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ファウンデーションの夢  第八部  アルカディアの遺言  第2話  鶸色の伝説

2023-04-18 23:51:23 | アルカディアの遺言
59第2話鶸色の伝説
ファウンデーションの夢 
第八部 
アルカディアの遺言
第2話 

鶸色の伝説 

大枠

第一部 ダニールの地球探索
第二部 ガイア
第三部 ウォンダとガールの地球探索
第四部 嵐の気配
第五部 Tee Tree
第六部 ベイタ・ダレル
第七部 アルカディア・ダレル
第八部 アルカディアの遺言

第八部の大枠

58 第1話 究極のアウトソーシング 
59 第2話 鶸色の伝説
60 第3話 12858年前
61 第4話 全体主義の恐怖
62 第5話 宇宙最大の謎
63 第6話 ドース・涙の太陽
64 第7話 原子力、宇宙に対する大罪
65 第8話 甦りの銀河
66 第9話 ミーター・新シャーロック・ホームズ
67 第10話 甦りの水
68 第11話 夢を引き継ぐ者

あらすじ

 「ファウンデーションの夢」の最終部になります。次作「ミーターの大冒険」を橋渡しする部分になる。
 アルカディアは81歳で天寿を全うしようとしていた。暦はターミナス443年。
 アルカディア農園はほぼラヴェンダーの畑。第二期のポエニッツ仕様のラヴェンダーのエキスがもうひとつの主役。
 アルカディアは全身全霊をかけて14歳から共に歩んできたミーター(ミーター・マロウ アルカディアの命名でダレル家が名門マロウに繋がることを重んじたから。)に訥々と遺言を語る。
 ハリ・セルダンとガール・ドーニックによって導かれた銀河復興の希望をミーターに賭けるアルカディアの切実さと真摯さとが最後の息までもその輝きがラヴェンダー畑に染み渡る。
 彼女はまず、「反ミュール」の現象から話しはじめる。

59

アルカディア ミーター、ねえ、もう一つのことについて話す前に、あなたはもう私のことは知っていることなんだけどねえ!
 窓辺にヘディキウム(ジンジャーの一種、「花縮砂」)を置いている理由があるのがわかっているわね。
 この部屋の壁の色も、「鶸(ひわ)」色だと言うこともね。
 もちろん、この花や色が好きなんですけど、それには深い意味があるの。花言葉が、「豊かな心、信頼、慕われる愛、無駄なこと 」なんだけれどもね。
 この前、やっと以前に出した二冊目に加えて「続 何度も何度も繰り返して」にすこしだけ書いたエピソード、覚えている?先祖のベリスさんの物語、ですけどね。

(詳しくは、第四部第1話 「涙の黒い太陽」をお読みください。ご要求がございましたら、メッセンジャーでお送りいたしますので、コメント欄にその旨、お書きください。)

 最近になって、ジスカルド・ハニス(新進気鋭のジャーナリスト)が、ベリス岬の洞窟で発見した文書を届けてくれたわ。当人にとってはチンプンカンプンだったもので、私ならわかると言ってたわ。それがなんと先祖のベリスとガールパパの出会いの物語だったんですからねえ!驚いたわ!涙の太陽、放浪の宇宙人たちの話ね。
 ガールとベリスの娘ドースとそのまた娘(養女)のグレディアが努力して大まかに数ある記録をまとめてくれたんです。
 そして直接私がそれらを読めるのは、ちゃんと私のおばあさんベイタのおかげなの。
 それから、『ジョン・ナックの歴史思想書』(ベリス以降、紛失してしまった)の原文の一部、ですね。
 ホントにそれらに文書には驚いたわ。
 それには太古の故郷の星を再発見した不死の従僕が、それまた太古のニフのある娘、ベニサラを想起して、銀河回復の構想を与えられた話など、数々ありますね。

 その中でもとても印象深いシーンが二つあるわ。一つは、ベリスさんの夢に現れた女性の指示に、「髪にジンジャーの花を挿してね」という場面ね。それに「萌黄色の梅雨が降っている」という情景ですね。今日のモーヴと同じだわ。

 もう一つは、紅皿が捧げたヤマブキを受け取った時のその武将の衣の麗しいこと。その色がなんだっか想像したのよ。おそらくベリスの髪に挿したジンジャーの花の色だって。

 ガールパパの卓越性は、
 「人間が人間であるために最も大切なことは、限られたリソースを使って問題を解決する」
 能力ということを、モーヴ、しいては銀河の人たちに知らせたことだわ。私は、そのことを私の人生の中で、体現したかっただけなの。

yatcha john s. 「鶸色の伝説」


Once Again

2023-04-18 03:59:12 | 空へ
誰にでも広がる空のように
誰にでももてる清らか海のように
誰にでも飛べる雲のように
誰でも愛せる砂のように
もう一度
いたい

もう一度

そうだ
今からでも
ほんの数分でもいいから
海へ行って
砂を掌に載せて
風のまにまに
砂を翔ばそうかな

yatcha john s. 「 once again 」