我 老境に入れり

日々の出来事をエッセイと写真でつづる

松柏100句選より(番外編 2)

2022-09-18 05:44:41 | 俳句、短歌、及び文芸

(109) 延々と 山を這う影 月の長城

(110) 黒々と 聳える長城 月明り

この2句の中見出しが「万里の長城で月見」とある、

なんとも羨ましい限り、

万里の長城で月見とは!

こんな事中国人以外で誰が経験し得よう、

仕事で中国に長期滞在したことのある

作者ならではの貴重な体験であろう、

だが作品は残念ながら俳句らしくない、

❝延々と❞とか❝黒々と❞など全く不要、

万里の長城 や 月明かり などから想像はつくからだ、

このように広がりのある言葉は読者の想像に任せるに限る、

そこで 長城 と 月見 に焦点を絞って

❝長城に 月見せしこと 孫に言う❞

この場合❝孫に言う❞は事実とは異なる、

事実と違うことを句で表現することに抵抗を感じる

御仁は少なからずいる、

私はそれを否定するものではないが

少なくとも表現するからには俳句に限らず

表現したいことを無駄なく効率的に表現することに

意を注ぐのが最良だと思っている、

(112) 天守から 春の瀬戸見ゆ 今治城

(114) 満開の 丘から眺める 尾道の街

2022年4月作者を含め同級生4人でしまなみ海道を

レンタカーでドライブした、

2句ともにその時の記録だ、

作者ならずともどちらも記憶に留めたい眺めであった、

❝しまなみの 大橋見ゆる 今治城❞

❝花吹雪 尾道の街を 隠しけり❞

(115) 爛漫の 花を添えたり 耕三寺

(119) 魚獲らぬ しきたり今も 神の島

どこもかしこも花盛りであった、

耕三寺は国内の有名な神社仏閣の建物を模倣した

建造物が多数あることで知られている、

桜、はな桃の花などが色を添えて見事であった、

神の島 とは大山祗神社(おおやまずみ)を祭る

大三島のことである、

この島では今なお島の住民は魚を食べるけど

自分たちの手では取らないしきたりがあると言う、

❝禁漁の しきたり守る 神の島❞

(120) 難所なり 来島海峡の 潮速し

(122) 松山は 街並みクールな 城下町

来島海峡は潮の流れの速いことで知られた海の難所だとか、

❝来島の 潮流うずが 湧き上がる❞

ここの渦は不思議なことに湧きあがる、

大潮の時など1メートル近く高くなるらしい、

我われが見た時も確かに泉に湧きだすように

盛り上がっていた、

松山の句 街並みクール は理解しずらい、

たぶん 

歓楽街のような喧騒的な街ではないの意味に解釈した、

❝松山城 街の真中に 君臨す❞

松山城が街を見下ろして乱れないよう

しっかり統治しているのだ。

 

今日はここまで、

独りよがりの感想になっているのではないかと

疑心暗鬼になっているが気の向いた時にでも

感想の感想などを頂けると幸いである。

 



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