3・11 再会

今年の3月11日、忘れられない大切な再会がありました。

朝から東日本の特集に胸がいっぱいになって泣いていると一歳半の息子がそばにきて頭をなでてくれました。

あの時はまだ私のお腹の中にいた小さな小さな命でした。

自分の震災体験がフラッシュバックし、さらに津波まできた大変な東北の方々に何も力になれず歯がゆく辛く苦しい時

この子の命のためになんとか生きなきゃと思っていたあの日が信じられないほど、

今では息子もすっかり大きくなり自分の意思で力強く生きています。


美しい岡本梅林を見た帰り、一人の時間ができ、心を澄ましていると ふと懐かしいお家の前を通りかかりました。

震災復興のための神戸ドリームオーディションで私が賞をいただいた翌年のグランプリ受賞者、光乃夕美さんのお宅でした。

夕美さんとはまだ独身時代、同じ新聞紙面で紹介されたことがきっかけで仲良くなり

神戸で一緒にコンサートでコラボしたこともある素敵なかたで 結婚されたことは知っていましたが

私の携帯が故障してから連絡先もわからなくなってずっとずっと気になっていました。


さっちゃんというかわいい妹さんが いつも窓から外を眺めていたことを思い出し、

さっちゃんだけでもいるかなあと思いきってピンポンすると

笑顔の素敵なお母様が出てきて

今は立派なママになられている夕美ちゃんにお電話を繋いでくださいました。


離れていてもお互い同じ気持ちだったことがわかり、懐かしい話で盛り上がりました☆


その後、お母様から、さっちゃんは３年前に亡くなられたとききました。


練習時さっちゃんも一緒に演奏して遊んだこととか、さっちゃんの笑顔とかいろんな想い出が涙と共に溢れました。


もっと早くに来れてたら‥と悔やみましたが

いのちを感じる大切な日に

「今を大切にね」

とさっちゃんがあらためて教えにきてくれたように感じて不思議でした。

さっちゃんのお部屋の窓が開いてたおかげで この大切な日にピンポンできたこと、

たまたま一人きりの時間が持てたこと

すべては偶然ではなく必然だったのだと思います。


少しの勇気で今をより素敵な方へと変えて行けること

『今この時』を大切に生きること

これからも忘れません。


さっちゃん、ありがとう。


復興にはこれからがより一層大切な時だと思います。

まだまだ一人ひとりの力が必要です。

東日本大震災で犠牲になられたたくさんの方々のご冥福をお祈りし、

また私も少しでもお役に立てることを見つけていきたいと思います。