中国貴州省とそこで暮らしている苗族トン族等の少数民族を紹介しています。

日本人には余り馴染みのない中国貴州省と、今私が一時滞在中の雲南省や大理白族自治州大理古城について

貴陽市で襲われた日本人

2012年09月21日 | 貴州省

貴陽市に一時滞在中していた、日本人男性の河原さんという方が貴陽市で襲われた件は本当に残念な事だったと思います。

魚釣島の問題で、貴陽市でも15日、18日と日本に対する抗議のデモ行進が行われましたが、デモ行進の最中あるいは、その前後に暴徒化したとか、デモ参加者が狼藉を働いたという事実は全くありませんでたから。

16日にもデモがあったかは不明ですが、16日デモがあったとしても暴徒化したとか、混乱があったとは、現在に時点では確認出来ていませんが、そういう類の事は全く無かったようです。

15日、18日貴州で行われたデモには、公安関係者や警察が大量に動員され、警察の規制がうまくいったという点もあり、デモに伴う混乱やデモ隊が暴徒化するようなことが無かったのかもしれません。また、貴陽市では、両日ともデモ参加者は他の都市と比べれると割合と少なく、(参加人数は、15日は8百人前後、18日は6百人前後)それが混乱が起き無かった原因の一つかもしれません。

ネット上では18日のデモの前日には秩序あるデモをとか、同胞の財産を壊すような行為は絶対にしない事と呼びかける書き込みも目立ちました。デモ参加者自身も整然とした秩序あるデモ行進をするよう心がけてデモを行った様で、その結果による効果も大きかったようです。

デモ行進が始まってからも沿道には、沢山の野次馬がいましたが、デモ行進中に沿道でデモを見学している人が、デモの隊列に参加してデモの人数がドンドン膨れ上がると言う事もありませんでした。沿道の人達は、概ね携帯で写真を撮ったり、ただデモの行進を珍しそうに眺めている様子でした。デモを見る機会は滅多にないことでしょうから、恐らく多くの人達にとっては初めて見るデモ行進で、兎に角物珍しいという風に見受けられました。デモ隊が来たら沿道の人達から特別に大歓声が挙がり、声援が送られるという感じでもありませんでした。デモ解散地点の広場等でもデモの隊列を見ている沢山の野次馬もいましたが、特に混乱もなく終わりました。

そのような状況の中でデモとは全く関係のない所で、今回起きた地震の被災地へ薬等の援助物資を届ける為に、貴陽市に一時滞在中の河原さんという人が襲われたのは本当に残念です。しかし、どうも襲った人達も、河原さんと知って狼藉を働いたようではない様です。たまたま日本人だと知って襲ったようです。無論、襲われた人からすればそういうことは関係ない事と思いますが。

しかし、残念なのは、河原さんのブログなどを見ると「援助物資には指一本触れさせない」等と援助物資を届ける人と知って襲ったかのような誤解を生む記述がある事です。また、ブログにも貴陽市と書いてあるわけではありませんが「日本語教師やビジネスマンが緊急に帰国し」ともありますが、現在
貴陽市には7名程の日本語教師がいますが、帰国した人は誰もいません。私が知っている日本語教師は全部大学で教えている人ですが、先生達には契約期間もありますし、他の中国の都市にせよ、現在の状況の下で任期途中で帰国する人がいるとは信じがたいです。何れにせよ貴州省の状況は緊急帰国するほど切迫、緊張した状況ではありません。

日本人留学生や日本語教師など我々日本人は、基本的に大学周辺に居て、抗議のデモが行われた貴陽市の広場周辺やデモのコース等行かなければ危険はありません。貴州市内の各大学とも日本人に対しては、デモが行われる市内には近づかない事、出来るだけ寮や宿舎に居て、外出を避ける事などの注意はありましたが現在の時点で、貴陽市では日本人留学生やビジネスマン、教師達が危険な目に遭ったと云う様な話は全く聞いておりません。

今回の襲撃の件は、詳しくは分かりませんが地震の被災地に援助物資を届けようとした人と知っていたら中国人も襲わなかったと思います。今回の襲撃の件を知って多くの中国人から、一緒に被災地に同行したいと申し出があったようですが、そのような好意や申し出を本人は、再度襲われるかも知れないと断わったのも大変残念だったと私は思います。

また、これだけ日本のマスコミにも注目され、一部中国のメディアも報じ、多勢の中国人の関心、注目も浴びている下でこのような善意溢れる日本人を、襲う勇気ある中国人もいないと思いますが、、、。

 また、現地までの行動は、身の安全の為に一切明かさないというのも気になります。地元警察や関係当局も、当然の事ながら、彼の身の安全は保障すると思いますので、むしろ自分たちの行動を全て明らかにして、善意の行動を公にして、同行を申し出てくれた中国人と一緒なら襲われる危険は全く無いとおもいますので、どうしてその様に秘密行動をとるのか、私には理解できません。

もし、万が一にも襲われるような事があれば一緒に行くと申し出た中国人は身を挺して、身の危険を顧みず身を守ってくれると思います。たまたま、襲った中国人は別として、善意の申し出をしてくれた中国人と共に行動しても良かったのではないかと思うと残念です。もう少し現在の状況を信頼して、、現時点での中国人の心根を信用しても良かったのではないかと思います。

 

 

 

 





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