それにしても このMCP自動操縦コンソール上の機能ですら 不可解な操作ポイントがある。
それとは ILSローカライザーに乗せて自動着陸する機能(ボタン名称 APPとかAPR)
これはマチャドも教えない 誰もが質問するポイントだ。 いかに着陸操縦で困っているのか。
まず自動着陸の基本。 本物も同じだけど自動着陸はILSを設置した滑走路しか行えない。 (自動着陸が可能な滑走路は多くない。) 現実でも ILSが滑走路片側にしか無く、風が逆で、視程が悪いと(視程3000ft以下) ILS付き空港でも有視界操縦だけで降りれない。
だから 悪天候のため羽田に引き返しますとなる。(FSゲームで引き返す奴いるかな)
それとFSの自動着陸はICAOでいう カテゴリーⅢb相当らしい物しか搭載してない。
自動着陸機能はILS方式のみの搭載だ。 (このゲームは 意外とICAOに忠実)
さて ここからが間違えるポイント。 このILS自動着陸機能は GPSーNAV自動操縦とは
名前は同じ自動操縦でも 全くの別物機能だ。 (自動操縦装置は1つだと解釈すると間違える。) 着陸空港のSTAR アプローチルートをGPSーNAV自動操縦でナゾっても ILSアウターマーカー会合点の前に、 NAV-SWをGPSからNAVに切り替えGPSーNAV機能を停止させることが必要。 (※ GPS-NAVを使用して無い場合は この部分の操作には全く関係が無い。)
ここからは共通だが ILSローカライザー電波を、事前にゲーム付属のMAPで調べて
その周波数をNO1-NAV受信機に事前設定する必要がある(NAV1受信機に設定のこと)
あと当前だが オーパイ自体のメインスイッチがキチンと入っている事 が操作の基本だ。
さてILSは 水平面に発射するグライドスロープと垂直面に対し発射するローカライザーという2つの電波を使用している。 さらにILS地点を示すアウターマーカーとインナーマーカーも違う電波だ。 しかし FSでは全てを一波のみで行う想定。 無論 本物と使用周波数も違う。
このうち グライドスロープとローカライザーをキャプチャには アウターマーカー会合指定高度より下の高度で進入しないとキャプチャーしない。 これは本物も同じ動作(高度が10ftでも高いと受け付けない) なので着陸の際 滑走路まで単純な降下経路を辿るわけにはいかない。
会合点手前で 少し高度を低めに水平飛行をしてキャプチャする。 そしてアウターマーカー会合点到達でプープーとアウターマーカーALMが鳴ったら、MCPのAPRボタンを押す。
るとILSルートに自動で乗り滑走路へ向け姿勢を保ち自動降下をする。(これが自動着陸)
(※注意 HSIのクロスポインターがセンターで且つ なるべく発信元近くでAPRボタンをオンしないと 弱いILS電波で受信不安定になり自動着陸が変な動きになる。 本物も同じだ。)
そんなFS付属機の自動着陸装置は横風が強い時など(条件詳細は他にも多々ある)
自動着陸要件を満たさない場合を除けば、接地まで面倒を自動でみてくれる。
(※重要 ただし この時の速度管理は自動着陸装置の管理外なので操縦士任せだ。)
ところで、自動着陸に必要なILS着陸補助施設の設置目的は、濃霧等で視程が効かない時に
見通しの効く滑走路接地点の近くまで、 電波により接地しやすい向きで接近できる装置だ。
なので、 ILS電波のみ利用して手動操縦でクロスポインターを視ながら降りる事もある。
(要するに滑走路が見えない(有視界飛行不能)なら 計器だけ視て降りれるシステム)
ということで この自動着陸は計器飛行の部類であり、外を視て操縦の必要性は全く無いのだ。
でも飛行機の滑走路への着陸は有視界飛行だろうと計器飛行だろうと 最終段階の滑走路
接地直前に 滑走路の着地点が目視できることを判断しろとなっている。(有視界で着陸なのだ)
このILS付き滑走路の場合 対地高度150ftの決心高度までに着陸するかの最終決断をする。
(※この150FTという値はILSカテゴリー3Bの場合だ。 FSのILSは3B相当しか無い。)着陸が出来るかのファイナルアンサー最終判断限界地点だ。 (ここでコーパイはミニマムと叫ぶ)
但し FS付属機は電波高度計が無いので、対地高度が分からない重大欠陥がある。
この対処方法は電波高度計付き無償PANELアドオンと交換しかない。(グレードアップで別述) とにかく 本物は決心高度まではコーパイが外を視認して、機長は計器だけを見て操縦する。
高度500Ftに達するとアプローチングミニマム とたずねる。
(ミニマムとはRVシーリング すなわち滑走路目視確認の最低視程距離を意味している) この地点からは機長とコーパイの操縦監視(スキャンニングパターン)の立場が逆転する。 すなわち 機長が外(滑走路接地点)を見て操縦。 コーパイは計器を視て操縦補佐をする。
で、機長が滑走路を視認確認してランデイングと叫んで着陸決定をする。
(※この着陸決定は機長のみしか行えない。 他の操縦業務はコーパイでも可能なのだけどね)
逆に対地高度150ftまでに滑走路(誘導灯)が見えない場合は着陸できない。
その場合 機長がTOGAを押して着陸復航する。(※要はやり直し。 この重要な判断を忙しい状態で瞬時にできますか ということが出来ないとカテゴリー3bの自動着陸は不可能だ)
まぁILSカテゴリー3b自動着陸は滑走路が視認できなくても と簡単に考えるゲーマーは多い。
しかし 現状の最強計器着陸システム3bは滑走路を照らすライト照度が、カテゴリー2に比して桁違いの照明出力だそうだ。 どんな霧でも滑走路を見えるように超強力ライトで滑走路を照らして視程が悪いのをカバー。 どんな完全自動の着陸も、最終的には人間の目視確認で着陸する。
Fsでも視程0M設定においてアプロ-チライトが視れる仕様なのだ。(※ 今後 ILSのカテゴリー3Cが実用化されたら この時はFSゲーマーの期待通り、滑走路が全く視えなくても降りれる。)
ということで 現状の自動着陸は 操縦士の腕が悪いから機械で身代わり着陸 では無いのだ。
着陸決定だとスロットルを調整(一部有料アドオンはオートスロットルだと推力調整も自動)Vターンも自動なので、滑走路の接地点にめがけて有視界視認でランディング。
自動着陸は接地までは完全自動。 コーパイが接地時50 30 20 10 と対地高度を読むのは計器をチャンと見てるよ と言う機長に対しての確認の意味もある。
このように着陸は 大変短い時間(最終態勢から3分程度)だが 面倒で重要なやり取りだらけだ
Fsゲームはワンマン操縦なので 本物操縦に対しての捕らえ方には問題があるけど、
基本的にFsの操縦席はキャプテン役として操縦するように ゲーム自体は出来上がっている アドオンのなかに右席操縦の機能もあるけど、 このゲームでは しっくりこない仕様だ。
ということで接地後に進む。 ここから先は ほとんど手動操作操縦になる。
まずエンジン逆噴射(リバース)や スポイラーも手動操作で適切に入切りする。
一例として付属機B737-400の場合は 接地後の過程として まずエンジンリバースを入れる。
(ただし 本物はリバース禁止の空港や滑走路が存在する。 理由は騒音問題。
別売チャートの注意書きに明記済みなので、FSでも別売チャートを事前にチェックしてから降りましょう。
なんて事をやって降りてますか。 まじめにやると同じ着陸でも全然雰囲気が変わるゲームだ)
あと接地前の事前準備としてスポイラーの待ちうけセット(事前にARM位置セット)することで、自動的にスポイラー板(邪魔板)が接地と同時に立つ自動スポイラー機能が搭載済みだ。 ポイラーだけでも滑走距離は必要だけど止まる事はできる。( リバース未搭載機もあるし)
さらに速度85ktで自動ブレーキ(車輪のアンチスキッドブレーキ)on となる。
自動ブレーキは車輪ディスクブレーキだ。 これを高速時に使うとブレーキ板が大変高温になり 逆に効かなくなるため85kt(時速140KM)以下で使用が基本だ。 この速度とブレーキ力の関係はゲーム上でも再現してる。 要は 85KT以上で使うと 効きが異常に悪いことが再現されてる。なお自動ブレーキレベルセットは着陸前に事前設定を行う。 このレベル設定は基本として1にセットが通常使用状態 2は滑走路が短い場合などで使用 3とMAXは急ブレーキで通常は使用厳禁。 本物機の場合MAXを使用するとシートベルトをしない乗客は席から吹っ飛ぶ。
もちろん乗客が怪我した時点で、現実世界は機長が警察行きになる。(スッチーは補助業務
なので基本的に無罪) では石垣で雨の日の737-400の着陸は どう考えればいいのかな。
60ktでエンジンリバース解除 45kt以下で自動ブレーキOFF。(途中でOFFにしないと機体停止まで効きっぱなし、要は滑走路上で止まる。) (※ここまでの速度はTAS)
あと ICAOルールでスポイラーは この先のTAXI時は立てっぱなしになる。
この他にも ライト や 管制通信 や 速度計 の切り替えや フラップ戻し APU
オンも必要。
この時間は 長くても30秒程度で 二人でやる本物機ですら大変忙しい瞬間なのだ。
そんなことで 自動着陸は簡単そうだが、本物操縦で再現すると手動操縦着陸より難しくなる。 本物もそうだが手動操縦が下手だから使う という思想システムでは無いのだ。
視界良好ならFsですら HSIカーソルでILS着陸ルートのクロスポインターを確認しながら手動操縦で着陸の方が着陸に慣れた人なら かなり楽なはず。
(何も知らない初心者は 機械が勝手にベスト着地するので 本物とは全然違うけど楽だよね)
ここで 自動着陸以前の飛行機着陸に関する基本雑学の再確認。
当前だけど セスナで完璧に着陸できないと いきなりジャンボの着陸は絶対無理。
優しい小型単発機から段階をおって飛行練習すること。(ジャンボを早く操縦したいけどね)
ここでも書いて無い基本着陸操縦話が多々ある。 たとえば着陸時の速度は条件により異なる。 単純な降下速度ではない。 しかも この降下速度でフラップの使い方も異なる。
アドオンのPOSKY機などは このあたりの関係がシビアーに再現されてる。
そんな基本条件は着陸時の残燃料は2割以下で着陸すること。(要は機体を軽くする事)
ジャンボは機体単体が160トンに対し、燃料が満タンで160トンも積む 客や荷物はさらに別という重い機体は それだけ着陸時でも 飛行速度を上げないと墜落してしまうのだ。
しかし 機体が軽ければ、着陸時の速度が下げられるので、着地時の機体衝撃が減る。
(最低飛行速度のことをV2と呼ぶ 一般的に着陸速度はV2+20kt程度で降りるのが基本) V2は条件(機体総重量や 温度と着陸高度(空気密度) 使用フラップなどで変わる。 こんなことが FSではキチンと再現されてる。(失速したり 機体の動きが悪かったりする) というわけで事前に 付属性能表でV2を調べましょう と言う基本的な事前作業をやってる?
着陸は飛行過程で最も操縦の修正微調整が必要なので 機体が軽い方が身動きも軽いのだ。
(※要は 玄人操縦士ですら無理な状態で着陸操縦をやるのが素人操縦なわけだ。)
機体が重いとブレーキは利かないし思うように曲がれない。 過積載ダンプカー運転と同じ状態。
あと これだけ複雑な操縦操作だと誤認操作をやる可能性が高くなる。
俗にいうプロの操作ポカミス。 これを防ぐためにはFSでもチェツクリストの確認が重要だ。 ちなみにチェツクリストはニーボードに付属してる。 玄人プロほど現場で活用されてる代物だ。
さてさて ここまでキチンと着陸をやると FSゲーム遊びも疲れたー となるはず。
でも、 その状態なら本物操縦士も推薦する大変な操縦部分が この先にある。
それは 空港内の地上走行(タクシー)である。(初心者は そんなの簡単と言うかもね)
Fsはゲームらしい便利機能 ピンク色のタクシールートを誘導路上に示す があるので管制通信聞かなくても簡単に行ける。 しかし本物では無い。(似た物が 一部本物大空港にある)
管制から無線だけでルートを伝えてくる。 FSでも ここは本物同様の英語による聞き取りが出来るので 着陸を取り組んで疲れた状態で管制通信を聞き取り 空港をタクシーという本物同様の操縦ができる。 これは複雑で多数のルートやゲートがあり 多数の機体が右往左往の大空港では大変な操縦となる。 実は過去の航空死亡事故通算統計人数が多いのは上空での墜落事故で無く、空港内を地上走行時の激突事故の方である。(事故件数も遥かに多い)
それは なぜなのかを身をもって体験可能なゲームが、FSの良いところかな。
もちろん キチンと操縦をやりたいなら 空港チャートを事前に熟知しておく事は当前か)
というわけで、 このゲームは飛行機の基本雑学がないと楽しめないように出来ている。
雑学は他にも多々必要だ。 このゲームは どこまでもゲーマーの自己学習能力事態を
問われたゲーム。 こんなところまでと、後日に ゲーマーの操縦能力が向上してくると
同じ操縦シーンなのに感嘆する再現性の奥深きゲームである。