
病院を出て
タクシー乗り場へ
「フラフラ、フラフラ..」
歩いていくと
ドアの前に立っても
僕に気づかない運転手
やっと気づいて
「あっ、すみません。」
「急に暑くなりましたね。」
「僕は寒がりなんで..」
「お客さん、生まれはどちらですか?」
「上田です。菅平の下です。」
「あのへんは、寒いですよね。」
「ありがとうございました。」
「お大事になさってください。」
「はい。」
切符を買ってホームへ下りると
電車が出たところ
「ぅわっ、参ったな...」

☆****☆
13日の投薬後、体調が悪く
18日の検査には
入院の準備をして
出かけていったのですが
血液の結果は
悪くなくて
「医師からはどうされますか?」
「体調が悪いんで入院させてください。」
六人部屋の真ん中のベッドで
寝ていると
突然婦長が走ってきた
「個室に移動しますから..」
「えっ、いいんですか。」
☆****☆

後から感染症の病原菌が
検査で見つかり
僕は個室に隔離されたのでした
廊下へも出られず
この部屋で五日間、
暮らすことになったのです
☆****☆
足の炎症部分に薬をつけていると
「何やら、キラキラ...」
虫眼鏡でよく見ると
それは金粉...

体から出てきたのかな...
いっぱい出てきたらお金持ちになれるかも..
薬をつけるたびに見ているれど
それはこの時一度だけ...

「あまいね。相変わらず....。」