155第13話ホモ・サピエンスとニフ人
ミーターの大冒険
第六部
地球へ
第14話
ホモ・サピエンスとニフ人
あらすじ
ファウンデーション暦492年、いよいよミーターとイルミナを載せたファー・スター2世号はメルポメニアからアルファに着く。
ミーターは、太陽系と地球についての最終的情報を得ようとしてアルファに降りることにした。
その前にメルポメニアで入手した図書館の蔵書に記されていた地球と地球人類、そしてアルファの住民の起源の土地、ニフについての恐怖の出来事について驚嘆する。
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イルミナ それじゃ、人類の起源から説明しますよ。その本によると、いわゆる今の人類の正式な名称はホモ・サピエンスというらしいわ。
スペーサーたちが宇宙に出て行く段階までの人類歴史学によると、遺伝的な証拠や化石の証拠によると、ホモ・サピエンスは約15万年前に地球の数ある大陸のうち比較的大きいアフリカというところで誕生し、そののち、約8万年前にアフリカを離れて長い歳月を経て世界各地へ広がり、先住のネアンデルタール人やホモ・エレクトスなどのそれ以前の人類との交代劇を繰り広げたと、言われています。
ミーター 約15万年前だって!そして出アフリカだって!
イルミナ そして、最終的にはアフリカの反対側のアメリカ大陸には約3.5万年前に到達したのです。
ミーター イルミナ、それでニフとは?
イルミナ 一番大きい大陸の端から少し離れたところに位置して、大きな4つの島から成っていました。そこにニフ人たちは約6万年前に辿り着いて定着しました。そこで発見された土器の紋様から、その文明は縄文文明と呼ばれています。
ところが、約2万年前に大戦争が起こり、戦争を終わらせようと、二度、核爆弾をニフの敵国が落としたたのです。
スペーサーが宇宙に出る以前の出来事としては最初で最後の悲惨な出来事で、大量の放射能による被害者が出ました。
ですから、ニフ人は地球人類のなかで放射能の恐怖を一番知っていた民族あるいは国民だったのです。
それで核爆弾を憎しんでいたのです。そのなかから、当然、核爆弾製造を放棄し、核の不拡散思想をもち、あるいはあらゆる原子力の利用を拒絶する精神が定着したのです。
ですからニフ人の性質には、二重のアンバランスな精神が入り交じっているのです。一つはおおらかで純真無垢なこころ、もう一つは科学文明に疑問をもち、嫌悪する気持ちなのです。
それから、スペーサーのあとから新たにセッツラーが地球から銀河に散らばって行ったあと、また最終的な悲惨な出来事が起こりました。
ミーター むー、アルカディアが話してくれた話しそのものだ!そういうことだったんだ!恐ろしい地球の過去の出来事なんだな。
それで、イルミナ、最終的な悲惨な事件とは何なんだ?その時、ニフ人たちはどうしたんだ?
イルミナ 二種類に分かれたのよ。
ミーター 二種類だって!もっと説明してくれ!