甘酸っぱい日々

面白くても何ともならない世界で 何とかしようとする人達のために

「またいつか」なんて、ないと思った方がいい。

2013-02-16 02:09:21 | お笑い全般
「またいつか」なんて、ないと思った方がいい。


私が初めてさらば青春の光を見たのは、これもうしろさんと同じ番組、爆笑トライアウトだったと思います。
それまで名前だけは何度か聞いたことあったのですが、ネタを見るのは初めて。
短い時間の中でもきっちり面白くて、そしてちょっとくせになるような不条理な世界観。
なんだか気になる存在でした。
ちゃんと見る機会があったのは、それから2年も後のこと。
忘れもしない、本当に素敵なライブ。
うしろシティ×さらば青春の光「うしろさらばの前向きツーステ」。
この時の私は、実はどちらが森田さんでどちらが東口さんかもわかっていませんでした。このライブ中に覚えた。
二組とも本当に面白くて、もっと見て行きたいって思った。
だけど、もう今となっては言い訳になるんですが、
私はとにかくさらばとは、日程的な相性が本当に悪かった。
単独も、さらブレも、なんでこの日なの、どうしてもこの日は無理なのって。
前でも後でもいい、あと一日でもズレていたら行けるのにって、
そういう思いで、見る機会を逃してしまっていました。
「またいつか」ってずっと思ってた。
そしてやっと今回、単独に行けるはずだった。
2日間とも。昨日と今日。
「またいつか」なんて、ないと思った方がいいんだね。
来ると信じてたそのいつかが、必ず来るとは限らない。
私は結局、1度も角座でさらばの単独を見ることができませんでした。
好きなのに、ちゃんと見に行かなかったこと、本当に後悔してる。
今から思い返しても、どうにもならなかったんだけど、やっぱりどうにか行けなかったかと思ってしまう。
私は多分、このことをだいぶ引きずりそうだ。

これからも応援してほしいって。
そりゃしますよ、もちろんしますけども、
ちょっとそこに至るまでに、解せないことが多すぎる。
私はちゃんと見てきた人間じゃない。ちゃんと角座にお金を落としてきた人間じゃない。
さらばのこと何にも知らないも同然。
だから部外者が口を出すなと言われても仕方がないと思う。
何言っても説得力はないと思う。
でもちょっとだけ書かせてください。

まず、なんで単独は中止になっちゃったんでしょうか。
あのね、客に作り手の事情はわからないから、口を出すなという意見もあるかもしれない。
それは確かにそうだと思う。
裏の事情を全部説明してくれとはいえない。
でも、そんなこと言ったら、作り手にだってそれぞれの客の事情はわからない。
単独は、他のライブとは違うんだよ。
普段なかなかライブに行けないけれど、単独なら頑張って行こうって、
そう思って仕事お休みした方だっている。
遠くから行こうって決意して、新幹線や夜行バスやホテル取っていた方だっている。
何より、その日をずっと楽しみにしていたのに、
それが突然なくなってしまうのがどんなに残念か。
お金が返ってくればそれでいいってわけじゃないんだよ。
お金以上の、その場でしか味わえない気持ちを求めてチケット買ってるんだよ。
裏でどんな話があったかは知らないよ。
もしかしたら、表には出てこないけれど、さらばが事務所を怒らせるような悪いことしたのかもしれない。
それでも、せめて単独だけはやらせてあげてもよかったんじゃないですか?
事務所を移籍したりするときには、少し活動休止するのが通常の流れなのかもしれないけど、
完売した単独だけでもやっても、誰も文句言わないし目くじら立てないと思うんですけどね。
HPでの契約解除発表の文面も、まるで「私達は悪くありません」とでも言いたげで。
例えそうだとしても、きちんとした説明もなしに単独中止するなんて、
そんな事務所のこと、これから信用していけないよ。
どうせこれ以上何も教えてくれる気はないみたいですから、
もう、どうでもいいですけど。

何でやめようと思ったのかもわからないし、そこは深くつっこむところでもないのかもしれない。
ただ、以前からさらばのうしろに対するコンプレックスとか聞くこともよくあって、
まぁ、これが全ての理由ではなかっただろうけど、少しはあったのかなぁと……。
これは、相手がうしろシティでなくてもね。
あくまでも憶測ですけど、いつもうしろとさらばでセットみたいな感じにされて、
まだ一組でやるだけの力がない、って思われているような感覚があったのかなぁと。
でもね、本人達やその周りがどう思っていたのかは分からないですけど、少なくとも私はそんな感覚ではなかったよ。
売り出す側としては、0.5+0.5で、やっと一人前って思ってたのかもしれない。
でも私は、それぞれ十分に面白くて、それぞれ一組だけでも十分にやっていける力があって、
だけどその二組が一緒になったら、お互いの力を、2倍にも3倍にも、10倍にも100倍にも、200なゆた倍にも(?)
とにかく、何倍にも引きだし合う感じがするから、だから好きだったんだよ。
普段やいやい言い争ってる二組だけど、一緒にトークしたり、コントしたりする時にはびっくりするほど波長が合って、
それが見ていて楽しくてわくわくするから、だから好きだったんだよ。
前に、うしろシティのことを「出来すぎの青春マンガみたい」って書いたけど、それはうしろとさらばの関係にも言えることで。
仲良し二組といえば、私の中で不動なのはライスしずるだけど、この二組はまたそれとも違う。
ライスしずるは、二組ともシュールと言われて、考え方も系統も似ているけれど、この二組はきれいなまでの正反対。
うしろは東、さらばは西、
うしろはほんわかのんびり草食系、さらばはガツガツ攻める肉食系、
(個人的にはうしろはロールキャベツだと思ってるんだけどね)
うしろはさわやかポップなネタが多くて、さらばはしつこくてゲスいネタが多くて、
うしろはお行儀よい優等生で、さらばはいたずら好きなやんちゃ坊主って感じ。
それなのに、こんなに対照的な二組でも、どこか通じるところがある。
コントの肝となる部分を徐々に見せて行って、見ている側にこういうコントなんだとわからせる感じとか、
ボケとツッコミという分け方ではなく、振り回す側と振り回される側という分け方がしっくりくる感じとか。
同じ事務所で、同時期に注目され始めて、切磋琢磨しながら活躍してて、
仲良しだけどいつもベタベタしているわけではないし、
ライバルだけど口をきかないほどバチバチしているわけではない。
これがマンガだったら、出来すぎてて興ざめするところだけど、それが現実だから面白い。
そんな二組の絶妙な関係性自体に、惹かれていたところがあったんだよ。
お笑い界に新しい風を吹き込んでくれる二組だって、本気で思ってたんだよ。
私は、一組じゃ物足りないから二組が好きになったわけでもないし、
うしろのオマケでさらばが好きになったわけでもないんだよ。
こんなこと、わざわざ書くのも野暮だから今まで書いてこなかったけど、もう最後だから全部書いたよ。
全てのお客さんがこう思っていたわけではないだろうけど、
こういう人間がいたということだけでもわかってほしい。
本人達も、周りの社員さん達も、一体、どれほどわかってくれてたのだろうか。
うしろシティの目の前で、
「KOCではうしろとさらば、THE MANZAIではオジオズだったけど、本命はキンタロー。だ!」
って言っちゃう社員さんは、この気持ちわかってくれてたのだろうか。
私は回数は少ないけど、角座に行った時には、アンケートに毎回
「うしろとさらばの二組でコントライブやトークライブやってほしいです」って書き続けてきたんだけど、
それがどうしてか、一体わかってくれてたのだろうか。
こんなこと、言わなくても、わかってくれてると思ってたんだけどなぁ。
もっと言わなきゃダメだったのかなぁ。
……別に、言っても何も変わらなかったか。
今更何を言ったって、決まったことは決まったことだから、
もう、なんでもいいですけど。

さらばが面白いなんていうのは、わざわざ説明する必要もないくらい明らかなことだし、
きっと二人なら、ちょっと遠回りしても、またすぐにお笑い界の中心に戻ってこれると思う。
辞めさえしなければね。
だからそこに関しては、そんなに心配していない。
でもやっぱり、他のコンビが事務所やめるのとは、ちょっと話が、違うよ……。
こんなに言うのは、色々と期待しちゃってたからなんです。
おととしの10月、QuickJapanに2組が見開き1ページのインタビューが載った時に、
あぁこの先、もっと大きいページで、二組のインタビューが見たいなって思ったし、
今回のDVD収録みたいなライブをどんどんやってほしかったし、
333みたいな番組を、うしろさらばでやってほしかったなぁなんて。
無謀というか、高すぎる望みかもしれない。
けど少なくとも、前よりは近い所まで来てたはずだ。
全部これからだったじゃん。
KOCとか演芸大賞で、二組とも決勝進出して、知名度も上がって、
こういうことができるの、まさに今からだったじゃん。
だからそうやって、私が見たかったものが、全部飛んじゃったんだって思ったら。
それが結構つらい。
叶うかどうかなんてわからないよ。
でももう少し、この二組に夢を見せてほしかった。
もしかしたら、こんなこと思ってたのは私だけだったのかもしれない。
4人は4人でくくられるのが嫌だったのかもしれない。
私が見たかった未来と、彼らが行きたかった未来は、違ってたのかもしれないって思ったら、
実はそれが、一番しんどいかもしれない。
でもさ、冷静に考えてみたら、そうだとしてもそれは当たり前と言えば当たり前のことだよね。
私はどうしても、ライブを見ると色々期待してしまう。
次はこういうライブが見たいとか、この人達にこうなってほしいとか。
与えられたものをそのまま享受するのだけでは物足りなくて、
どうしても色々期待してしまうし、求めてしまう。
好きな人のことは、たくさんの人に好きになってほしいなって思う。
でもさ、相手は人間な訳だし、何でも自分の思う通りにはならないよね。
仮に、こっちがこうしてほしいと言った道を選んだあとで、
本人があの時やっぱり違う道を選んでればよかったと思っても、責任は取れない。
これは別に、今回のことだけに限らず。
今まで他にも、神保町でいい作品に出会った時とか、ライスの単独とか、
再演して欲しい、地方でもやってほしいって思ったけど、
仮に人が入らなくて(入ると思うけど)、損失になった場合、責任取れるかって言われたら取れないし。
賞レースでふるわない結果で、この人達はもっと面白いはずなのに、もっと認められるべきなのにって、
もどかしい気持ちになったところで、結局運やタイミングもあるから、
だからどうするかと言われれば、こちらには出来ることなんてないし。
何かあった時に、私はいつも「ファンに出来ることなんて何もないのかな」って思っちゃうけど、
多分、ないんだよ。実際本当にないんだよ。
だって、結局その人の人生だし。
だからね、お笑いを楽しむには、「期待しないこと」が一番なんだって思うようになった。
期待するからつらくなる。
期待するからもどかしく思う。
だからもう、面白いものを見て、面白いって思えばそれだけでいいし、
それ以上のことを求めるのは、やめた方がいいんだと思う。
本格的にお笑いライブに通うようになって4年半くらい経つけど、このことにようやく気付いた。
ちょっと遅すぎました。


「またいつか」なんて、ないと思った方がいい。
それは今回本当によくわかった。痛いほどわかった。
客の思いが作り手に届かないことがあるってこともよくわかった。
勝手な期待を募らせてお笑いを見る私が悪いってことも、とてもよくわかりました。
だけど、それでも、淡い期待は持たせてください。
不可能に近いことはわかってるし、本人達がそれを望んでない可能性があることもわかってる。
だけど、またいつか、角座でうしろとさらば二組だけのライブが見たいです。
別々の道を歩むことを選んだ彼らが、その道の先でまたいつか、出会えたら、
それこそマンガっぽくてかっこいいじゃん。
大丈夫、もう過剰な期待はしないから。
期待通りにならなくても、今回みたいにぶつぶつ言わないから。
またいつか。

1月19日 うしろシティ第3回単独ライブ『アメリカンショートヘア』

2013-02-06 23:45:22 | 単独ライブ
うしろシティの単独ライブ、初日と千秋楽に行ってきました。
単独を2回見るのは初めてだったんですが、たった4日間の間で相当変えてきていて、
もちろん最初から面白いけれど、何回もやっていく中で磨いていく方たちなんだなぁと改めて。
ネタ順は千秋楽のものに合わせています。
毎度の事ながら、今後この中のネタをやることもあると思いますので、
初日と千秋楽の変更点をメモしつつ、基本は感想だけになっています。
また、コントのタイトルは私が勝手につけています。
千秋楽にはカメラも入っていたので、DVDになるか、どこかのサービスで配信されるようになるかもしれません。
ネタバレになるようなことは書かないつもりでおりますが、どこかで見るまで待ちたいという方はご注意ください。

(2013/11 追記)
DVD発売が決定しました。
ネタバレ回避の方は、ぜひご覧になってから読んで頂くことをおすすめします。

うしろシティ単独ライブ「アメリカンショートヘア」 [DVD]
クリエーター情報なし
アニプレックス




・オープニングコント 
<卒業証書、授与>
相変わらず、単独のオープニングは一瞬で笑えるショートネタ。
千秋楽は、金子さんがメガネをやめた分、笑いどころが一カ所に定まってスッキリした感じに。
短い時間で、ストーン!と落ちる快感が気持ちいい。


・OPVTR
単独のタイトルにちなみ、お魚くわえたネコちゃんを追いかける二人。
とっても可愛らしくて、癒されるなぁと思っていたのに、最後急激にシュール(笑)


・チェンジ
<入れ替わったってことですよ!>
初日はだいぶ後半にやっていたネタですが、千秋楽はこの位置と交換。
入れ替わりネタは定番と言えば定番ですが、この二人のはまたそれとも違って。
自分達の強みを生かした、なんともあざといネタに(笑)
顔のところはずるいね。こういうことを堂々とやりきっちゃうハートの強さ。


・漫画の持ち込み
<…ヒロインだぁ!>
これは金子さんが相当キャラを変えてきてました。
初日ではだいぶ当たりが強いイヤミなおじさんだったのが、千秋楽ではちょっとやわらかい感じに。
こういうネタは、笑いどころに入るまでの導入が好きです。
客側が、「あぁ、こういう仕掛けなんだ」って気付いていく感じは、ある種さらばと似ているのかも。


・ブリッジVTR 阿諏訪とネコのかわいい映像
阿諏訪さんが猫カフェで猫ちゃん達と戯れている映像を見ている金子さん。
その様子がワイプで抜かれている。
「あーかわいい」「阿諏訪のこういう表情普段見れないもんね」とか言いながら。
ところがそんな金子さんに突然銃がつきつけられて、銃撃戦がはじまる……。
という、つまり、「ネコの映像よりもワイプの方が気になるよ!」というVTR。
いやー、本当にすごい人達だな(笑)
最後に金子さんが銃を突き付けられて、最期を悟った瞬間の表情が素晴らしかったです。
息が止まりそうなほどドキドキした。


・物件
<ちょっと迷ってますね……>
金子さんの「普通の好青年」役のハマりっぷりがすごい。きらきらしてる。
中盤の、説明しないことによる怖さのところが秀逸でした。


・ヒーロー
<どうしたんだ、フェニックス!>
初日から楽しそうだったけど、千秋楽では特に更に楽しくなっちゃったのか、
金子さんの喋りが止まらなくて全然先に進まない(笑)
阿諏訪さんも思わずキャラをちょっと降りて、「早く行けよ!」と笑いながら言っちゃってました(笑)
「ガンダム入ってる」のところがシュールすぎて苦しくなるくらい笑った(笑)


・ブリッジVTR 金子とネコのかわいい映像
先ほどの逆バージョンで、金子さんが戯れている映像を見ている阿諏訪さんに、
催眠術がかけられて……。
普段クールな感じがする阿諏訪さんが、やりたい放題ひっかきまわされてる。


・サッカー部
<思い切り泣きなさい……>
とってもアニメっぽくてかわいらしいドタバタ劇。
何気ない一言ひとことが、本当に練られているなぁ。
千秋楽ではオチに行く流れが綺麗に作られていて、こういうところさすがだなぁと。


・ブリッジVTR 人気ドラマ蔵出しNG集
これはもう何と言うか、怖さしか感じませんでした…。
最初に「何これ!(笑) なんでこれがOKテイクなの!(笑)」と思ったところからしばらくして、
金子さんがTAKE2で絆創膏を貼って出てきたところで、「そういうことか!」とわかった瞬間の怖さったら!
最初は阿諏訪さんのミスをからかっている感じの金子さんが、回を重ねるごとに明らかに機嫌が悪くなっていくところとか、
プレッシャーでどんどん追いつめられていく阿諏訪さんとか、
こんな過酷な状況に不釣り合いな陽気なナレーションとか(笑)
なんかあらゆる怖さが一気に凝縮されたようなVTRでした。結構ブラック。


・転任
<みんな、見送りに行こう!>
ピュアな金子さんに振りまわされる阿諏訪さん、という黄金パターン。
なんだけど、一見すると阿諏訪さんの方が変なのに、話が進んでいくに従って金子さんの方が変だと明らかになっていく感じ。
その導線が綺麗だから、こちらも注目する人物をちゃんとシフトしていける。


・ヒッチハイク
<『北海道』>
個人的には、今回一番好きなコントでした。
もうすごい。本当に、見事としか言えない。
ヒッチハイクという、散々やり尽くされたであろう設定で、
よくここまで自分達の色を出して、自分達にしか出来ないことをできるなぁって。
これまでによくあるヒッチハイクのネタは、ひたすらボケていくようなものが多くて、
それが悪いわけではないんですが、ふとした瞬間に、
「なんでこの人達はこんなにボケてるんだろう?」 と思ってしまうことがあって。
それに対してうしろシティは、なんでこういう状況になってしまったのか、という理由付け、ストーリーがちゃんと出来ている。
前にも書きましたが、アンジャッシュの渡部さんの、自分達はコントにおいて「マジメな教育」を受けてしまったという話。
例えば喫茶店のコントだったら、変な店員さんとそれにツッコむお客さんという感じで、ただ面白ければいいと思っていた。
でも養成所の先生に、「そんな非常識な店員だったら、普通はお客さん帰っちゃうから、
例えばその喫茶店で待ち合わせしているから帰れないとか、そういう理由がなきゃダメだよ」と言われたと。
このコントを見ながら、渡部さんのこの話を思い出していました。
しかもその理由付けを、一切台詞の説明なしで、表情だけで伝えている。そこがすごい。
どちらも悪者ではないのに、なんだか組み合わせの悪い二人が出会ってしまって、変な方向に向かってしまう。それがすごい。
そんなことをネタの最中に思ってしまって、 思わず感嘆のため息をついてしまいました。
……迷惑な客ですね(笑)
これ、KOCの予選でやったら映えるだろうなぁ。
色々なネタがあるなかでも、 絶対に埋もれないだろうし印象に残るだろうから。
でも、準決勝のBLITZは広いから、表情や文字が見えなくなっちゃうかなぁ。
そういう理由で出来ないとしたらもったいないなぁ、いいネタなのになぁ。
……とまでネタ中に思ってしまった、本当に迷惑な客ですね(笑)


・ブリッジVTR 岡崎さんの呼び出し①
ある日岡崎マネージャーに呼び出されたうしろシティ。
君達のネタは台本はいいけど、演技力が足りないと言い出す。
そこで岡崎さんと本間さん(松竹のスタッフさん)が、転校生のネタをやってみる。


・上京
<そういう中で、やれるか?>
阿諏訪さんのキャラがキレキレ(笑)
それを直球のフレーズでバシバシ斬っていく金子さんも気持ち良くって(笑)
こんなにひどいこと言ってるのに、全部面白いんだもんなぁ(笑)


・あいざわさん
<……あの、あいざわさんですよね?>
金子さんの一つ前のコントとの差が激しすぎる!本当に怖い。
何回も繰り返される阿諏訪さんの「やっべー」にひーひー笑った(笑)
あとは、話シティを見ている人ならさらに面白く感じるようなくだりも入っていたりして、
私も毎日見れているわけじゃないけれど、こういうのはボーナス的な感じで嬉しくなりますね。
オチも綺麗。


・ブリッジVTR 岡崎さんの呼び出し②
岡崎さんと本間さんがちゃんと衣装も着て、改めて転校生ネタを。
なんか、そりゃ当たり前でしょうということを言いますけれども、
やっぱり、うしろシティって本当に演技上手いんだなぁって……(笑)
こんなことを、岡崎さんと本間さんのやっているところを見て思うのは、
双方に対して本当に失礼だということは、わかってるんですけども(笑)
お二人はスタッフさんだしね(笑)
そりゃそうなりますよね。
でもやっぱり、さりげない驚きの表情とか口調とか、それが自然に見えるようにやるというのは
いかに難しいことなのかを思い知らされた感じがする。


・呼び出し
<お前、芽生えたな>
2人とも不良なのに、なんだか憎めないかわいらしい不良。
最後の金子さんの切り返しが楽しかったなー!


・EDVTR
冬の温かい日差しの中を歩く二人。
ライブが終わってしまう寂しさと、温かい空気が漂う幸せな雰囲気。
人は、一生のうちにどれだけ、こういう幸せを味わうことができるんだろうなぁ、
なんて考えていた。


EDVTRの後に出てきた二人の表情がまた素敵。
阿諏訪さんは、終わったー!と、天を仰ぎながらかみしめるような表情。
いやぁ、本当に、本当に大変だったんだろうなぁと……。
金子さんは、客席の拍手に合わせて、自分もぱちぱち。
単独としては以上なのですが、この後収録のために、追加で2本ネタをやってくれていました。
この2本がまた、素晴らしいチョイスで!
まだまだ彼らにはこんなパターンがあるのだよということを、見せつけられるようなネタだと感じました。


今回の単独では、阿諏訪さんのキャラがさらに可愛らしく魅力的になっているものが多いなと思いました。
金子さんに翻弄されるものでも、あまりかわいそうにならず、アニメっぽくコミカルな表情や演技をできるのが素敵。
一つひとつのキャラがさらに定まってきて、その中で振りきれる部分はきちんと振りきれている感じがしました。
そして金子さんは、普段も魅力的だけど、単独で見るとさらにその演技力に驚かされます。
どんな役柄も自然に自分のものにして、変幻自在に操る。
これで、自分は演技力があるとは思っていない、金子のままで演じている、と考えているのがすごいよなぁ。

ネタももちろん全部面白かったのですが、忘れちゃいけないのがブリッジの存在。
この、ブリッジが全体的にシュール極まりない件はどう処理したらいいのでしょうか(笑)
彼らは普段のコントで出さない部分、本当はやりたいけどコントじゃなかなか難しい部分を、
こうやってブリッジでやっているのかなぁ。
それにしても、ネコのかわいい映像のところはやられました。
かわいいとか、アイドル売りとか、色々言われているのはきっと本人達もわかっていて、
それを認めた上で逆手にとっちゃう感じ。
直接的に抵抗するのではなく、乗っかって活かしたうえで、裏切る感じ。
その計算高さと熱い気持ちが見え隠れする感じがして、ちょっと震える。

私は、前回の単独ライブの時の感想で、
「この人達が売れなかったら、嘘だ」
と、ちょっと強めのことを書きました。
それは別に、本人達にプレッシャーをかけているわけではなくて。
こんなに売れる要素がある人達がいるのに、この人達が売れなかったら、
もうそんな世界に期待することは何もない、と、そういう意味合いで書きました。
去年のKOCで、金子さんの言葉を借りるなら、やっと「自分達の声が届いた」という感じで、
多くの人達に認知されるようになって、人気も急上昇して。
きっと、各所から色々な思いが乗せられているんだと思います。
プレッシャーをかけられている部分もあるんだと思います。
でも、今回彼らは、そういう声をいい意味であまり気にせずに、
自分達に出来るのはいいネタを作ることだと、腹を決めていたような感じがしました。

この二人が、どこまで行くのか見てみたい。
一人は、前の相方さんには、自分のやりたいことが伝わらなくて解散してしまって。
一人は、前のコンビでは、自分だけでネタを作っていて。
そんな二人が出会って、コンビを組むことになって。
そうしたら、一人は、今の相方さんとは面白いと思うポイントが同じで、一人で全部頑張っていたという肩の荷が下りて。
一人は、二人で笑い合いながらネタを作れたのが嬉しくて、そして以前から知っている人に驚かれるくらい明るくなって。
嘘みたいだ、と思う。
書いていても嘘みたいだ。
まるで、出来すぎの、爽やかすぎの、青春マンガみたい。
ドラマチックなコントをやる人達だけど、
実はこの二人自身のストーリーこそが、何よりもドラマチックだ。
彼らのコントの登場人物達のストーリーを追いたくなるように、
彼ら自身がこれからどんなストーリーを紡いでいくのか、見ていきたいの。


この千秋楽からわずか3日後に、衝撃の発表があって、
詳しいことはわからないけれど、今の私は、ただただショックで、寂しくて仕方がありません。
彼らの新しい道を応援すべきなのはわかっているけど、
ちょっと今は、そこまで気持ちを持っていくことができません。
もう、痛いほどわかったよ。
いつもと同じように、いつもと同じ場所で、いつもと同じ大好きな人を見るということが、
いかに突然なくなってしまうものか、痛いほどわかったよ。
普段はそんなこと意識してないし、意識したくもないけれど、
でもそれが現実なんだって、痛いほどわかったよ。
イタトンは、心の痛みには効かないんだよ。
現実は、常に、私の想像の遥か上を行く。
もはやこの世界に、「確かなこと」なんてないのかもしれない。
今日も、明日も、明後日も、同じように未来が続いていくなんて、幻想なのかもしれない。
だけど、だからこそ、信じたい。
この二人は、ずっとずっと変わらずに、いつもと同じように、二人で笑いあいながら、
素敵なコントを見せ続けてくれるって、信じたい。
どんなに周りが変わっても、どんなに時が流れても。





そして世界や 宇宙や いつもの街の景色が 変わってしまっても
弱気になんかならないで
規格外の
ストーリーを
君の声で聞かせて
                   (まつきあゆむ/シュレーディンガーの子供たち)