9/13の続きでございます。
「道化ディエゴ・デ・アセド(エル・プリモ)」 ベラスケス
残念ながら、こんな小さな画像ではもちろんお分かりいただけないのでございますが
意外なほど勢いのある、素早いタッチでえがかれているのですよ。
無造作と言いたいほどに思い切った筆致で
対象のかたちや質感をこんなにも正確にとらえ、
その存在感をこんなにもリアリスティックに表現できるとは。
恐ろしいほどの技量でございます。
もちろん、ベラスケスの 恐るべき腕前 とは
かたちを写し取ることに長けているという点だけではなく、
モデルの心情や内面までも、時に残酷なほどありありと
画布の上に表してみせる、という点にこそ、最もよく現れているのでございますよ。
「フェリペ4世」 ベラスケス
国の弱体化を止めることができないフェリペ4世の、疲れきった、弱々しい表情。
(ちなみにあだ名は「無能王」。そりゃあんまりですよ、別になりたくてなった王でもないのに。ねえ、徽宗さん。)
徽宗 - Wikipedia
約200年ののち、印象派のエドゥアール・マネをして「画家の中の画家」と呼ばしめ
破壊者ピカソをして「本質を描き出す、真の画家」と言わしめたベラスケスの肖像画は
もはや ある人物の面貌(または、こうであれかしという容貌)の記録 という、肖像画の機能を超えて
歴史上のある一点に存在した人物の息づかいをとどめる、怖いほどに生々しい存在証明となっております。
グレコもベラスケスも一番最初のセクション、「スペイン絵画の黄金時代」の展示品でございます。
公式サイトを見ていただければお分かりのように、展示はゴヤの登場する第5セクションまであります。
中間のセクションはフランスやオランダ絵画が多く
時代的にもやはり、ちと ロココ ロココ しておりまして
スペイン絵画独特の 熱さ暗さ重厚さ といったものがあまり見られませんので
のろ的には まあ ふーむ そうですか それもよかろう・・
といった具合でございましたが
全くのところ、
前回ご紹介したエル・グレコと、このベラスケスの作品を見られただけでもう
この展覧会へ行った価値がございました。
そうそう、こんな興味深い作品もございましたよ。
「アランフェス宮殿の眺望」 バッタリオーリ
何が興味深いかと申しますと
「18世紀の有名なオペラ歌手ファリネッリの注文によって描かれた」 という点でございます。
ファリネッリといえばそう、かの カストラート でございますね。
映画はこちら。 カストラート DVD
こう、思いがけない所で名前が出て来ますと
「おお。本当に存在していたのだなあ」と、これもなにやら生々しい感じがいたしますね。
「道化ディエゴ・デ・アセド(エル・プリモ)」 ベラスケス
残念ながら、こんな小さな画像ではもちろんお分かりいただけないのでございますが
意外なほど勢いのある、素早いタッチでえがかれているのですよ。
無造作と言いたいほどに思い切った筆致で
対象のかたちや質感をこんなにも正確にとらえ、
その存在感をこんなにもリアリスティックに表現できるとは。
恐ろしいほどの技量でございます。
もちろん、ベラスケスの 恐るべき腕前 とは
かたちを写し取ることに長けているという点だけではなく、
モデルの心情や内面までも、時に残酷なほどありありと
画布の上に表してみせる、という点にこそ、最もよく現れているのでございますよ。
「フェリペ4世」 ベラスケス
国の弱体化を止めることができないフェリペ4世の、疲れきった、弱々しい表情。
(ちなみにあだ名は「無能王」。そりゃあんまりですよ、別になりたくてなった王でもないのに。ねえ、徽宗さん。)
徽宗 - Wikipedia
約200年ののち、印象派のエドゥアール・マネをして「画家の中の画家」と呼ばしめ
破壊者ピカソをして「本質を描き出す、真の画家」と言わしめたベラスケスの肖像画は
もはや ある人物の面貌(または、こうであれかしという容貌)の記録 という、肖像画の機能を超えて
歴史上のある一点に存在した人物の息づかいをとどめる、怖いほどに生々しい存在証明となっております。
グレコもベラスケスも一番最初のセクション、「スペイン絵画の黄金時代」の展示品でございます。
公式サイトを見ていただければお分かりのように、展示はゴヤの登場する第5セクションまであります。
中間のセクションはフランスやオランダ絵画が多く
時代的にもやはり、ちと ロココ ロココ しておりまして
スペイン絵画独特の 熱さ暗さ重厚さ といったものがあまり見られませんので
のろ的には まあ ふーむ そうですか それもよかろう・・
といった具合でございましたが
全くのところ、
前回ご紹介したエル・グレコと、このベラスケスの作品を見られただけでもう
この展覧会へ行った価値がございました。
そうそう、こんな興味深い作品もございましたよ。
「アランフェス宮殿の眺望」 バッタリオーリ
何が興味深いかと申しますと
「18世紀の有名なオペラ歌手ファリネッリの注文によって描かれた」 という点でございます。
ファリネッリといえばそう、かの カストラート でございますね。
映画はこちら。 カストラート DVD
こう、思いがけない所で名前が出て来ますと
「おお。本当に存在していたのだなあ」と、これもなにやら生々しい感じがいたしますね。