嵐ファン・大人のひとりごと

嵐大好き人間の独りごと&嵐の楽曲から妄想したショートストーリー

妄想ドラマ 『Snowflake』 (13)

2009年10月31日 | 妄想ドラマ『Snowflake』
白衣を脱いだあの方の後姿にホレボレしてしまいました

その後姿を悟に重ねてニヤニヤ・・・ええ、不気味です私。自覚しております。

ではBGMは嵐の『Snowflake』でどうぞ!


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      妄想ドラマ 『Snowflake』 (13)



悟はテーブルに置かれた伝票を取ると、戸惑う美冬にはおかまいなしに

レジへ行って支払いを済ませた。

店の外で両手を開いて大きく伸びをした。

さっきまでと街の色が違っているように感じる。

美冬が後ろから声をかけた。

「待って、私を描いても」

「売れない?そんなことはどうでもいい。ただ描きたい気持ちがどこかへ

 行ってしまわないうちに取り掛かりたいんだ。協力してくれるって言っただろ?」

振り返った悟は楽しくてたまらないといった様子だった。

「どうして私なの?もし誤解されるような言動があったのなら・・・」

「何を誤解するの?今の美冬さんをそのままに描きたいだけ。早く!」

悟は美冬の手を握ると、駅への道を走り出した。

「今夜だけでいいからモデルになって。もう構図は浮かんでるんだ」

「わかった。だから止まって!話を聞いて」

「大丈夫だよ。ヌードじゃないから」

そう言って悟は笑った。

久しぶりに心が新鮮な空気を吸ったような気分だった。

美冬も悟の笑顔に巻き込まれて笑った。



下北沢の駅から悟のマンションまで歩きながら、美冬がもう一度聞いた。

「ほんとに私を描くの?悟君の人物画ってめずらしくない?」

「夢を持っている人を描きたくなったんだ。最近の俺ってなんか空っぽだったから」

「私ね、いい年して理想ばかり追ってるって父に言われる」

「そうかもね。でもその理想の実現に俺も参加したくなった」

「ありがとう。嬉しい」

「今ね、描きたくてうずうずしてる。冬眠から覚めた熊みたいな気分。絵が完成したら美冬さんにプレゼントするよ」

二人は途中のコンビニで、夜食にするサンドイッチと飲み物を買った。



悟はひとつしかない椅子に美冬を座らせ、自分はベッドに腰をおろした。

休憩をはさんで全身と上半身の2枚の絵をデッサン用紙に鉛筆で書いた。

悟の真剣な眼差しに、栗原美冬という人間を見透かされてしまいそうな気がする。

「じっと見られるとなんだか緊張しちゃう。おかしいわね」

「学生の時とか友達のモデルになったことはないの?」

「無かった。私って悟君にどう見えているのかな」

悟の手が一瞬止まった。

「綺麗だよ」

「大人をからかうもんじゃありません」

「俺も今は大人だけど」

美冬はその言葉に不意を付かれて動揺した。

目の前にいる悟はもう17歳の少年ではなく、23歳の大人の男性だという当たり前のことを急に意識した。


6年前、瑞々しい感性で心に飛び込んできた悟の作品は、技術的な進歩と人生経験を積むことで、

さらに奥深さと可能性を併せ持つようになっている。

それなのにキャンバスに向かわない悟をもどかしい思いで見ていた。

この半年のスランプを脱する何を悟は感じ取ったのか、美冬は考えていた。

そんな力が自分にあるとは思えない。


沈黙の時が流れ、やがて悟に穏やかな笑みが戻った。

「ありがとう。後は完成前にもう一度お願いします」

「わかった。そのときは連絡して」

美冬は椅子から立ち上がると、悟が描いた自分を見ようとしてやめた。

「やっぱり完成してから見せてもらうね」

さりげなく部屋を見回して、ベッドの枕元にある時計の針を見た。

その視線に悟が気がつく。

「もう終電出ちゃったから送るよ」

「一人で大丈夫よ。キャリアウーマンですから慣れてます」

美冬は悟の優しさが嬉しい半面、不思議でもあった。

力になってあげたいと思った少年は、成長していつの間にか自分の方が守ってもらう弱者になっている。


「さっき、私の理想に参加してくれるって・・・」

別れ際に美冬が言った。

「描き続けるよ俺。ほかに進む道は見つからない。それでいいんだよね」

「そうしたいんでしょ?」

悟は黙って頷いた。

外に出ると、一時の静けさを取り戻した街には、ひんやりとした風が吹いていた。

それでも美冬は悟が再び絵を描き始めた嬉しさで、寒さを感じなかった。



        ---------つづく------


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なんか起こりそうな予感!?

美冬さんは29でしょ・・・揺れる年齢かしらねぇ。

アラサーってやつ。

私はぜんぜん素通りでしたが

40はちょっとね、一山あったかなぁ~気持ちのなかで。

おっと年がばれる。

ではまた


コメント
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