おじいさんが生きていた頃
よく食べていた
薄皮粒アンパン
「食べろ。」と
ちぎって
ロッキーにあげるんだけど
においだけ嗅いで
「プイッ」と横を向く
するとおじいさんは
「贅沢な犬だ。」
僕もそのパンが
あまり好きじゃなくて
横でいつも笑っていたけど
今は食べている
☆****☆
タバコもやめて
お酒もやめて
あの日のおじいさんの
気持ちが分かるような気がする
年月の流れと言うのは
残酷なもので
人々の大切なものを
すべてをのみ込んで行く
☆****☆
道にセキレイがいると
戻ってきてしまうロッキー
どこまで気が弱いんだろう
どれだけ優しいんだろう...