲み放題にしなくてもいいので(笑)、ぜひ実現してくれたら嬉しいな。


最後に、せっかくなので、私が今回のゲストの笛田サオリさんのYouTubeをいくつか拝見して、一番好きだった曲を貼っておこうかな。
私は、今は通勤でほぼ毎日新宿を通っていますが、それ以前はやっぱり新宿というのは、
「大人の街」「憧れの街」そして、「ルミネtheよしもとがある街」と思っていて、その憧れは今でも消えないんです。
そんな、理想と現実、憧れと夢破れた姿、そんな狭間で揺れ動く、絶妙な気持ちを表現してくれている曲だと思いました。

さめざめ MUSIC VIDEO / 新宿ドキュメンタリー



至極の10分ネタライブ (20/2/2)

2020-02-02 23:30:00 | ライブ感想♪
***
至極の10分ネタライブ
20/2/2 19:00~ @座・高円寺2 

まんじゅう大帝国:アレクサ
ザ・マミィ:腹踊り
ねじ:ヒーロー
ランジャタイ:バスケットボール
囲碁将棋:芸名
マツモトクラブ:村越さん
ライス:記憶喪失
ゾフィー:謝罪会見

***

本日は、K-PROさんの「至極の10分ネタライブ」に行ってきました。
出演者はぐっと絞って、一組ひとくみの良さをじっくり堪能できる、とてもいいライブでした。
こうやって、それぞれのコンビの世界観に浸れるのこそ、ライブという場の醍醐味のように思います。

ライスのネタは記憶喪失。
このライブは、ネタ前に暗転中にセッティングをして、その後にスクリーンにコンビ名が映し出されるのですが、
そのコンビ名が出されるときのプロジェクターの光で明るくなった時に、ベッドとラジカセがスタンバイしてあるのがわかって、
もう心の中で叫んでいました。
このネタ見れるなんて!本当に嬉しい!

【ライス】コント/記憶喪失【ネタ】


(以下、ネタバレも含む感想ですので、ぜひネタをご覧になってから読んでいただければと思います)
このネタをやっているのを、私はネタコレ以外の場で初めて見たのですが、
お客さんの反応が全然違って、それが大変新鮮でした。
ネタコレでじわじわ笑いが広がっていったところで、今日はすぐにレスポンスが来たり。
逆に、ネタコレではサラッと行ったところで今日は小さな悲鳴が上がったり(笑)
なんというのでしょう、ライスって結構ブラックで、それが彼らのことを知っているお客さんにとっては当たり前だけれど、
そうではないお客さんにとっては、まだまだ新鮮なのかもしれません。
なので、ライスファンのお客さんだったら、一発目のボケ(バラシ)で、ああ結構ブラックだなあと言うのが伝わると思うのですが、
今回はそこはサラッとすぐに笑いが返ってきて。
でもその分、関町さんの「まだまだ入院が必要だねえ……」というところで、笑いと同時に悲鳴というか(笑)
ああ、ここでこのブラックさがみなさんに伝わったんだなあって、客席にいる私ですらそう感じた。
あと、「ケイトさんに失礼だと思わないのか?」のところ、すっごいウケてたなあ。

当たり前のことですが、そんな中で2人が、客席の反応を敏感に感じ取り、
ネタコレの時は間を空けていなかったところで空けたり、逆にゆっくり時間をとっていたところをサラッと流したり。
そんな様子を見て、そのプロフェッショナルさに感動するし、こういうところが好きなのだなあと改めて思いました。

そしてこれも当たり前のことですが、
「今は西暦何年?」
『2019年』
「元号では?」
『5月に令和になったので令和元年です』のところも、
ちゃんと『2020年』『令和2年』に直してきていました。
それを聞いて、ああ、年が明けたんだなと実感しました。どこで実感してるんでしょうか私は(笑)
しかし、私はライスの2人は、セリフをリズムで覚えてる人達だと思ってるので、
こういう些細なところで、体に染み込ませたリズムを一回抜くのは大変なんじゃないかなと邪推してしまいます。
特にここはポンポン行かなきゃいけないところなので。
でも、その苦労を感じさせられないところ、また好きですね。

そして、ここからはエンディングの話。
ライスがメトロンズの告知をした後に、MCをしていたねじの佐々木さんが
「『Sunny day Sundayのセンチメンタルバス!』って答えて不正解になる所、正解は何なんですか?」と聞いてくれたんです。
確かに、私もずっと気になっていたんですよね。結局何の曲を使ったんだろうって。
ネタコレの時から気になっていたのですが、3公演見た後3公演とも、お友達と興奮気味に喋り倒してしまって、すっかりそれを調べるのを忘れていて(笑)。
しかも歌詞がない部分までしか流れないので、調べるのも難しいし、自分で調べようとしても無理だったかも。
だから佐々木さんが聞いてくれて嬉しかったんです。
なんて答えるんだろうなと思っていたら、
田所「ああ、あの曲……フリー素材なんですよ(笑)」
みんなが「えーっ!?」「そうなんですか!?」とざわめく中、田所さんはニヤリと笑って、
田所「悪徳病院ですよねえ」
と言っていたのでした。

ああ、本当にびっくりした。まさかフリー素材を使っているなんて。
フリー素材にしたのはきっと、すごく現実的な話をすれば、著作権関係で揉めることがないからっていう理由だとは思うんです。
このネタをYouTubeにアップしたり、今後テレビでやる機会もあるかもしれないし、そういう時に問題にならないようにしたのだろうなあと。
でも、田所さんは昨日そういう風に言わなかった。
それどころか、「悪徳病院ですよねえ」と笑って、そのコントのキャラクターがあえてフリー素材を使っているという設定に持って行っていたのでした。
そうすることで、あのコントの深みがさらに増す気がするし、コントの世界観を壊さないようにすることができますよね。
すごくなんていうか、夢を守ってくれているように思いました。
……と言いつつ、「現実的な話をすると~」なんて言って、その裏側を読もうとしてごめんなさい(笑)
エンディングの何気ない一場面だったけど、このやりとりを聞くことができてよかった。
聞いてくれた佐々木さん、ありがとうございました。
そして、「あのコント、楽屋でみんなで見てて、クイズやってたんですよ。覚えてるかどうか、絶妙なラインですよね~」という感じで言ってくれて。
ライスのネタを、楽屋で多くの芸人さんが一緒に見ててくれたという事実もとても嬉しかったです。ありがとうございました。

囲碁将棋のネタを見れたのもすごく嬉しかったです。
生で見ることができたの久しぶりなのに、ワードセンスが一つひとつ刺さりに刺さって、ずっと笑いが止まりませんでした。
根建さんの「やってみろよ!」も相変わらず最高でした(笑)

他に、特に印象的だったのはマツモトクラブさん。
人生の切なさや遣る瀬無さを表現しているそのストーリーに、心臓を鷲掴みにされるような思いでした。
なんだか、カッコ悪い人の姿を淡々と映し出している様子が、逆に人間の愛おしさを炙り出しているようにも思えたのです…。
……そんなことを思いながら見ていたら、ネタの終盤でランジャタイが登場(笑)
コントの中に出てくるお店にやって来たお客さん、という設定だったのに、なぜか客席に降りてお菓子を配り始め、お祭りのような雰囲気に(笑)
それも含めて、特別感があってとても楽しかったです。


エンディング。メトロンズの告知で出てきたライス、なぜか、
関町「ちょっと写真はやめてください…」
田所「何でだよ!」
根建「お前みたいなの撮りたい人いねぇんだよ!こんな、青と黒の奴」
みんな『お前も同じ配色だよ!!』『上下逆なだけ!!』
すっごい笑っちゃった(笑)




ゾフィーが、キングオブコントでやったあの謝罪会見のネタをフルでやってくれました!
長尺でも飽きないどころか、さらにふくちゃんのペースに巻き込まれていく感じが最高に面白い。
そして、ふくちゃんとライスが同じ画面に入っている写真を撮れたことに感謝です。


こちらは、ゾフィーのサイトウさんが一押しのギャグ「チェだぜ!!」をやったのに、
あまりにも客席の反応が薄くて、芸人さんたちがみんな崩れ落ちて笑っているところです(笑)


エンディング、幕が閉まるギリギリまで手を振ってくれる根建さんでお別れでした。
みなさん楽しいライブをありがとうございました!

ライスのシチサンLIVE ~今年もやります!クリスマスお呼ビンゴ~ (19/12/24)

2019-12-24 23:30:00 | ライブ感想♪
***
『ライスのシチサンLIVE ~今年もやります!クリスマスお呼ビンゴ~』
 2019/12/24 19:00~ @幕張イオンモール劇場

<来てくれた芸人さん>
・バンビーノ藤田
・佐久間一行
・LLR福田
・5GAP秋本
・ピクニック
・怪獣竹内
・グランジ五明
・おかずクラブオカリナ
(手違いでゆいPにもメールが送られて来てくれた)
・ザ・パンチ パンチ浜崎
・サルゴリラ児玉
・犬の心押見

<呼ばれてないのに、ホームページを見て、
 お呼ビンゴやるなら行かなきゃと思って、勝手に来てくれた芸人さん>
・ゆったり感 中村

***
ライスのシチサンLIVE ~5年ぶりに復活!クリスマスお呼ビンゴ~
『今回のライスシチサンライブの突然の復活が、今後また開催される予定があるのか、そういうことは全然わからないけれど。
 でもまたさ、1年に1回でもいいから、やってほしいよ。 
 みんなが楽しそうにワイワイやっている姿を見るだけで、幸せだからさ。』

去年このようなブログを書いたのは間違いなく私ですが、本当に1年後にまた実現してくれるとは思っていなかった。
いつものメンバーも、初めて来てくれたメンバーも、みんなみんなありがとう。楽しいクリスマスイブでした。


今回、最初に来てくれたのはバンビーノ藤田さんだったのですが、ライスが企画の説明を終えたくらいでもうピンポンが鳴り登場してくれる。
「こんなことだとは思ってなかった!」と、あのおなじみのメールを見て本気で心配してくれていました(笑)。
最初の登場にふさわしい。このリアクションが本来なら普通です(笑)
藤田さんは、この時期は体調不良とかで急にライブに出られなくなっちゃう芸人も多いので、本当の話だと思って本気で心配して来てくれたそう。
クリスマスっぽくなるように、ニーブラのネタでやっているシカの被り物まで持ってきてくれました!本当に優しい!
ありがとうございました!

その後やってきてくれた、福田さん、竹内さん、五明さんに関しては、もはや特に説明も求めない(笑)。
竹内さんは登場するなりなんだか不服そう。
竹内「別にいいんだけどさ、関町、この前『クリスマスって何してるんですか?』って、もう直接聞いてきただろ!」(笑)

コンビで来てくれたおかずクラブ。ところが、ビンゴの表にはオカリナの写真だけで、ゆいPの枠はない。
実はもともと、ライスがゆいPを呼ぼうと思っていたのだけど、体調不良だとのことでオカリナを呼ぶことにしたのだという。
ゆいP「私のところにもメールが来ました…」
えーっ!!
本当はゆっくり体調を整える日にしたかったのに来てくれたゆいP。
コンビでメールが来たから、一緒に行こうねって言って、本気で心配して来てくれたそう。
それなのに先輩達が はしゃいでるから(笑)、事態が飲み込めない2人。
ゆいP「私達を使って……賭けをやってたんですか…?」
あーっごめんねごめんね(;_;)
おかずクラブのリアクションがあまりにも新鮮で、いかに私がこの過酷な企画に慣れすぎてしまったかを実感してしまいました(笑) 。
そうだよね、ひどいよね(笑)
屋敷さんは、以前シチサンLIVEに来てくれた時に、
『NSCの時にYouTubeで見て、大好きだった企画に呼んでもらえて光栄でした!』と書いていましたが、
そのツイートももうなんと7年前。
びっくりですよね。そりゃあ、この企画自体を知らない後輩がいるのも当たり前。
それでこそ企画が成り立つんだけど、なんだか今回はちょっと残酷さの方が際立ってしまうような気がしてしまって。
個人的には来年もぜひやってほしいですが、何かしらもう少しマイルドな雰囲気になる工夫があるといいかもしれませんね。
でも、おかずクラブもそのあとは楽しそうにしてくれて良かったです。ありがとうございました。ゆいPお大事に。

前回も今回もそうだったのですが、幕張まで来て、
特に「なんなんだよー!」とか「遠かったんだぞ!」とかも言わず、
あまりにも普通にずっといたメンバーに馴染み、普通に楽しんで帰っていくサルゴリラ児玉さん。
何気に面白いです(笑)

そして、今年いろいろとあったパンチ浜崎さんも来てくれました。
登場するなり、「えーこの度は……」と、手にエアーのマイクを持って話し始めるところに会場爆笑(笑)
さらに、禊だからといってあの電気ビリビリゲームをやらされる(笑)
みんながお座りくださいと言っても、「いや、皆さんが座るまでは座れません!」と言う浜崎さん。
飲み物は何がいいですかとゆいPが聞いてくれても、「水道水でいいです!」と言う浜崎さん。
誰かが「仕上がってるな〜」と言っていました(笑)

パンチ浜崎さんが、終盤が近づいてきた時、「これ、ビンゴになったらどうなるの?」と素朴な疑問。
ライスは「人望があって良かったねってなる」と言っていましたが(笑)。
確かに以前は、ビンゴの列が揃うごとにギャラupとか、ビンゴしたら会場のお客さんに写真プレゼントとかありましたよね。
何かしら、そういうのがあってもいいんじゃないかなあって思いますよね。せっかく皆さんが頑張ってきてくれたのでね。

押見さんがみのるさんが来てくれればビンゴが一列できる…!というときに登場してくれた中村さん。
でもライスはメールを送る依頼を出していない。
中村「ホームページ見て、ライスがシチサンLIVEやるっていうんだから、そりゃ、来るだろ~!!!」(笑)
最っ高でした。いつもありがとう(笑)
本当にざっと流れだけ書いてしまったのですが、この間にも芸人さん達の色々なトークが聞けて本当に楽しかったです。


本当にいっぱいいっぱい笑ったのですが、一番印象に残ったところがあってね。
昔は代々木に住んでいた芸人さん達が続々引っ越して、もうみんな残ってないという話の時。
五明さんが、代々木から一度柏の実家に帰って、その後また東京に戻ったのに、
グランジの活動の拠点は幕張の劇場になり、さらにbayfmのお仕事が決まったと。
「これなら実家にいれば良かったよ!」と言う五明さんに、
みんなで『いや、いいんだよ』『実家にいたら仕事決まってなかったよ』って、間髪入れずに口々に言うんです。
……ああ、こういうところ本当に素敵だなと思ったのです。
福田「実家にいたらきっと八王子のコミュニティFMが決まってたよ!」笑

スピリチュアル…って言ってしまうと、ちょっと違うと思いますが、
世の中の物事について、きっとそういう風になってるんだって、人事を尽くして天命を待つみたいな、
そういう認識をみんなが共有しているところが、好きだなあって思ったのです。
10年以上続けてきた人たちだからこそ言えること、とも。

「みんな売れてない」とか「去年も同じじゃん」「毎年ずっとこんな感じだよ」と言っているけれど、
ずっと続けてくれることだけでどれくらい価値があることか。
そして、売れていないって言いながらも、この仕事に対して、誇りと覚悟を持っているところが好きだよ。
今年もありがとう。最低で最高のクリスマスでした。




神保町花月本公演「宇宙でクロール・令」 (19/10/5)

2019-10-06 23:30:00 | 神保町花月
***
『宇宙でクロール・令』
19/10/5 14:00~ @神保町花月

脚本:冨田雄大
演出:成島秀和

出演:
石田隼
金成公信(ギンナナ)
ピクニック
光永
松本勇馬(スカイサーキット)
小名木健
天龍
川端武志(コロウカン)
久川みみ子
福永成一郎
ミカちん
倉田あみ
***




本日は神保町花月で、「宇宙でクロール・令」を観てきました。
2009年に、ライス主演で上演されたこの舞台。
今回、オコチャさんが令和の時代に合うよう脚本を書き換えていたのだけれども、大切なエッセンスは全てそのまま残しておいてくれた。
そしてそれに真正面から応える演者の皆さんの熱量が嬉しく、涙が止まりませんでした。

人生に終わりがなく虚無感に包まれたまま生きている「不老不死」と、
心臓の鼓動が一定の回数に達すると、ある日突然時限爆弾のように人生の終わりを迎えてしまう、余命半年と宣告された「半年」。
関町さんが演じた「不老不死」は俳優の石田隼さん、田所さんが演じた「半年」はギンナナ金成さん。
キャストも一新して、演出も全然違って、設定もかなり変えていて、
それなのに、オコチャさんが、「半年」と「不老不死」の2人の掛け合い部分はほとんど変えずに脚本書いてくれたんです。
キャラクターひとりひとりが全力で生きていて、それを見ているのが愛しくて、
クライマックスの全員が思いを爆発させてぶつけ合うところで涙が止まらなくなって、
終演してもすぐに立ち上がれないくらい泣いてしまいました。
話自体が好きだし、オコチャさんが紡ぎ出すセリフが好きだし、それに加えて思い出加点が強すぎて、もう何に泣いてるのかもよくわからなかった。
でもその時間が、本当に心地よかった。

正直に言って、宇宙でクロールを再演すると初めて聞いた時、すごく興味はあったのですが、見に行くかどうかとても迷いました。
それは私の中で、やっぱりあのライスでの半年と不老不死が、とても大切なキャラクターだし、とても大切な関係性だったから。
でも今回見に行って、ライスの時とは二人とも大幅にキャラクターを変えていたので、完全に別物として見られました。
石田さんと金成さんも、自分のキャラクターに合わせた、自分なりの「半年」と「不老不死」を作り上げていらっしゃったというのが伝わってきたから。
自分の大切な思い出が書き換わってしまうのではないか、などというような心配は無用でした。
まあそもそも……関町さんと石田さん……全然ビジュアルが違うし…ね…(笑)(わざわざ言わなくてもいいですね・笑)

10年前の作品だから、ストーリーは正直、あまり思い出せなくて。
半年と不老不死の印象に残るかけあいだったりとか、不老不死が半年の言葉にフッと笑う時の表情とか、
半年が彼女の腕を引っ張って、ギュッと抱きしめるところとか、そういう細かいことしか覚えてなくて。
そもそも私自身、10年前にこの作品の感想を書こうと頑張ったのに、結局まとまらなくて書けず仕舞いだったので、
もはやこの舞台が「とても好きだった」ということしか覚えていませんでした(笑)
でも見ていくうちに、思い出していくんですよね。
そうだった、私このシーンが好きだった。この不老不死のセリフが好きだった、この半年のセリフが好きだったって。
石田さんと金成さんの演技を見つつ、その後ろにどこかライスの面影を感じるときもあったりして、
それでまた胸が熱くなってしまいました。

石田さんと金成さんの演技を生で見れたからこそ、その対比でライスがどうだったかっていうのを思い出すこともできました。
例えば、
『生きるって…なんだ?』
「ドキドキすることだ」
『だったら、俺は死んでるわ』
という、初演でも今回もパンフレットに載っている、この舞台の肝となるかけあい。
この不老不死の『だったら俺は死んでるわ』というセリフ、関町さんは淡々と諦観の表情で言っていたと思うのですけれども、
今回の石田さんは自虐的に笑いながら大声で、吐き捨てるような言い方で。
ああ、こういうところに役者の違いって出てくるんだなあって、新鮮でしたし、興味深かったです。
また、半年が彼女(便宜上彼女と言いますが、ストーリー上では付き合っているのかどうか微妙な存在)に思いをぶつけるシーン。
田所さんはもう、耐えられなくなって、思いが抑えきれなくなって、
彼女の腕を引っ張って自分の方に力強く抱き寄せ、強い口調で言っていたと思いますが、金成さんは優しく抱きしめて、優しく言ってた…。
金成さんの演技びっくりした、このシーンこんな解釈なんだなって。すごく新鮮だった。
……でもここに関しては、ちょっと…思い出補正が強すぎるかもしれない……(笑)
田所さんの恋愛シーンにドギマギしすぎた当時の私が、自分の記憶を改竄している可能性もありますのでご了承ください…(笑)

そして何より。最初はお互いのことが理解できずに素直になれない2人が、徐々に心を開いていき、不老不死がある日、思わず半年に訊ねてしまう。
『なあ…生きるって、なんだ…?』
半年はこう答えた。
「それ、俺に聞く~?(笑)」
もうここが、本当に大好き、今でも新鮮に大好きなライス版のかけあいです。
そして、「それ、俺に聞く~?」の時の田所さんの表情が、本当に大好きだったなあっていうことを、今日思い出しました。
金成さんはもう少しサラっと「それ俺に聞くう?(笑)」という感じで言ってて、これもまた良き。


ちょっと、思い出の話をしすぎてしまったので(笑)、そろそろちゃんと、今回の感想を。
とにかく演者さん達が本当に達者。若手が集まっているのにみんな安定感がすごい。
特に、「半年」にひたすらに思いをいじらしく伝える光永さんはすごすぎる。
見方によってはちょっと鬱陶しく感じられてしまいそうな役を、真っ直ぐな瞳と、切なさを増幅させる独特の声色で見事に演じきっていたと思います。

今日のお昼は、役者さんのファンの方が多かったのかな?
なんとなく神保町に慣れていないお客さんが多めな感じがして、
もっと笑ってもいいんだよって、お客さんの一人なくせに勝手にドギマギしていた私。
なのですが、そんな空気の中で一気に笑いをかっさらい、客席の空気を緩めたピクニックさん、本当にかっこよかったです。


そして最後に。オコチャさんって、やっぱりすごい人だ。
本当に、今になって、この時代になって、改めてオコチャさんの偉大さを思い知らされます。
昔は正直、オコチャさんの脚本、大枠のストーリーは好きでも、セリフが難解だと感じられてしまって、苦手なところもあったんだ。
でも今ならようやく、その意味がわかる。
オコチャさんは昔から、徹底的に、「常識の枠組みから外れた人」のことを描いてきた。
そういう人が主役になる時代が来た。多様な価値観が共存する時代が来た。
オコチャさんは逆に、今まで時代を先取り過ぎていて、ようやっと時代が追いついてきたのだとすら感じられてしまいます。
でも本当にすごいのは、時代が追いついてきたということにおそらくご本人が甘んじておられず、
今回では「新しい価値観についていけない人」のことすら愛おしく描いていらっしゃること。
当然、多様な価値観が認められる時代に、こういう人は出てくる。そういう人すら救っているのだと感じられるところ。
今回、再演という形でこのお話が10年ぶりに日の目を見たわけですけれども、
きっとまだまだ、オコチャさんの作品が求められる場があると思う。
そういう人達にも、もっともっと届いてほしいなと思わされるのでした。


ライスいない舞台見ながら、
ライスのことが大好きだって改めて感じて、立てないくらい泣いて、
家に帰ってきても脚本読みながらまた泣いているなんて、私、こんなにライスのこと、好きだったんだなぁ。

大好きで仕方なかった舞台が、10年後に再演されて、
演者さんやスタッフさんたちも大切にこの作品に向き合ってくれて、なんと台本まで購入できるんだよ。
昔の私に教えてあげたいな。
生きていればいいことあるよ。
生きてきてよかった。
そしてオコチャさん、脚本書き直して再演するチャンス、数ある作品の中から、宇宙でクロールを選んでくれてありがとうございました。
ありがとうの言葉じゃ足りないくらい、ありがとうございました。