

「お手!」は
家へきたときから出来ました
「お手!」が出来るんだから
「お足!」も出来そうなもの...
でも、
出来ませんでした
何とか出来たのが
「待て!」
ただ微妙、
待たないときも多い..
☆****☆

僕が家に帰ると
「ワンワンワンワン...」
喜んで二階で
飛び跳ねていたロッキー
そして数年後、
僕が帰ってきても
鳴いたり、飛び跳ねたり
しなくなった
僕が部屋に入って
「ただいま。」と言うと
お気に入りの座布団に
背中を向けて寝ていて
尻尾だけ振る
とても義理堅い奴なのです

☆****☆
僕らの部屋は
二階にあって
ロッキーはとても上手に
階段を上っていたんですが
いつからか
落っこちたりするようになって
階段の下で
上るのをためらったり
僕は自信をなくしただけだと
思っていたのですが
体の衰えが
きていたのですね

オシッコの時
高く上げていた足を
三十度ぐらいに
下げてするようになって
チョロチョロチョロ...
以前は水鉄砲でしたが
そして全く
足を上げなくなりました
☆****☆

「ドーン、」グラグラグラ...
突然、地震がきて
「ワンワンワンワン..」
怒り出したロッキー
でも、また来ると
隣の部屋の机の下へ逃げ込むのです
僕のところへは
間違ってもきませんでした
☆****☆
昔読んだSF小説で
四つの異次元の世界があって
一つは今の世界
もう一つは逆の世界
僕が死んでロッキーが
生きている世界、
そして両方死んでいる世界と
二人とも生きている世界、
夢の中では
いつも僕らは生きているんだけど
この世界には
僕一人きり、寂しいな...

「散歩へ行こう 、ワン。」
