映画監督張芸謀が、一人っ子政策に違反して三人の子供をもうけた事件は、昨年新聞やTV等でも大変に大きく報道されましたが、彼が一人っ子政策に違反した事で払う養育費は、700万元になるだろうとの事です。また、この700万元と云う金額は今迄払われた社会養育の中でも最高の金額になるとの事。
2013年12月29日付の新華網(電子版)等に拠れば、張芸謀が払う「社会養育費」は700万元となるとの事です。張芸謀と陳婷(彼の現在の妻)夫妻の三人の子供は、それぞれ2001年、2004年、2006年に、未婚の夫婦の間の子供として生まれたとの事です。
張芸謀の三人の子供が戸籍登録されているのは江蘇省無錫市との事ですが、現在の居住地の江蘇省の「江蘇省人口及び計画生育条例」の規則には、「未婚で二人或いはそれ以上の子供を産んだ場合は、出生前年の城鎮居住民の年平均可処分所得の5倍から8倍の社会養育費を納める、また、違反した夫婦の実際の収入が、城鎮居住民の年平均可処分所得の2倍を超える場合は、その超えた収入部分の2倍から3倍の社会養育費を支払うものとする」と条項があるそうです。
張芸謀夫妻の年収は、2000年は年収2760元、2003年の年収は、106万元、2005年の年収は、251万元との事ですので、この規則を当てはめて計算すると、例えば2003年度の場合は、城鎮居住民の平均可処分所得額は11467元との事ですから、11467元×8倍分の金額に加え、張芸謀の収入1060000元から11467元を引いた金額を2倍した額とを合わせた金額2189882元を払う事になるそうです。同じように計算すると、2005年は約500万元となるので張芸謀は、合計約700万元の「社会養育費」を払う事になるそうです。
2000年の張芸謀の年収入が僅か2760元との事ですが、これは広西映画制作所の名誉所長として月額230元を受け取っていた以外には全く収入が無かったとの事。
2013年12月末に張芸謀夫妻は、初めてTVや新聞の取材に応じて子供三人の「超正」について、また、戸籍を登録した経緯等についても答えているようです。それに拠れば、2011年に子供三人の戸籍登録したのは、第六次全国人口調査を前にして国務院が「夫婦の結婚証明証、夫婦の戸籍証が有れば子供の戸籍登録が出来る」との特例を出したので、居住地の無錫市に戸籍登録をしたもので、別に違法な手段を用いたものではないとも強調しています。
一部のメディアは、張芸謀夫妻が無錫市に、未婚状態で子供の戸籍登録が出来た事についても、疑問も投げかけていました。
また、張芸謀夫妻は、記者会見の中で、「三人の子供にも、この件では大きな影響を与える事にもなり、我々は大きな過ちを犯した、また公の人間として社会にも悪い影響を及ぼす結果となった、我々二人は社会に対して心から謝罪したい」とも述べたようです。去年の5月から問題化した張芸謀の「超正」の問題は、これで漸く幕引きとなりそうです。張芸謀夫妻も以前のような強気の姿勢はすっかり影を潜め、苦渋の色を浮かべながら中国中央TVでも記者の質問に答えていました。