相場三昧 マーケットウォーカー

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三位の法

2010-07-11 16:47:14 | 相場の張り方
えっ~~と、前回の続き

宗久は、公案の示す「風・旗・心」の絡みを次のように解いた。

相場は、「旗」すなわち水準、「風」すなわち天候などの材料
そして「心」 すなわち心の動きである人気。この三つによってつくられる。
宗久はこの三つを組み込んで「三位の法」とした。

宗久は大きな悟りを得て、再び米相場に挑戦すべく今度は経済の中心地である
大阪堂島に場所を移した。当時の大阪は、その財力で江戸を上回るスケールだった。
相場の資金をととのえた宗久は、大局観と戦術を立てるためにしばらく静観していたが
まず、買いから出た。その玉に利が乗ってくるとさらに買い進んだ。

はじめのうち堂島では、「出羽の田舎者が意地になって買いよる」と冷ややかだった。
しかし宗久が当たり続けしかも天井でドテン売りに転じ、これも大成功しては
段々と堂島で注目されるようになった。

堂島で成功した宗久は因縁の地、江戸の蔵前に戦場を移した。ここでも
宗久は連戦連勝した。人々は「酒田照る照る、堂島曇る、江戸の蔵前雨が降る」
とはやした。

・・・。

宗久は他人に自分の相場観を説いたり、相場の仕方について語ることはなかった
ただ、故郷からたびたび訪ねてくる善兵衛(本間家出入りの米屋)だけには
心を広げ熱心に話をした。
現在に伝わる「宗久翁秘録」は、善兵衛が宗久の語ったものを書き留めたものである。

宗久は、かたくなまでに相場を客観視しようとした人で、相場は人為の及ぶものでない
という考えを貫いた。このことは「宗久翁秘録」のすべての項に、にじみ出ている。

なかでもたびたび出てくるのは、「相場を休む」ということである。
もう一つは、「人気の逆を突く」ということである。






コメント
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