甘酸っぱい日々

面白くても何ともならない世界で 何とかしようとする人達のために

9月8日 ライスのシチサンLIVE 2013年復活期最終回

2013-11-06 01:54:26 | ライスのシチサンLIVE
本当は、別に驚くべきことではないのかもしれない。
どんなものにだって終わりは来るし。
ただ、それがあまりにも突然だったことになかなかダメージを受けてしまった。
加えて今回は、∞自体のシステム変更や8期以上一斉卒業も終わった後で、
いわゆる改変期を乗り越えた後だったのに、なんで今更この時期に最終回?というのがあって。
まぁ、何かが変わる時なんて、大体そんなもんか。
そんな風に色々と考えている私のことなんてよそに、渋谷はこの日も大勢の人で賑わっていました。
何回ここに来ても、そして来る機会が少なくなっても、
私にとって渋谷は、やはり∞ホールのある街、そしてライスのシチサンの街でした。

冒頭ののんびりまったりトーク。
コンビで平然と旅行に行き、平然とその話をする。
本当に変なコンビ。
その一方、なぜかご自分のお子さんを頑なに相方に会わせようとしない。
本当に理解できないコンビ。

そんな関町さんに対する田所さんの逆襲。
「超大物ゲスト」「会いたかったんですよ」と散々煽りに煽った、
ずっと隠されていたラストの一人は関町知瑠くん。
この時の取り乱している関町さんが印象的だったなぁ。
芸人としての顔ではなかった。
本当に一瞬、我を忘れて必死になっている感じ。
いつも飄々とした顔でぶっこむ人と同一人物とは思えなかった。
多分、この人は、舞台に立っている時はいつだって、「芸人」というスイッチを入れる人で、
それ以外の顔を見せるなんて、本当に嫌な人なんだろうね。
そして、こんなことを企画してしまう田所さんも田所さんだ。
関町さんがお子さんに会わせてくれないから、それを逆手にとって、
舞台上でやってしまおうというその発想と感性。
「自分の人生も全て切り売りしてネタにする」とか言えば聞こえはいいけれども、
多分田所さんがやりたいのはそういうことではなくて、
ただ、面白いか、面白くないか
盛り上がるか、盛り上がらないかっていうだけの判断軸なんだろうなぁ。

その後に続々と登場してきた先輩達を見て、本当に懐かしい気持ちでいっぱいになった。
無限大黄金期を支えてきたメンバー達。
遠山さんの、コスい登場をし、シアターDのライブをディスった挙句、「どうも、Dです!」と満面の笑顔で言うところにちょっとやられてしまった。
この人はまぁイケメンという部類には入らないかもしれないけど(←失礼)、でも人の心をつかむのが本当に上手い。
そういうのを人はアイドルと呼ぶのかもしれないね。DOIまた見たいよ。
同じようなことを福田さんにも思った。
自分の冠ライブがあるからすぐに帰らないといけない、と言いつつ、まだ大丈夫でしょと言われたら
「まぁいいけど…」と座り込み、結局、他のメンバーに怒られるまで長々居座る福田さん。
誰が来そうか予想するフクピューターのキレっぷりも最高。
そして、「ライスのシチサンライブ、終わりなんでしょ?なんで最終回なの?」と、気になっていたことをストレートに聞いてくれるところも。
やっぱり、だてに東京吉本最多ライブ出演数の座を争っていた人ではないね。
だてに、無限大総選挙1位を獲った人ではないね。
客が何を求めて、何を気にしているのか、きっとよくわかってる。
そこで、ハッキリせず口ごもるライスに、ちょっとイラっとしたし、ちょっと切なくなってしまった。
最終回、自分達が決めたことではないの?
誰かに言われて終わりにさせられるの?なんで?
むしろ軽い感じで、「本当は終わりにしたくなかったんですけどねー!お客さん集まらないんですもんー!」
くらいに言ってくれた方が、どれほど気が楽だったことか。
「それはいいんですよ」じゃないよ。
テレビ出たいんなら、一瞬でいいコメント返せないと使ってもらえないよ。
……すみません、八つ当たりでしかありませんね。
いつだって誰だってそうだ。
芸人さんは、本当に知りたいことをファンに教えてくれないもんなんだな、なんて。
とにかく、五明さんも池田さんも房野さんも、最近全然見れていなかった方達を見れて、それぞれの個性や持ち味は全然変わっていなくて。
AGEAGE黄金期楽しかったなぁ。
あの頃が一番、めんどくさい思惑とか、もどかしい思いとかなく、純粋にお笑いの楽しさを求められていた気がするよ。

そして、押見さんのくだりがもう最っ高だった!!(笑)
「今押見さんが来ても盛り上がらない」という流れから、本当にこれ以上ないタイミングで来てしまう(笑)天才か(笑)
向井さんが来て、ビンゴが揃って、みんなが大盛り上がりしているところでつまはじきにされている押見さんを見て、
キャラ通りのこの奇跡的な展開に苦しくなるほど笑ってしまいました。

あんまりね、ここで色々言ってしまうと、悪口みたいになってしまうんですが、でもこのくだりの時、特に感じたことがあるんです。
こういうのがあるからこそ、ライブは面白いんだなぁ、
これこそライブの醍醐味だよなぁって。
私は今年の始め頃まで、松竹の事務所ライブにちょくちょく行っていまして、
まあ、諸事情により(苦笑)、最近はほとんど行かなくなってしまったんですが(苦笑)、
でもそれを見ていて、なんだろう、何か物足りないなという思いがあって。
個々人の芸人さんの面白さに差があるとは思わないんです。
それでも何が違うのかといったら、この「みんなで作り上げる」という空気なんだろうなと。
松竹の事務所ライブのコーナーでは、「○○のやり方」とか「こんな時どうする」みたいな、一人ひとりで何かすることが多くて、
大喜利要素が強いと言ったらいいのかな。
それはそれで面白いんですが、何と言うか、個人戦の要素が強くて、流れが一つひとつ断絶してしまう感じなんですよね。
加えて、おそらくお題は事前に知らされているようなので、生っぽさがないというか。
もちろん、時と場合や、個人の好みにもよりますけれども、
お決まりのくだりとか、かぶせたりとか、前に言っていたことが偶然後に活きてくるような流れとか、
そういうのがあまりないのが、 せっかくライブでみんなでやってるのにもったいないなぁと思ってしまって。
吉本の団体芸は、身内ノリだと批判されてしまうこともあって、
確かにそういう面もありますが、でもそれが、お客さんと共有出来ているのであればいいんじゃないかと思うのです。
こうやって、予測できない展開があるのこそ、生の醍醐味なのだから。
以前、萩本欽一さんが、テレビの力についてこのように語っていらっしゃったのを偶然見ました。
今から約40年前。あさま山荘事件の時、テレビで生中継がされていて、
なかなか進展がない膠着状態の中、何の動きもなく壁だけが映っている映像がずっと流れていたと。
そんな映像に、なぜか人々が釘付けになって画面を見つめている。
その理由を考えた欽ちゃんが感じたことは、
「『何かが起きている』じゃなくて、『何かが起こりそうだ』というところに、人は集まるんだ」ということだったそうです。
これはテレビのお話ですが、ライブも同じではないかと思ったのでした。
その最たるものが、ライスのシチサン、及び、お呼ビンゴではないかなぁと。
誰が来るか、何が起きるか、始まってみないと全然わからないのに、
「きっと何か起こるに違いない」という思いで、これだけのお客さんが集まるんだもんね。

そして、会場の盛り上がりが最高潮に達した、知瑠くんの登場。
これこそまさに、生の醍醐味、そしてライスシチサンの醍醐味だった。
わんわん泣いていた知瑠くんが、お父さんに抱っこされたらぱたりと泣き止んだり、
田所さんが初めて対面して抱っこするところなんて、なんだかドキドキして息をするのも忘れるくらい見入ってしまいました。
それなのに、関町さんは「お客さん引いてる」ってさぁ!
引いてるわけないじゃん!
松橋さんが、「ドキュメンタリー性がすごいからだ」と、客側の気持ちを代弁してフォローしてくれたのがありがたかったです。
本当にさぁ、どうして自分のことになると、こんなに冷静な判断ができなくなる人なんだろうなぁ。
また、このお呼ビンゴ企画での、「絶対来るわけがない人が来てくれてビンゴが完成する」という引き継がれてきた流れが、
かたつむり章吾さん→元ブレーメン・スター→
ときて、最後がまさか知瑠くんなんて、誰が予想しただろうか(笑)
こうやって、過去から現在に通じる流れを感じられたのも感慨深かったです。

ここで綺麗に終わりになればよかったのに、最後にシソンヌ長谷川さんが登場して、微妙な空気になり、
「なんで来たんだ」とやんや言われるところも含めてね(笑)
こうやって、綺麗に締まらないところもまた、とてもライスのシチサンっぽかったです。


終演後、他の出演者のみなさんが、わちゃわちゃとハケていって、
最後にライスの二人だけが残って、拍手のボリュームがぐっと上がって、
この、復活期の1年2ヶ月の間に行われた7回の恒例の流れ。
胸がいっぱいになって、言葉が出てこなかった。
深くお辞儀をして、顔をあげて客席を見る瞬間の田所さんの笑顔が見たかったから、
ちょっと無理してでも、復活期の7回を通ったってところがある。


ニューヨークの屋敷さんが、ライブ後こんなツイートをしていた。

ニューヨーク やしき @NYyashiki
ライスさんのシチサンライブ最終回に出させて頂きました!
NSCの時にYouTubeで見て、大好きだった企画に呼んでもらえて光栄でした!


これを見て衝撃で言葉を失ってしまった。
ライスシチサンが始まった当時、屋敷さんまだNSC生だったのか。
4年間という期間で、一人のスクール生は卒業して芸人としての活動を開始し、
客ウケは悪いがスタッフや芸人内の評価は抜群だと評判が高まるようになり、
やがて次世代若手ユニット番組に抜擢されるようになり、
人気コンビに噛み付くヒール役を買って出ながらも、
着々と客を味方につけ人気を獲得し始めた……。
恐ろしい。4年間という期間は人をここまで変えるのか。
私この4年間何やっていたんだろうか。

あれ?いや、そういうことじゃない。私が書きたかったのはこういうことじゃない。
私が4年間何の成長もしていないことなんてどうでもよい。
こうやって、まだ正式な吉本芸人じゃない頃から、「ライスのシチサンライブ」を見ていて、
それに憧れていたような世代が芸人になり始めている時期なのだ。
考えてみると、本当にすごいね。
そりゃあ、ライスはこの4年間で爆発的に売れたかって言ったら、まあ売れてないけども(←失礼)、
でもきっと、この4年間で積み上げてきたもの、掴んできた人は、たくさんあるはずだ、いるはずだ。
一人ひとりの心に、ライスシチサンが残したものがあるなら、それこそが一番の財産だ。

ライスが好きだ大好きだ、心の底から幸せだ。
勝手だけど、ワガママだけど、
ここが、このライブが、あなた達が、
永遠に、私のホームです。
またいつかなんて、ないと思ったほうがいい。
けど、またいつか、この場所であなたたちに会いたい。


全48回、本当にお疲れ様でした。
楽しくて嬉しくて懐かしくて、
ドキドキしてハラハラしてワクワクして、
切なくて悔しくて苦しくて、
愛しくて感動して泣きそうで、
愛も夢も希望も、
過去も今も未来もみんなここにあって、
全部全部、これが全部ライスのシチサン!
今まで本当にありがとう。


君は変わらず微笑んで

2013-11-04 00:34:56 | Weblog
パスピエ「プラスティックガール」



久しぶりに純度100%の茶番を見て大いに笑った7月のライスシチサン、
面白くて刺激的でこの人達本当にすごいなと感心させられた7月のまっさら、
ヒカリエというおしゃれな場所でなかなか残酷な無茶ぶりを強いた番組「むじゃき」、
本人達はややウケと言っていたけど私は好みのネタすぎてハートを撃ち抜かれた六代目、
この人達の単独以上に幸せと充実感を感じるライブはないと改めて実感したライス単独スイップ、
どんなに時が流れても笑いと癒しと安らぎを与えてくれるコンビだったうしろシティ単独ライブうれしい人間、
ライスを見に死ぬほど通った神保町で新しく好きになった人達を見る不思議な感覚だったロシモンの裏、
暑い熱い野外ステージでこの一瞬に全力をかけるメンバーの心意気に胸を打たれたバチバチエレキテるお台場合衆国イベント、
どんなことがあっても面白さだけは揺るがないんだと思い知らされたさらば青春の光単独ライブ野良野良、
Rockのネタでその日一番と言っていいくらいのウケをかっさらっていったキングオブコント2回戦、
ここにきて新ネタを持ってきたことに度肝を抜かれたTHE MANZAI2回戦、
昔から見ている憧れのコントイベントに出ている姿を見れたことが嬉しかった月刊コント、
真剣勝負に胸を打たれて世の中に面白いコント師は本当にたくさんいるからみんな報われてほしいと深く思ったキングオブコント準決勝、
嬉しさと楽しさと寂しさと悔しさと懐かしさと3年間の感謝の思いでいっぱいになった9月のライスのシチサンライブ最終回、
決勝直前にRockとオカリナを見れて、この人達はこれから、このネタで世間に衝撃を与えに行くのだと、そう感じて痺れた、9月のごっそり。


この夏の一番の想い出、一番印象に残っているシーンは、バチバチエレキテるのお台場合衆国イベントの風景だ。
どこまでも広がるような青い空に、薄く広がっている白い雲。
会場には、パスピエの「プラスティックガール」が流れている。
穏やかで透き通るようなメロディーだけど、夏に不意に漂うちょっと切ない雰囲気を見事に表現している曲だった。
とにかく暑くて、日陰に座って、いちごのかき氷を食べながら開演待ち。
ただでさえ深夜にやっている無名の若手芸人の番組というのに、集客が難しい平日の昼間にイベント開始。
それでもたくさんの人が集まっている光景に胸がいっぱいになった。
開演して、揃いの衣装で飛び出してきたメンバーの圧倒的な華に鳥肌が立った。
それぞれのコンビ、今まで生で見てきたことも何度もあったのに、
こうやってみんなが集合して、テレビでしか見たことのないあの紺に黄色いラインのジャケットを着ていて、
大勢のお客さんを前に手を振っているところを見ると、何だか別人のように思えたのだ。
圧巻だった。
その後のネタやコーナー、ちょっとグダったところもあったし、
一部のコントはいかにも若手のユニットライブ感がすごかったけれど(笑)、
どれもがむしゃらに、全力で、まっすぐにやっているところを見て、胸を打たれた。
今は今しかない、このチャンスを無駄にしたくないという意気込みが感じられて。
そして、1400人もいるお客さん一人ひとりを、本当に大切にしているんだろうなと感じられて。
イベントが終わった後、ふっと気が抜けてぼーっとしてしまった。
3年前の夏にもこんなこと書いたけれど、これと同じような感じで。
イベントが終わった時、まだ真昼だったんだけど、お祭りの花火の後のような感覚だったのだ。


例えば、今レギュラー番組が終わってしまったコンビとか、
単独ライブをやりたくてもやらせてもらえないコンビとか、
バトルライブや賞レースで思うような結果が出ないコンビとか、
あと少しで弾けるだろうというブレイク前夜の状態のコンビとか、
ブレイクの機会を一度自分達で手放した後、
様々な話題を提供し度々Yahooニュースのトップトピックス欄を飾るなど世間を騒がせ続けているせいで、
いつまたその機会をその手に出来るのかわからないコンビとか。
色々な芸人さんが、それぞれの状況で、
今苦しくても、今しんどくても、
今は今しかないのだ。
もしかしたら、「あの時は苦しかった」という思い出したくないような一年であっても、
今年は捨てている来年が勝負だ、と思っているような、我慢の一年であっても、
2013年の夏は、一度しかないのだ。
そこをわかっているかどうか。
ネタ番組やコント番組が続々と終わり、またしばらく氷河期が続くであろうけど、
そんな中でも、ライブに足を運ぶお客さんはたくさんいて、
例えいつか売れるための準備の一年であっても、
目の前のお客さんにとっては、今しかないのだ。
そこをわかってくれている芸人さんかどうかは、見ていれば結構わかる。
そういうことをわかっていてくれる人のことを応援させてもらいたい。
……こんな感じのことを考えた夏だった。


例えば、今好きなコンビが、度々Yahooニュースのトップトピックス欄を飾るなど世間を騒がせ続けているせいで、
そのコンビを好きでいることが苦しくてしかたがない私にも、
今は今しかないから。
これは、いつか好きでいてよかったと言える日のための我慢の一年か、
それともあの時好きにならなければよかったと、本気で思い出したくないような一年になるか、
その答えはまだわからない。


パスピエ -「ON THE AIR」 (short ver.)



今日も東京の街見下ろして
行き交う人波飛び越えて
伝えたいのこの気持ち

日常に少しのメロディーを
明日のキミには雨傘を
いつもここから

東京の街見下ろして
行き交う人波飛び越えて
キミのもとへ繋げてくれ
届けてくれ ラジオ