のりひめのひとりごと Monologue of Noriko

2012年からオーストラリアと日本を行き来しています。日常のいろいろを書いてます。

のりひめの過去ばなし37.お米屋さん向けセミナー

2011-07-27 08:46:53 | のりひめの過去ばなし
関根典子です
ビジネス書の出版をめざし、ただいま過去の棚卸中
よかったらおつきあいください。

●お米屋さん向けセミナー1ほめられアンケート

会社の仕事はこだわり米の卸です。
お取引先のお客様は、小さな商店です。
夫が酒屋さんをしていた縁で、多くは酒屋さん、
そしてお米屋さん。

結婚したのが2005年ですが、その年から
「商売繁盛セミナー」というのを夫婦で始めました。
それまでは夫が講師で商品のことも、マーケティングのことも
セミナー全部を構成してやってきたのですが、
ここから夫婦で二人三脚、わたしがマーケティングのこと、
夫が商品の深い知識の部分を担当し、
前半後半の二部構成にして午後4時間のセミナーを
シリーズで5回とか6回で行いました。

わたしも商店に特化していたわけではなかったので、
手探りではじめました。
10年以上の長いお客様が多く、いままでにない温かい家族の
ような雰囲気で、素直にお客様のふところを借りて、
参加のみなさんが元気が出て、次に会うまでになにか
アクションを起こせるような、そんな運営をしました。

一番盛り上がったのは「売上三倍増セミナー」で行った
「ほめられアンケート」です。

大規模ショッピングセンターがどんどんできるなか、
商店街の集客というのは、とくにパワーのある吉祥寺や
武蔵小山などの商店街などを除いては、
もうほとんど消滅しているといって過言ではありません。

まわり中がシャッターだらけでも、自店だけはお客様が
コンスタントに買いに来る、あるいは店を閉めていても
固定のお客様がいて、毎日配達に行っている、
そんな状況でなければ生き残ってはいけないのです。
仕入れも、すべて完売する予定で予約をとってから
一気に売り切るとか、前金をいただいていて、定期的に
お届けする頒布会方式とか、そんな工夫をしないとなりません。
「だれか」ではなく、「あの人に」買っていただく。
そんな厳しい時代です。

こうした状況ですから、商店主の方たちは自信を失っています。
この人たちにもっともっと自信を持ってもらいたいと思って
お客様向けアンケートを実施してもらうことにしました。

アンケートは、お店や商品についてのご意見と、
店主へのはげましのメッセージを書いていただきます。
設問の仕方で、ほめられるアンケートかけなされるアンケートか
きまってきます。

でも、いまお店に来てくれているお客様へのアンケートですから、
そんなにひどいことを書かれる心配は、実はありません。
いやだったらいくらでも店は他にありますから、
基本的にファンしか来ていないのです。

お客様の意見を収集できたら、活用できることはたくさんあります。
イベントや仕入れにお客様の意見を取り入れたり、
チラシやPOP制作の際にお客様の声として掲載することもできます。
意見を言ってくれたお客様も、お店が要望をきいてくれたら
ますますファンになります。
お店もお客様から繁盛のヒントをもらえて、
さらに励ましのメッセージをもらえたら、
ますます元気がでるというわけです。

宿題を出して、翌月、
お店の皆さんはそれぞれにアンケートの結果をもって
発表してくれました。
お客様に上手に働きかけて、たくさんの意見とはげましのメッセージを
もらったお店もありましたし
機械的にアンケートを配布して、機械的に集計したお店もありました。

あるお店は、返信用封筒に切手を貼ってお客様にわたしたところ
ほとんど回収できて、
「お店に封筒がつくたびに、お客様からラブレターをもらっているようで
それだけで元気が出た」といっていました。

また別のお店の店主は
「お客様から温かいはげましの言葉をもらって、
くじけそうだったのが、すごくやる気がでてきた」

先代からひきついだ二代目店主は
「お客様が長くあたたかい目で見守ってくれていることが身にしみた」

お客様に、日ごろ「私のお店のことどう思っていますか?」とは
なかなか聞けないものです。
勇気を出してきいてみると、
思わぬ温かいコミュニケーションが生まれます。

機械的にアンケートをしたところは
やっぱり機械的な答えが返ってきます。

商店のコミュニケーションはもともとが地域と長く交流する
あたたかいコミュニケーションです。
これを、みなさんの発表からしみじみと感じたのでした。


●次回は、セミナーの続編「チラシの研究」です。