中国語では、「素菜」とは一般には肉を使わない料理を指す様です。現代漢語大辞典には、「素菜」とは「肉類は加えずに野菜や瓜果を使い植物油で料理した物」との説明があります。中日大辞典(大修館書店)や中日辞典(小学館)には、「精進料理・菜食等」と説明してあります。素菜とは中国では、一般には肉や魚等を使わない野菜だけの料理を指し、葷菜(hun cai)とは、肉や魚を使った料理を指す様です。尚、瓜果とは、南瓜、西瓜、東瓜等を指すとの事。
貴州省に滞在中には気が付かなかったのですが、雲南省の昆明市や大理市では、素菜と云う文字や葷菜と云う看板を良く見かけます。貴州省にも素菜と葷菜 が区別してある店はあまり見かけなかった様に思います。それに引き換え、雲南省の省都昆明市や大理市等の食堂では「素菜」「葷菜」と表示してある店を良く見かけます。
昆明市の駅前の食堂。この様な表記が目につきます。一葷菜二素菜とは、葷菜一品と素菜二品と云う意味。ご飯は無料。
肉や魚を使わない料理が4品で10元。
昆明駅周辺の食堂のお客は、殆どが旅行客やよそ者で地元の人は居ません。値段も高い。
素菜とは、精進料理を意味するとの説明が幾つかの辞書にありますが、これを精進料理と呼ぶのには些か抵抗があります。肉や魚を使わない料理と云う云い方の方が相応し気がします。
昆明市の駅前にはこの様な食堂が沢山並んでいます。私は駅周辺の食堂では一度も食べた事はありません。色々な葷菜と素菜が並んでいますが、食べようと云う気にはなりません。
これは駅から離れた場所にある食堂ですが、客は殆ど地元の人で、観光客は見かけません。
葷菜を現代漢語辞典で調べると「辛みのある野菜、例えば葱、ニラ、ラッキョの類」「鶏、鴨、魚、肉類等の食べ物」との説明があります。中日辞典(大修館書店)・中日辞典には、「生臭料理・肉や魚を使った料理」との説明がされています。
新漢語林(大修館書店)で「葷」を調べると「辛い菜、また、臭い菜 にんにく、にら、ねぎ等の類、なまぐさ、なまぐさいもの、肉類」と説明してあります。駅前の食堂に並んでいる品を見ると素菜とは肉や魚を使わない料理。葷菜とは肉や魚を使った料理と云う感じが良い様な気がします。葷は、クンと読むとの事。